夫婦戦争-LoversWar-12
昨夜はあれから目が冴えてしまい、ようやくうとうと出来たのは夜明け近くになってからだった。
あんなキスに謎の言葉を残されたら気になって眠ることは出来なかった。
一晩中、頭の中を疑惑や疑念、そして淡い期待が駆け巡り、おかげで今朝は珍しく寝坊してしまった。
「出かける準備しなきゃ…」
頭がボーッとする。
洗面所に行き顔を洗う。
鏡の中の私の顔ときたら寝不足で瞼は腫れぼったく、目の下にはうっすらクマまで出来ている。
顔は青白く、頭はボサボサ。
ひどい…酷すぎる…。
あまりの自分の姿に暫し唖然となる。
「これは……百年の恋も冷めるわね」
部室に何が待ち構えているのかはわからない。
とりあえず、こんな疲れ果てた顔じゃ駄目。
こんな顔じゃ試合開始の前に負けが決まったも同然だわ。
悪魔と対峙するんだから気合いを入れなきゃ。
もう一度、冷たい水で顔をじゃぶじゃぶ洗う。
鏡の中の自分を睨み付けて気合いを込める。
「絶対、負けないんだから!」
軽い朝食を手早く済ませて出かける準備を始める。
別にデートとかそう言うものではないんだけれど、心のどこかが微かに浮き立っている事に気付き苦笑が漏れた。
別れ話になる可能性だって有るのにと、自分でも少々呆れるけれど、いそいそと姿見の前で持って来た服をあれでもないこれでもないと選ぶのはやめられない。
さんざん迷ったあげく、同窓会に着て行こうと思っていた服を着た。
いつの間にか時間はうちから泥門高校まで遅刻せずに行けるギリギリの時間になってしまい、私は慌てて家を飛び出した。
タイミング良くやって来た電車に飛び乗り、空いている座席に腰掛けようやく一息つく。
車窓から流れる景色を眺めていると、なんだか高校時代に戻ったような気になる。
あの頃はまさか自分の名字が蛭魔になるなんて考えた事もなかったっけ…。
本当に人生、何が起こるかわからない。
部室で自分を待っている未来はどんなものなのだろう?
泥門前駅に着くまでまもりは窓の外をぼんやり眺めていた。
続く
うちのまもりって本当に悩めない子です。
それは私が悩めない子だから★
部室に何が待つのか!?
ああ~~~
風龍凪さん ごめんなさい!
サボらず頑張ります~~~~!!

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