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Good Night
練習終了後の部室は鈴音が持ってきたティーンズ雑誌の性格判断の特集記事で盛り上がっていた。
「寝姿判断?えー私、どれかしら?普通に上を向いて寝て 朝、起きたら横向きって感じなんだけどそう言う普通なのは載ってないのね」
「うちの馬鹿兄貴なんて このお尻を高く上げて寝るスフィンクス型なんだよ!アリエナイでしょ!」
大笑いしている鈴音に横から雑誌を覗いていたセナが隣のモン太に「モン太もこれだよね」と聞くと「おう!早く昼の世界に戻りたいタイプなんて俺らしいじゃねぇか!元気MAX!」と、いつものポーズを決めた。
暢気にポーズを決めていたモン太は「でも このスフィンクス型で寝るのは大抵幼児なのに…」と言う鈴音の呆れた視線と呟きに幸いにも気付かなかった。
気を取り直して再び雑誌に目をやった鈴音が「私はこの胎児型なの」と指差すと「あ、僕もそれだ」とセナが反応した。ニヤニヤ笑いながら戸叶が「十文字もそれだな」と口を挟んだ。
「なになに?胎児型は自己防衛本能の強いタイプ!そうだったのか!」と大笑いを始めた黒木に照れて顔を赤くした十文字はチョップをかまし黙らせた。
「そんなもんでくくれる程 人の性格は単純じゃねぇだろうが」と照れ隠しも手伝いやや乱暴に言葉を吐き出した。
「えーでも案外当たってると思うよ?うちの馬鹿兄貴とか…。あ、くりたんって大の字型じゃない?」
「えっ?寝姿?うん、そーだよ」と、小結と新発売の菓子の試食中に突然話しを振られても栗田はにこやかに答えてくれた。
「ほら!ね?大の字型は開放的!くりたんにぴったりあってない?」
鬼の首をとった様に自慢気な鈴音に十文字は毒気を抜かれて口をつぐんだが「あの体型でうつ伏せ型なんてアリエねぇだろう。やったら自重で圧迫死だ」と戸叶はすかさず突っ込みを入れた。
「えー当たってるって!ね?まも姉?」
立場が弱くなるや鈴音はまもりに話しをふった。
しばらく雑誌を読んでいたまもりは「うん。結構当たってるかも」と賛同した。
「だって このうつ伏せ型って支配したいタイプで几帳面で時間に正確なんて蛭魔君にぴったりじゃない!蛭魔君っていつ見てもうつ伏せで寝てるもの。まさに当たってるって感じじゃない!?」
ナンデ蛭魔の寝姿シッテルンデスカ?
イツ見テモッテドウイウ事デスカ?
ご機嫌で雑誌を見るまもりは自分の発言の重大性に気付いていない。
一同はまもりの衝撃発言に一瞬固まり、そして同時に蛭魔に目を向けた。
そこには唖然とした顔をしてまもりを見る蛭魔がいた。
しかし、悪魔は立ち直りが早い。
いつものふてぶてしい笑みを浮かべると「てめえは糞猿や糞馬鹿と同じスフィンクス型だろう。ある意味 頭ん中のレベルが幼児だからな!」とまもりの神経を逆撫でする言葉を放った。
案の定、カチンと来たまもりが反論する。
「そんな寝方なんてしてません!蛭魔君こそ すぐに人の事からかったり意地悪したり小学生レベルじゃない!」
「幼児よりゃマシだろが」
簡単に蛭魔に煽られいつもの言い合いが始まった。
こうなると長い。衝撃を受けた皆は無言のまま帰り支度をして部室を出て行った。
しばらくの言い合いの後、部室に誰も居ない
事に気付いたまもりはガックリと肩を落とした。
「今日は鈴音ちゃん達と帰りに新しく出来たカフェに行く約束してたのに…アイスクリームの乗ったアップルパイが絶品って評判で楽しみにしてたのに…なんで声かけてくれなかったのかしら…」
「…マジで分かってねぇのか…」
「? 何が?」
きょとんとした顔をして小首を傾げるまもりに蛭魔は短くため息をつくと「分かった。その糞カフェとやらに付き合ってやる」と予想もしなかった提案をしてきた。
まもりは「本当に!?」と一瞬、喜んだもののすぐに警戒感を顕にした。
「ただし交換条件だ」と言う蛭魔に「やっぱり…」と落胆を隠せない。
「てめえの寝相はスフィンクス型かどうか検証するから今日は俺ん家に泊まり決定な」
「えーそんな急に」
「明日は日曜日で部も休みだしちょうど良いだろう?てめえの寝相はどんなかきっちりあいつらに報告しなくちゃあなぁなんたって俺は几帳面ですからねぇ」
ケケケと心底楽しそうに笑う蛭魔の言葉にまもりは今の今まで思い至らなかった答えにたどり着き固まった。
「…ねぇ蛭魔君…もしかしてバレた…?」
「漸く気付きやがりましたか糞彼女」
「えぇ~?!どうしよう?!どうしよう蛭魔君」
「どうもしねぇ てめえの寝相を奴らに報告するだけだ」
「えー嫌~!!」
その後は几帳面な悪魔の思惑通りの展開に翻弄されたまもりさんでありました。
Fin
蛭魔と付き合ってることを秘密にしてた姉崎さん。
自分で墓穴掘っちゃうってお話でした★
しっかり者なのに天然なまもりと 一枚上手な蛭魔のカップルが好きですv
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