posted by 春海 さな
at 08:55:26 │
EDIT
カウンターが4000超えたのに なかなか有難う小説UPできなかったので、「Sweet Winter」の途中ですがUPさせて頂きますv
今回のお話はタイトルに使わせて頂いてる昔の曲を聞いて思いついたお話です。
同名の映画の主題歌だそうです。
でも、映画も見たことないし、曲もロクに聞いた事なかったんですよね・・・。
・・・で、検索したら、歌詞と、歌ってる動画を発見しまして「良いんじゃない?」って事で書いちゃいました。
よろしければ「天国に一番近い島 歌詞」で検索してみてくださいv
2番目の歌詞を読んで私は、NFLに入った蛭魔と観客席から見守るまもり(結婚してる!)を想像しちゃいましたvv
妄想しすぎ?
だてアレって結婚指輪の事でしょ?
イヤ~ンvv
あ~でも、歌詞の一部を書くのって違法なんですかね?
少し前、宇多田ヒカルさんがツイッターだかで 自分の歌詞の一部をUPして「大丈夫かしら?」ってつぶやいてましたよね・・・。
ヤバイ?
どうなんだろう??
と・・・とりあえず漢字の一部を換えておくか?←意味ないっしょ・・・。

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天国に一番近い島
部活を引退したら、二人の接点はまたただの風紀委員と学校切っての問題児と言う関係に戻るのかと思っていたが、運命のイタズラか、それとも悪ふざけか?
三年生になり、気付けば夏を前に二人は彼女彼氏の間柄になっていた。
だからと言って二人の雰囲気が甘く変化することはなく、寄ると触ると喧嘩する相変わらずな調子だった。
今日も今日とて、久しぶりのデートに胸をときめかせたのも一瞬で、事あるごとにからかって来る蛭魔に律儀にいちいち反論したり否定したりしてはいたがいつもと変わらない会話を、まあ、それなりには楽しんでいたまもりだったが、話しかけた蛭魔から反応が返らず、あまつさえ、その訳がナイスバディをこれ見よがしに露出しているイケイケなお姉さんに見とれてだと気付いた瞬間、まもりの怒りメーターは一気に振り切り、大声で「蛭魔君の馬鹿!スケベ!大嫌い!!」と叫ぶと同時に踵を返して走り去ると言う暴挙をやってのけた。
今は路地裏の古ぼけた喫茶店に逃げ込むように入り、注文をしてようやく一息ついた。
窓の外を腕を組んだカップルが通りすぎて行く。
初夏にしては暑い日射しに負けることなく見るからに仲睦まじい二人。
私と蛭魔君でアレはあり得ないな…。
運ばれて来たアイスティーに口をつける。
「あ、美味しい~」
全力疾走で渇いた喉によく冷えたミルクティーが心地良い。
ミルクと紅茶のバランスが絶妙で幸せな気持ちになれた。
改めて店内を見回す。
薄暗く古ぼけた店内にはまもりの他には客はいないようだ。
店同様に古ぼけた感じのマスターが一人、カウンターの中でグラスを磨いている。
くつろいでくると今まで気付かなかった事に気付けた。
この店の自慢は本格培煎のブレンドコーヒーらしい。
メニューと店内に漂うコーヒーの香りがそれを物語っている。
流れている音楽は意外にもクラシック等ではなく古い感じの歌。
昭和歌謡曲ってやつかしら?
小さな音量で流れる歌が、この店にしっくりマッチしているように感じる。
初めて入ったお店なのにこの馴染む感じって何なのかしら?
まもりは流れる音楽に耳を傾けた。
あ、この曲…。
小さい頃、母さんがよく料理してる時に歌ってた曲だわ。
最近の母の鼻歌のレパートリーは嵐とかカエラとかすっかり今時の歌になっていて、昔の曲を歌っているのを最近は聞いていないので懐かしく感じてしまう。
歌詞に聞きいる。
いつも私の事だけずっと想っててくれなくていいの
自分の夢にすぐムキになる そんなとこ 好きだからとても
I know you 恋した時みんな出逢う自分だけの神様
私が恋した時出逢ったのは悪魔だったな自分の考えにクスリと笑った時、ドン!窓を叩く音がして、まもりは驚いてそちらを見た。
窓の外には不機嫌な顔をした蛭魔が立っていた。
「いきなり人を罵倒して逃げたと思ったら、こんな所で茶していらしたとは優雅デスネェ」
「…スミマセン」
まもりの前の席にどかりと座った蛭魔は馬鹿にしきった顔でまもりを見ている。
一方のまもりは自分の方が怒っていたハズなのにくつろいでいる所を発見された為、縮こまるしかなかった。
「で?」
「で?」
「てめえ喧嘩売ってんのか?」
「売ってません!」
「突然、往来の真ん中で大声で人を罵倒した理由を是非お聞かせ願えませんかね?」
「!そうよ!怒ってるのは私よ!」
「てめえ、脳ミソの回路叩き治してやろうか?」
「慎んで辞退させて頂きます」
「どんな理由があったんですかねぇ?」
「だって…蛭魔君ヒドイんだもん…」
「だから何がヒドイのかわかるように簡潔に答えやがれ!」
「お色気ムンムンのお姉さんに見とれてた」
「はぁ?」
「私が話しかけたの気付かないくらい見とれてた」
「…」
そこで蛭魔の注文したコーヒーが運ばれてきた。
蛭魔は無言のままコーヒーを飲んだ。
あ、蛭魔君の好みの味だったんだ。
一口コーヒーを飲んだ時、蛭魔の右の眉が少し上がったのにまもりは気づいた。
美味しいと思った時の蛭魔の癖だと気づいたのはいつだったろう?
こんな時だけど、やっぱり彼の事が好きなんだと自覚する。
「蛭魔君ってああ言う服が好みなの?」
自分には到底着る勇気の無い服なので好みだと言われたら困ってしまう。
「はぁ…」
蛭魔は盛大にため息をつく。
「あのなぁ、俺はあんな服、好みでもなければ見とれてもいねえ!」
「えっ?だって返事してくれなかったじゃない」
「あのケバい女を見てた訳じゃねえ!大体、あんな服もあんな服着る女も好みじゃねえ。男の脳は露出の高い服着てる女見るとそんな気は無くてもその女を道具として認識するように出来てんだよ。人間じゃなくて道具だぞ?自分の女を他の糞野郎にそんな目で見られてえと思う奴は居ねぇだろうが」
「でも見るのは好きとか…」
「しつけえぞ!好きじゃねえっつってんだろ!俺が見てたのはあの女の後ろのショーウィンドウだ!」
「女の人じゃなかったの?」
「さっきからそう言ってるだろうが」
うんざりした感じに蛭魔が答える。
「…ごめんなさい」
「ったく。」
コーヒーを飲む蛭魔は口程、機嫌は悪くなさそうだ。
しかし、なんとなく気まずさがまもりの中で燻っていて会話は途切れた。
いたたまれない雰囲気にこのままでは駄目だとまもりは会話の糸口をあれこれ考えた。
「ねっ、天国に一番近い島って何処だと思う?」
「はぁ?」
突然の脈絡のないまもりの質問に蛭魔は怪訝な顔をした。
「あ、あのね、さっき『天国に一番近い島』って曲が流れててね、その曲聞いててふと天国に一番近い島って何処かな?って思ったの。ちょっと~そんな馬鹿にしきった目しないでよ」
「その『天国に一番近い島』って曲が主題歌として使われてる同名の映画ん中ではニューカレドニアって事になってんな」
「ニューカレドニア?どうして?」
「この地球上で一番早く夜が明けるからだとよ」
「そうなんだ…素敵ね。天国に一番近い島って表現するなんて」
うっとりとした表情をしたまもりに蛭魔はいつもの意地の悪い笑顔を向ける
「しかし、その理屈で行くと一番早く夜が明けるって事は一番早く夜が更けるって事だから地獄に一番近い島でもあるんじゃねぇの?」
「! また、そんなひねくれたこと言わないの!きっと地獄なんて考えられない素敵な島よ!」
「ホー。言い切りやがったな?天国か地獄か確かめようじゃねえか」
「えっ?」
「夏休みはニューカレドニアだ!覚悟しとけよ」
「はい?」
「よし!決定」
伝票を掴むと訳がわからず混乱しているまもりを置いてさっさと会計に向かった。
慌てたまもりが蛭魔にようやく追い付いたのは店を出てしばらく歩いてからだった。
「ちょっと蛭魔君!どう言う事?夏休みって」
「あん?去年も行っただろうがアメリカに!今年はニューカレドニアだ」
「合宿?デスマーチ?」
「親にはそう言っとけ」
「はい?」
「糞ちび共は同じ日程で俺の正真正銘、地獄に一番近い島で合宿だ!」
「そんな…」
「てめえだってさっきから『はい』って了承してるじゃねえか」
「あれは了承じゃなくて疑問符ついてるやつです!」
歩幅の広い蛭魔を小走りに追い掛けていたまもりは、突然止まった蛭魔の背中に思い切りぶつかった。
しかし蛭魔は少しもよろけることもなくまもりを振り返る。
「俺と天国と地獄に一番近い島に行きたいか行きたくないかだ」
真摯な瞳に身体中を射られたような感覚が走る。
心の片隅で両親に謝りつつ、「行きたい!」と叫んでいた。
満足気にニヤリと笑った蛭魔は「そん時はこれ着やがれ」と言うと、まもりに持っていた紙袋を押し付け歩きだした。
勘違いでまもりが走り去った時、蛭魔は何も持っていなかったはず…。
渡された紙袋の中身を確認したまもりは息を飲む。
蛭魔君が見てたショーウィンドウって…。
背を向けて歩く蛭魔の左腕に走って抱き付いた。
どうしてもにやけてしまう顔を見られたくなくて俯いたまま小さな声で「ありがとう」を言った。
耳の良い悪魔にはまもりのどんな小さな声も届いていて「おう」と返事をしてくれた。
まもりは腕を絡めたまま蛭魔と顔を見合せて笑い、歩きだした。
終わり
あ・・・・甘いですか?
一応、甘いヤツ目指してみました!
「天国に一番近い島」は小説が映画化になったものだそうです。
父親を亡くした少女が父親への想いを抱えて、父親が教えてくれた「天国に一番近い島」を探す旅に出て、そして、成長して帰ってくるお話だそそうです。
歌詞だけ見て 勝手にラブストーリー映画なんだろうと思ってました★
とっても綺麗な島みたいなので 是非、蛭魔さん 私も連れてって~!と思っちゃいます。
お楽しみいただけましたら 幸いです。
posted by 春海 さな
at 00:23:05 │
EDIT
ありがとうございます!
カウンターが1000を超えましたー!
昨日のうちに超えてました。
まだ大丈夫と余裕ぶっこいてたので慌てて たった今、1000記念小説書きあげました!!
あぁ・・・「ホンマでっかTV」見て笑ってたせいで時間が遅くなっちゃいました~。
でも、見逃した回が多い割にBEST10は全部見てましたわ★
このテレビ見ながらメモとってネタ浮かんでる私って・・・変ですね。
今回のお話はタイトルとラストがなかなかまとまらず参りました。
タイトルは色々調べたけれど 諦めてやっつけ仕事になっちゃいました・・・。
ラストは部室を出て行く所で終わるハズがまも姉ちゃんが勝手にしゃべりだしちゃいましたヨ。
そんなこんなドタバタ小説ですが楽しんで頂けると幸いですv

彼の数式 彼女の答え
部の備品の買い出しから帰ったまもりの機嫌はとても良かった。
「まもりさん 何か良い事あったんですか?」
ちょうど休憩中だったのでモン太が声をかけた。
すると まもりはいそいそと部専用の財布からレシートを取り出した。
「支払いの時、ポイントたまってますよって言われたからポイント使ったの。そしたら支払い金額がなんと1124円だったの!こう言うのって嬉しくない?」
そんな中途半端な数字の何がそんなに嬉しいのかわからず一同ポカンとした顔をしたが1人だけすかさずツッコミを入れる者がいた。
「糞マネはそんなに早く糞ババアになりたいんデスカ?ま、堂々とでけぇケーキをむさぼれる日だもんなぁ」
「違います!誕生日の数字とかゾロ目って揃うと嬉しいもんじゃない?」
そこで一同は1124の数字の意味にようやく思い至った。
「あぁ!俺も車のプレートとかで831見つけると嬉しいすっ!なんか良いこと有るんじゃないかって思うんっすよね」
「俺はやっぱゾロ目だな!777か555!良いことバッチリあるぜ」
「そう言えば長いこと行ってねぇなぁ」
黒木と戸叶も会話に参加した。
その後はそれぞれのお気に入りの数字についてひとしきり盛り上がったが
「てめぇら!いつまで休憩してやがる!」
蛭魔の怒号と銃弾の嵐に一目散にグラウンドへと戻って行った。
その日の部活解散後、いつも通り蛭魔とまもりは残って資料整理をしていた。
ようやく整理も終わり、部室の掃除をしていたまもりがパソコンをいじっている蛭魔に話しかけた。
「ねぇ蛭魔君は揃うと“おっ”って思ったり嬉しくなる数字は無いの?」
「嬉しくなる数字なんざねえが“おっ”って思う数字はある」
蛭魔が話題に乗ってくるとは思わなかったまもりは驚きのあまりつい思いっきり反応してしまった。
「えっ?!その数字っていくつ?」
「512」
蛭魔はパソコンをいじりながら簡潔に数字だけを挙げた。
「それって誕生日?!」と瞬時に身をのり出して聞き返してしまい、しまった!と慌てて口を押さえたけれど覆水盆にかえらず…。
蛭魔はニヤリと笑うと「1024でも構わねぇ」と言った。
「やっぱりそれって誕生日じゃないんだ…」
もしかしたらどさくさ紛れに蛭魔の誕生日がわかるかもしれないとの淡い期待はいとも容易く潰えてしまい意気消沈してしまった。
「生年月日なんて重要個人情報をそんな簡単にばらすわけねえだろが」
「でも誰にも教えないなら誰も誕生日お祝いしてくれないよ?寂しくない?」
「別にィ」
本当に何でもないような顔で答える蛭魔にまもりの方が寂しくなる。
「みんなにお祝いしてもらえるってとっても嬉しいのに…私だってお祝いしたいのに…」
じわりと涙が滲みそうになり、気分をかえる為に掃除に集中することにした。
会話のなくなった部室にはまもりの使うほうきの音だけがしている。
掃除が終わるのを見計らって蛭魔もパソコンを片付ける。その間も無言は続く。
まもりは勿論気づいてないが、実は蛭魔はこんなまもりの態度に弱い。
無言の行に絶えれず蛭魔が声をかける。
「オイ糞マネ。生憎 この先、俺の誕生日を知ることができるのは1人だけだなんだよ」
「それってどう言う事?」
「てめえにその覚悟が出来るかどうかって事だ。おら!帰るぞ」
それだけ言うと話しは終わったとばかりに蛭魔は部室を出て行ってしまった。
まもりは慌てて鞄を掴むと電気を消して外に出た。
蛭魔が鍵をかけるのを待ち、一緒に並んで帰る。
まもりはふと気になった疑問を口にした。
「蛭魔君が“おっ”って思うって言ったあの数字は何だったの?」
「2進法。パソコンいじる奴なら“おっ”って思うだろ」
まもりはなるほどと納得した。
「私達は10進法の世界に住んでるじゃない?」
まもりお得意の突拍子もない天然発言が出るのかと蛭魔は片方の眉をあげるだけの反応しか返さなかったがまもりは気にせず言葉を続けた。
「だから慣れるのは大変かもしれないけど…きっと大丈夫なの!蛭魔君が一緒なら8進だろうが16進だろうがね!」
蛭魔は隣を歩くまもりに視線を向けた。
まもりの横顔は凛として輝いて見えた。
それがまもりの答えだとわかる。
「俺はてめえの電卓じゃねぇぞ」
いつもの軽口を言い合いながら、どちらからともなく手を繋ぎ帰路についた。
Fin
あはははははは!
1000記念が こんなので良いでしょうか??
ちょっと意味不明?
手をつなぐ 蛭魔とまもり!
他の方の素敵小説ではウットリしますが 自分が書くと妙にテレますね★
こんなのしか書けませんが これから精進いたしまので お付き合いよろしくですv
蛭×姉で盛り上がりましょーーー!!!
Ya---Ha------!!
posted by 春海 さな
at 23:16:18 │
EDIT
テレビはあまり見ない方ですが 最近、さんまさんの「ホンマでっかTV」が好きで観てます。
下ネタもありますが、なんと言っても脳科学だとか、行動心理学なんぞが聞いてて面白いです。
登場する先生方がみんな 個性的でこれまた面白い!
テレビ局ってよくこんな面白い人たちを見つけてくるな~と感心してしまいます。
水曜日のゴールデンに進出するそうだけど・・・・どうなるんだろう?
11時からの30分だからこその味なような気がするんだけど・・・・。
・・・で、このテレビ観てると 色々ネタが浮かびます。
今回のお話も この番組が元ネタ。
手は以前、聞いたんだけど、耳はこの番組で知ったのです。
・・・で、こんなアホな話になったのでした★
実は 一番最初に思いついた蛭×姉話だったりするのです★
アホですね~。

彼の指 彼女の耳
クリスマスボールまで後わずか。
練習に熱が入るのは勿論、データ分析、整理等も佳境に入り 帰宅が遅くなる日が続いていた。
今日も部活終了後、部室でデータ整理をしていたまもりは少し休憩するべく 自分と蛭魔のコーヒーを入れた。
コーヒーを受け取りこそしたものの蛭魔は一口飲んだだけでコーヒーをテーブルに置くと再びパソコンに戻ってしまった。
そんな蛭魔に聞こえないように小さくため息をつくとミルクたっぷりのコーヒーを飲んだ。
何の会話もない、蛭魔のキーボードを打つ音しか聞こえない部室でまもりの視線は自然とキーボードの上を滑らかに動く蛭魔の指を見つめる。
「いつまで人の手見りゃ気が済むんだ?仕事は終わったのかよ糞マネ」
突然 声をかけられまもりは驚いてコーヒーカップを危うく落としそうになった。
「後少しです。…見てるの気付いてたの?」
「そんだけ遠慮なくじろじろ見られりゃ馬鹿でも気付く」
「そんなじろじろなんて見てません!」
「入れたてのコーヒーがぬるくなるくらいにはじろじろ見てたぜ」
言われて見れば確かにすでにコーヒーから湯気はたっていない。
ニヤリと意地悪く笑う蛭魔にまもりは反論できずに口をつぐんだ。
ぬるくなったコーヒーを飲みながら つい目はコーヒーカップを持つ蛭魔の指を見る。
「良く男子って足首の細い子が良いとか 胸の大きな子が良いとか言うじゃない?」
「あん?」
まもりの発言の意図が掴めず蛭魔は眉をひそめた。
「女子もね 男子の背中が良いとか喉仏が良いとか話したりするのね」
「ほぉ」
「で、今日、そう言う話題になって友達に男子の何処が好き?って聞かれたんだけど…そんな事考えた事もなかったからその時は答えられなかったのよね。だけど…蛭魔君の指 見てたら指が好きかもって思ったの。蛭魔君の指って太過ぎず細すぎずスラッと長くて少し節ばってるけど無骨な訳じゃなくて滑らかに良く動いて、私はこう言う指が好きかもって思って」
「ほぉ、大絶賛の上に衝撃告白だなぁ」
ニヤニヤと嫌な笑いをする蛭魔に自分が“好き”を連発した事に気付き慌ててまもりは訂正した
「好きなのは蛭魔君じゃなくて蛭魔君の指だからね!指!指なのよ!」
あまりの剣幕に蛭魔は少々鼻白んだ
「わかったわかった てめえの好きなのは俺じゃなくて俺の指で良いんだろ」
「…う、うん」
小さくなって頷くまもりに「アホらしい」と思いつつも頭をもたげたイタズラ心を押さえられない蛭魔は手早くパソコンを片付けながら「俺もてめえの耳 好きだぜ?」と なんでもない事の様にさらりと言葉を投げた。
受けたまもりはいきなりの言葉にどう受け答えるべきかわからず口をパクパク開閉するしか出来なかった。
いつの間にかすっかり帰り支度の整った蛭魔は未だに固まっているまもりに近づくとまもりの髪をかきあげその耳にかけると露になった耳たぶを優しく指で挟んだ。親指のはらでゆっくり撫でながら「お前の耳は形が良いから好きだ」と耳元で静かに囁いた。
まもりは今の二人の状態が上手く把握できず固まってしまった。
そんなまもりに蛭魔は満足気な笑みを浮かべると耳を放した。
指が離れた事にまもりがほっとした瞬間、その一瞬を狙っように蛭魔の指が遠慮なくまもりの耳の穴にぷすっと突きさされた。
「きゃっ!」
いきなりの事にまもりは飛び上がり耳を押さえた。
「なななな 何するのよ!?」
「やっぱりな」
「は?」
「俺達は相性良いな」
「何の事?!」
「おら 帰るぞ」
蛭魔はさっさと鞄を持ち部室から出て行こうとしている。
「何なのよ?!私、まだ書類が残ってるんだけど!?」
「甘くせぇ これ以上付き合えるか!残りは家でして来やがれ!」
「もぉ 勝手なんだからぁ」
ぶつぶつ言いながらも手早く荷物をまとめるとまもりは蛭魔の後を追った。
数日後の昼休み。
今日も「メガネをかけてる男子が良い」とか「喉仏が好き」とか数人の女子が集まって男子の萌えポイントについて盛り上がっていた。
「まもはどこかキュンと来るとこないの?」と聞かれたので おずおずと「しいてあげるなら 指かな?」と答えた。当たり障りの無い答えだと思ったのに「指」と言ったとたん一人の女子が「いや~んまもったらイヤラし~」と返され面くらう。
「なんで?!何が??どうして?」
訳が分からないまもりに友人は笑いながら謝罪した。
「あはは ごめんごめん いつ誰が指って言うかって思ってたんだ」
「指がどうかしたの?」
他の女子も興味深気に身を乗り出して来た。
「この前テレビで言ってたんだけど、人間の体ってDNAの配列が設計図じゃない?で、手の指や足の指とか末端は全部同じ設計図で出来てるんだって」
「だから?」
「だからぁ 男子にはもう一ヶ所末端が有るでしょ?」
「?」
「末端?」
「…それって…」
「そうアソコ」
ニヤリと笑いながら出た答えに一瞬の沈黙の後、皆が口ぐちに「イヤだぁ」「何言うのよ」と騒ぎだした。
「それって…じゃあパンツ脱がなくても男子のアソコがどんなか分かっちゃうってこと?!」
「うわ男子可哀想~」
「これから男子の手ばっか見ちゃいそう」
「そんな話聞いたら嫌でも目が行くよね…」
女子がわいわい騒ぐ中、まもりは固まっていた。
私ってば蛭魔君の指が好きだって連発してなかった…?
それに蛭魔君は衝撃告白って言ってた…アレって…蛭魔君はこの話しを知ってたから…?
私ってば ひ、蛭魔君のアソコ誉めまくったみたいじゃない?!
やだぁ…
あまりの衝撃にまもりは二の句がつげない。
そんなまもりに気付くことなく女子達の話しは続く。
「甘いなぁ 外見からバレちゃうのは男子だけじゃないのだよ諸君」
「えぇ?!」
「ウソぉ~!」
「何がバレちゃうっての!?」
女子達が身を乗り出して答えを待つ。
その間、まもりは一つの答えを思い付き嫌な予感にさいなまれた。
「それはねぇ。耳の穴と手前の出っ張りの幅で女の子のアソコがキツいか弛いか分かっちゃうらしいよ」
「それって狭い方が良いのよね?」
「そうそう 締まりが良いって悦ばれるわけよ」
「え~私の幅どう?!」
「え、ちょっと広いんじゃない!?」
「ウソぉ?!ちょっとアンタの見せてごらんなさいよ」
「イヤだぁ」
あまりの騒がしさに教室中の視線がまもり達のグループにむけられるが まもりはそんな視線を感じる余裕もなく、ただただ頭の中で「相性が良いって…相性が…」と繰り返すしかできなかった。
その後、まもりはしばらく蛭魔の手を見ることができず、悪魔にかっこうのからかいネタを提供することになった。
噂の真相が判明するのはもう少し先のお話。
Fin
・・・アホですね。
アホでスミマセン~。
小説書いてると 必ず、蛭魔が予定外の行動をしてくれます。
今回は 部室からさっさと帰宅しちゃいました。
ちょっと その気になっちゃいそうで慌てたらしいです。
・・・・格好良い蛭魔さんの書き方 誰か教えてください~~。
posted by 春海 さな
at 09:01:25 │
EDIT
9月に入っても暑い日が続いてまいります・・・。
113年で一番暑い夏が体験できたのかと思うと そりゃ凄い!と思うのですが
それにしても9月に入ってもこの暑さは異常すぎ!
せめて朝晩くらいはさわやかになってほしい・・・。
今年は秋はなく、突然冬になりそう?
・・・ってか冬はあるのかしら??
そんな時に書いたのは入学シーズンのお話。
まもりは入試の時から 蛭魔を意識してたけど 蛭魔はどうだったんだろう?
あんまし目には入ってなかったんだろうな。

そんな始まり
泥門高校入試会場で周りの迷惑も顧みず、傍若無人に振る舞う金髪ピアスの男子が許せず、まもりは無事、入学したあかつきには風紀委員会に入る決意をした。
その後、まもりは見事、合格し晴れて泥門高校の生徒となる入学式で新入生代表に選ばれ挨拶をすることになった。
挨拶についての打ち合わせで職員室に行くとどの先生もニコニコとまもりを歓迎してくれた。
「あの入試問題で満点出すなんて素晴らしい!」
「ここ数年、定員割れギリギリでほぼ全員合格状態だったからねぇ。試験の点数なんて何点だろうが関係無いからどうせならって先生方頑張って入試問題はどれも超難問にしたんだよ。それで満点とれるなんて恐れ入った」
「しかも二人もなんて凄いですよね!」
まもり相手に学年主任と教頭が盛り上がっている所に若い体育教師らしき男が口を挟んだ。
その途端、主任と教頭の笑顔が固まった。
「同点の方が居るんですか?代表は私で良いんですか?なんでしたら挨拶はその方に」
「いかん!」
「絶対駄目です!」
まもりが最後まで言い切らないうつに凄い勢いで二人に却下された。
余りの勢いに固まってしまったまもりに自分の失態に気付いた教頭は一つ咳払いすると
「彼はねぇ 成績は確かに優秀なんだが 素行に少々…いや、多々…いや、まぁ、そのぉ…なんだなぁ…」
なにやら言い訳しながら実に歯切れ悪く口ごもってしまった。
「あの蛭魔ですからねぇ…」
一言呟いた後、主任も項垂れて黙りこんでしまった。
ヒルマ…知らない名前。
しかし、何故かまもりの脳裏に入試で見た男子の顔が浮かんだ。
まさかと思ったその時、派手な音を立てて職員室のドアが開き、まさに今、まもりが脳裏に浮かんだ相手が入って来た。
まもり達に気付くとニヤニヤ笑いながら近づいて来て
「そいつが新入生代表か?ビビってやがるなら俺がかわってやろうか?同点なんだしどっちだろうが構わねぇだろう」とまもりを見た。
その瞬間、ほぅっと蛭魔の眉が少し上がったのにまもりはカチンと来た。
幼い頃から純粋な日本人ではない自分の容姿に初対面の相手は様々な反応をした。
だからどんな反応をされようと慣れていた筈なのに瞬間的に怒りが込み上げた。
必然的に口調もキツイものになる。
「結構です!ビビってなんていませんから。そんな格好で新入生代表は無いでしょう」
ふんと少し馬鹿にしたように笑うと てっきり怒りだすと思った相手は同じようにふんと鼻で笑って「ご苦労なこって」と言うとまもりに興味を無くしたように踵を返し、「校長はどこだ」とぞんざいに教頭に聞いた。
絶対零度で凍っていた職員室はその言葉でおろおろと動きを再開した。
「蛭魔君 やはり一つの部だけを特別扱いすると言う分けには行かないし ましてや入学式で校長がアメフトのユニフォームを着て挨拶するのも如何なものかと言うことで…なんとか勘弁して貰えないかな…その代わりアメフト部創部、部室とグランドの使用許可と用具の即時一括購入を約束すると言うことでひとつ…」
卑屈なまでの低姿勢で揉み手をする教頭にまもりは唖然とする。
蛭魔と呼ばれた男子は取り出した携帯をいじりながらつまらなそうに了解の意を示しさっさと職員室を出て行った。
蛭魔の去った職員室には安堵の空気が流れたが 相変わらず、いや、入試の時以上の蛭魔の傍若無人ぶりにまもりは怒りの炎で燃え、そして改めて決意した。
絶対に風紀委員に入る!
今、二人の闘いの火蓋が切って落とされた。
Fin
真面目なまもりは 傍若無人な蛭魔を心底嫌ってただろうな~・・・。
きっと 知れば知る程 コントラスト効果がいかんなく発揮されることになるんでしょうね(笑)
本当はもっと長い話だったのですが いったん区切って また次回!
私の書くまもりさんは とっても好戦的なので参ります。
書いてる本人の性格が反映されるんですかね??
自分では 平和主義者と思ってるんですけどね★
posted by 春海 さな
at 14:06:36 │
EDIT
心理テストってどのくらい当たるんでしょうね?
寝かたについての心理テストを聞いた時に浮かんだ蛭×姉SSです。
やっぱり蛭魔は好き勝手動き出します。
思い通りに小説を書ける人って凄いな~・・・。
せめて もう少しまとまりのあるお話を作れるようになりたいです。
寝かたと云えば、以前、私は絶対、胎児型だったんですが 最近はすっかり大の字型に近いような・・・。
なんかとっても解放されたんでしょうね(笑)

Good Night
練習終了後の部室は鈴音が持ってきたティーンズ雑誌の性格判断の特集記事で盛り上がっていた。
「寝姿判断?えー私、どれかしら?普通に上を向いて寝て 朝、起きたら横向きって感じなんだけどそう言う普通なのは載ってないのね」
「うちの馬鹿兄貴なんて このお尻を高く上げて寝るスフィンクス型なんだよ!アリエナイでしょ!」
大笑いしている鈴音に横から雑誌を覗いていたセナが隣のモン太に「モン太もこれだよね」と聞くと「おう!早く昼の世界に戻りたいタイプなんて俺らしいじゃねぇか!元気MAX!」と、いつものポーズを決めた。
暢気にポーズを決めていたモン太は「でも このスフィンクス型で寝るのは大抵幼児なのに…」と言う鈴音の呆れた視線と呟きに幸いにも気付かなかった。
気を取り直して再び雑誌に目をやった鈴音が「私はこの胎児型なの」と指差すと「あ、僕もそれだ」とセナが反応した。ニヤニヤ笑いながら戸叶が「十文字もそれだな」と口を挟んだ。
「なになに?胎児型は自己防衛本能の強いタイプ!そうだったのか!」と大笑いを始めた黒木に照れて顔を赤くした十文字はチョップをかまし黙らせた。
「そんなもんでくくれる程 人の性格は単純じゃねぇだろうが」と照れ隠しも手伝いやや乱暴に言葉を吐き出した。
「えーでも案外当たってると思うよ?うちの馬鹿兄貴とか…。あ、くりたんって大の字型じゃない?」
「えっ?寝姿?うん、そーだよ」と、小結と新発売の菓子の試食中に突然話しを振られても栗田はにこやかに答えてくれた。
「ほら!ね?大の字型は開放的!くりたんにぴったりあってない?」
鬼の首をとった様に自慢気な鈴音に十文字は毒気を抜かれて口をつぐんだが「あの体型でうつ伏せ型なんてアリエねぇだろう。やったら自重で圧迫死だ」と戸叶はすかさず突っ込みを入れた。
「えー当たってるって!ね?まも姉?」
立場が弱くなるや鈴音はまもりに話しをふった。
しばらく雑誌を読んでいたまもりは「うん。結構当たってるかも」と賛同した。
「だって このうつ伏せ型って支配したいタイプで几帳面で時間に正確なんて蛭魔君にぴったりじゃない!蛭魔君っていつ見てもうつ伏せで寝てるもの。まさに当たってるって感じじゃない!?」
ナンデ蛭魔の寝姿シッテルンデスカ?
イツ見テモッテドウイウ事デスカ?
ご機嫌で雑誌を見るまもりは自分の発言の重大性に気付いていない。
一同はまもりの衝撃発言に一瞬固まり、そして同時に蛭魔に目を向けた。
そこには唖然とした顔をしてまもりを見る蛭魔がいた。
しかし、悪魔は立ち直りが早い。
いつものふてぶてしい笑みを浮かべると「てめえは糞猿や糞馬鹿と同じスフィンクス型だろう。ある意味 頭ん中のレベルが幼児だからな!」とまもりの神経を逆撫でする言葉を放った。
案の定、カチンと来たまもりが反論する。
「そんな寝方なんてしてません!蛭魔君こそ すぐに人の事からかったり意地悪したり小学生レベルじゃない!」
「幼児よりゃマシだろが」
簡単に蛭魔に煽られいつもの言い合いが始まった。
こうなると長い。衝撃を受けた皆は無言のまま帰り支度をして部室を出て行った。
しばらくの言い合いの後、部室に誰も居ない
事に気付いたまもりはガックリと肩を落とした。
「今日は鈴音ちゃん達と帰りに新しく出来たカフェに行く約束してたのに…アイスクリームの乗ったアップルパイが絶品って評判で楽しみにしてたのに…なんで声かけてくれなかったのかしら…」
「…マジで分かってねぇのか…」
「? 何が?」
きょとんとした顔をして小首を傾げるまもりに蛭魔は短くため息をつくと「分かった。その糞カフェとやらに付き合ってやる」と予想もしなかった提案をしてきた。
まもりは「本当に!?」と一瞬、喜んだもののすぐに警戒感を顕にした。
「ただし交換条件だ」と言う蛭魔に「やっぱり…」と落胆を隠せない。
「てめえの寝相はスフィンクス型かどうか検証するから今日は俺ん家に泊まり決定な」
「えーそんな急に」
「明日は日曜日で部も休みだしちょうど良いだろう?てめえの寝相はどんなかきっちりあいつらに報告しなくちゃあなぁなんたって俺は几帳面ですからねぇ」
ケケケと心底楽しそうに笑う蛭魔の言葉にまもりは今の今まで思い至らなかった答えにたどり着き固まった。
「…ねぇ蛭魔君…もしかしてバレた…?」
「漸く気付きやがりましたか糞彼女」
「えぇ~?!どうしよう?!どうしよう蛭魔君」
「どうもしねぇ てめえの寝相を奴らに報告するだけだ」
「えー嫌~!!」
その後は几帳面な悪魔の思惑通りの展開に翻弄されたまもりさんでありました。
Fin
蛭魔と付き合ってることを秘密にしてた姉崎さん。
自分で墓穴掘っちゃうってお話でした★
しっかり者なのに天然なまもりと 一枚上手な蛭魔のカップルが好きですv