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蒼い弾丸
「俺はアメリカへ行く」
「私は行かない。行けないよ…。就職も決まったし。」
「…」
「サヨナラだね。アメリカでも頑張ってね!」
一年の時こそ惜しくも決勝で破れたライスボールだったが
その後、三年連続優勝へと導いた実績を買われ、NFLのとあるチームと契約した蛭魔は卒業を待たずに渡米した。
姉崎まもりは保育士にも教師にも結局なることなく、英語をいかし外資系の会社へと就職を決めた。
三ヶ月にも及んだ研修を終え配属された部署は外資系だからか、それとも この部署だからなのか、新入のまもりにみな好意的で和やかな雰囲気だった。
そのおかげで最初こそ緊張していたまもりもすぐに職場に馴染むことが出来た。
勤め始めて一ヶ月。
卒業、就職、研修と目まぐるしかった変化もようやく落ち着いた。
昼食の後、午後の就業開始までまもりは窓際に自分の椅子を持って行き外をぼんやり眺めながらコーヒーを飲むのが最近の日課だった。
季節はいつの間にか春から夏になっていた。
太陽が照りつけるグランドを水を持って走り回らなくてもよい。
いつ終わるかわからなような大量の資料と格闘することもない。
1日中涼しい部屋の中で決まった時間の中で適度にこなせば良い仕事に何故か物足りなさを感じる。
何よりもここには…
「銃声が聞こえない…」
「はっ?銃声?!」
いつの間にか昼食から帰って来た同僚がまもりのつぶやきを聞きつけて窓辺にやって来た。
しかし、まもりの見つめる先には彼女の期待するようなものはなかった。
「何なの?銃声なんて言うから事件かドラマの撮影してるのかと思っちゃった」
「ん~ずっと暑かろが寒かろうがお構い無しで怒号と銃声の中駆け回ってたから平和ってこんなモノなのかなって思って…」
「…姉崎さんって日本で育ったんじゃないの?」
「生まれも育ちも日本です」
ニッコリ笑うと同僚は少し怪訝な顔をして自分のデスクへと戻って行った。
まもりは窓の外の空を眺め、誰かがまもりの中に残して行った退屈に小さくあくびをした。
翌週、恒例の業務についての朝礼を兼ねた会議をしていると突然、慌てた様子で女性が部屋に飛び込んで来て上司に一枚の紙を渡した。
突然の出来ごとに最初はわからなかったが、その女性が社長つきの秘書だとわかると全員の視線が上司の持つ紙へと注がれた。
「突然だが本社より辞令がでた。姉崎君。アメリカ本社に出向との事だ」
書かれていた内容にその場にいた全員が驚いた。
「それは断ることは出来ないんですか?」
「出来ない事はないかもしれないが本社社長じきじきの辞令だから難しいかもしれないな…あ、いや、追伸で決定は本人の意志に任せると書いてある」
何故本社社長がじきじきに新入社員を指名したのか?
前代未聞の出来事に騒然となる中、まもりには「ケケケ」と笑う悪魔の声が聞こえた。
蛭魔妖一と言う男は悪魔と呼ばれるに相応しい男だった。
見た目もさることながら傍若無人、唯我独尊、破天荒な立ち振舞いは見る者を地獄の恐怖へと突き落とす。
嘘ではない。
だがそれは真実でもない。彼は強引であったが傲慢ではなかった。
無理やり自分のフィールドに引き摺りこんでも最後の決定は本人に委ねた。
決して強要する事なく、本人の意志を尊重した。それは潔い程。だからあの時、彼はさっさと一人で旅立った。立ち止まる者に用は無いとスッパリ切り捨てて…。
そんな彼からの突然のコンタクト。
後ろを決して振り返らない彼のこれは気紛れ?
それとも後悔?
それともやっぱり彼は悪魔で、私の平和を乱す罠を張った?
わからない。
彼の意図はわからない。
けれど これは私にとってラストチャンスだと言う事はわかる。
じっと電話を待ってる日々にサヨナラできる。
全員の視線を受けながらまもりは決意を口にした。
蛭魔は夢を力で現実にした。
新天地は曲者揃いの山あり谷ありで順風満帆の船出とは行かなかったが持ち前の知略謀略張り巡らして海千山千を黙らせて来た。
今は波に乗れている。
気は抜けないが確実に追い風だ。
津波のように全てを破壊して突き進める気すらする。
毎日が充実している。
今日も試合は快勝だった。
明日は試合が無い事もあり時間も忘れてチームメイトと酒を浴びるように飲みばか騒ぎで盛り上がった。
自室に帰り、冷えたミネラルウォーターをペットボトルのままらっぱ飲みしながらテレビをつける。
チャンネルを次々にかえても蛭魔の興味を欠片も惹くものはなくイラついてリモコンをベッドへ投げつけた。
もうじき朝が来る。
イラつきついでに自身もベッドに投げだして暫し意識を手放した。
まどろみの中で見た夢はシュークリームのようにふわふわとした掴み所の無い糞甘いもので夢だとわかっているのにどうにも出来ない居心地の悪さに舌打ちをする。
しかし、夢は突然現れた女の放った銃弾によって木っ端微塵に撃ち砕かれた。
ショックにやられ目が覚めた。
全身に嫌な汗をかいていて気分が悪い。
自分はアノ女に撃たれた。
それは随分昔の事だった。
それなのにアノ女の放った銃弾は今もなお自分の中にしぶとく居座り、少しずつ、しかし確実に侵食を始めている。
もう抑えきれない。
生殺し状態で甘んじるなんざ俺じゃねぇ。
殺るならさっさと殺りやがれ!
シャワーを浴びた蛭魔は黒い手帳を取り出すと電話に手をのばした。
もうじき蒼い弾丸を装備した女が悪魔と対峙する為に海を越えてやって来る。
この闘いの勝者は果たして…
Fin
B'Zの曲聞いてたら こんな蛭×姉が出てきちゃいました★
勝手に蛭魔が動くので最初考えてたのと違う内容になっちゃいました・・・。
小説って書いたことない上に作文も感想文も論文も超苦手な奴なので・・・
まとまりのないうっとうしい文章でスミマセン。
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