夫婦戦争-Lovers War-10
いね。先に下に降りておくからごゆっくり~」
母の声にはっと我にかえった。
私ったらこんな事で簡単にほだされかけてた。
妖一の腕から脱け出す為に腕に力を込めてみたけれど、細身に見えてその実は綺麗にしっかり筋肉をまとっているその胸はびくともしない。それどころか逆にもっと密着するように抱きしめられた。
ドキドキうるさい心臓の音に気付かれるんじゃないかと身体が固くなる。
沈黙が居たたまれなくなりたまらず先に私が声を出した。
「妖一、離して…」
顔をあげると真正面に妖一の顔があった。
彼の真剣な眼差しに心臓が更に音を大きくする。
彼の長く少し節ばった指が私の顎くっと上にあげる。
彼の視線が私の瞳から唇に移り、そしてゆっくりと彼の顔が近づいて……。
ゆっくり唇が離れるのを私はつい、寂しいと思ってしまったが、彼は違ったらしい。
唇が離れると同時に私を解放し、何事もなかったかのように踵を返すとさっさと階下へ降りて行ってしまった。
取り残された私は暫し呆然となった。
立ち尽くす私の耳に母の声が届いた。
「もう帰るの?一人で?まもりは良いの?そう…。
泊まってくれたら良いのに…。そうなの。ええ。本当に気をつけてね」
どうやら帰宅する妖一を母が見送っているらしい。
えっ?
帰るの…?
にわかには信じられず、こっそり二階の廊下の窓から外を覗いた。
妖一はちょうど車に乗り込んだ所の様で、車のドアがバタンと閉じる音が聞こえた。
躊躇うことなくエンジンがかかり車が発進する。
テールランプはあっと言う間に暗闇に紛れて見えなくなった。
私は暫くの間、何も見えない暗闇を眺めた。
続く
どうしましょ…
うちの蛭魔さんの悪い癖が…
放置プレイ★
駄目ですね~・・・。
キスはテレビでちょうど 女性の心に残るキスの仕方ってのを紹介してたので使ってみました★
指で彼女のあごを少し上にくいっとあげて
しばし瞳を見つめ
瞳から唇に視線を移してから顔を近づけ・・・・だそうです。
でも私、こんな事されたら 多分、顎を持ち上げられた段階で大爆笑しちゃってるヨ★
こんなのでウットリできるような乙女じゃないんだよね・・・・。
いかんいかん。
まもりがしっかり乙女になるよう頑張らねば!!

PR