夫婦戦争-Lovers War-7
電話が鳴り響き、妻がいそいそと嬉しそうに受話器を取る
…まさか
「あら、妖一さん。お久しぶり。調子はどう?」
やっぱりか―――――!!!
妻はどこがいいのかわからないあの不良婿のことがお気に入りらしい
いつもまもりとその婿の話題で若い娘のように黄色い声をあげる
いまも喋らなくていい事までベラベラとしゃべっている
なにが「妖一さんも大変ね~。」だ!
うちの愛娘を拐っといて…!!
もっと苦しんでしかるべきだ
「うちの人ったら、まもりが帰って来たとたんにまもりの好きな雁屋に行って限定のシュークリームセット買って来たのよ!
里帰りしたの久しぶりだから喜びのあまり舞い上がっちゃってるみたい。
毎日、仕事帰りには雁屋の旬の商品にチェック入れて、まもりが帰って来たら食べさせようと待ち構えてたらしいの。
馬鹿でしょ?」
誰が馬鹿だ――――!!!
一人娘を可愛がってなにが悪い!?
「ええ、全くね!」
同調するな、不良婿が!!
「そりゃあ『まもりは僕の妻だ!お義父さんはいい加減子離れして下さい!お義父さんの出る幕は無い位、僕はまもりを心から愛しているんだ!ラブラブなんだー!』とかなんとかね。バシッ!っとうちの人に言っちゃってよ。」
…………いや
流石にそれは…
まもりも引くだろう、それ
連れ添って数十年、妻の脳内をはじめて疑った
その年で"いや~ん"はないだろう…
我妻ながら末恐ろしい
あの不良婿が妻のいう台詞を言うところを想像して、改めて気味が悪くなった
「えっ?今から来るの?」
…なにぃ!?
今からうちに来るだとぉ!!
どの面下げてくるつもりだぁぁぁぁ!!
妻の話を聞いていれば同窓会だけが理由じゃないみたいだ
そんなときにうちに来るとは親の顔が見てみたいわぁぁぁ!!
いや、見たことはあるけれど…
事故ってしまえばいいと呪ったのが妻にバレませんように…
我妻の会話に長々と付き合っていた婿に少しだけ同情してしまったのも秘密である
そんなことの数時間後
あの忌々しい金髪婿が我が家に到来した。
吐き気のするほど似合わない爽やかな作り笑顔を張り付けて…
続く
蛭魔さんキターーーーーー!!
・・・・・・・・こう来ましたか。
私は蛭魔登場を風龍凪さんが書いてくれると思ってましたよ★
うわわわわ
どうしましょ?
頑張ります!!

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