日常変化の考察
「蛭魔君!」
いつからだろうなぁ。この姉崎の怒鳴り声が耳に馴染んだのは―――
部の連中も「またか」と、すっかり慣れっこになって気に止める事はない。
いつ頃からか姉崎の蛭魔を叱る声が変わってきた事にも気付いていないようだ。
姉崎がマネージャーになった当初はただただ蛭魔の勝手な振る舞いに姉崎が怒るだけだったのが、部がまとまり、予選を勝ち進むにしたがって徐々にただ蛭魔の勝手を怒るだけでなく、心配から怒ることが増えてきた。
そしてクリスマスボウルに優勝した今は、蛭魔の勝手を怒ることが少なくなった分、世話を焼いて怒ることが増えてきた。
最初は敵対していたのが、仲間として心配するようになり、今では母親が子供の世話をするような感じだ。
セナへの母性がそのまま蛭魔に移行したとでも言おうか…。
いや、それは正確ではないな。
セナに向いていた時にはなかった感情が混じっているのを仕草の端々から感じるから――――…。
「糞オヤジ。なに薄気味悪い顔してこっち見てんだよ」
二人の言い合いを眺める俺に気付いて蛭魔がしかめっ面でこちらをにらみつけてきた。
「いや、泥門の悪魔も存外可愛いところがあるもんだと思ってな」
「あ゛?なに気色悪い事ほざいてんだ?ついに頭がイカれやがったか?」
「喧嘩するほど仲が良いってな」
「はあ?」
「それとも犬も喰わねえか?」
「ふん」
ニヤリと笑ってやると蛭魔は視線をそらした。
満更でもないのはわかっている。
ようするに泥門の悪魔が照れているのだ。
本当にいつからそんな可愛い奴になったんだか。
微笑ましく思いながら冷めたコーヒーをすすった。
終わり
何でもお見通しな武蔵★
いくつもの拍手ありがとうございます!
頑張って更新しようって励みになります!
…って言うか、こんなしがないとこに立ち寄って下さる方がいるとは…
こっそり更新しますので、また思い出したら寄って下さいね
暇人様
コメントありがとうございました!
そうなんですよね!
更新されてるだけで盛り上がれますよね!
更新されてるサイト様を見つけた時の喜び!
分かります~♪
たまーには更新してるはずなので お暇な時はまた覗いてみて下さい

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