posted by 春海 さな
at 00:19:46 │
EDIT
パソコンの調子が悪すぎ~~!!
なんとか入力変換できた!
日本語が打ち込めるようになった!!
準備はずいぶん前にできてたのに 遅れてしまった!
まもりさん お誕生日おめでとー!!
とりあえず久々の更新v
こんな辺境の地に来る方はいるのか!?
良いの自己満足でもv
ちょっと ここんとこ蛭姉不足で・・・
サスサクでつい補完しちゃってますヨ★
結局 私は 素直じゃなくて何か背負ってる男が好きなのねv

PR
「乾杯」
軽く当てたグラスが涼しい音を立てた。
まもりと同じ年だと言うワインは大豊作の年だったそうで、ふくよかで深くどっしりとした味わいが味覚のみならず嗅覚も刺激し、彩り鮮やかな前菜から始まったディナーもどれもこれも素晴らしく、一口食べるごとに幸せを感じた。
さすがミシュランで何年にも渡って最高評価を受賞しているだけはある。
バンドの生演奏を聞きながらの優雅なディナーも残す所、まもりがなによりも楽しみにしていたデザートのみとなった。
おまちかねのデザートは食べるのをしばしためらうほど芸術的で、意を決してスプーンを入れた後は手を止める間もおしいほどの美味しさがあり、まもりは蛭魔の分までペロリと平らげてしまった。
ついつい食べ過ぎてしまったまもりはフレッシュなオレンジジュースをちびちび飲みながら少々後悔していた。
しかし後悔先に立たず。
豊潤な香りのコーヒーを優雅飲んでいる蛭魔から送られるあきれ果てた視線に返す言葉は何もなかった。
「美味し過ぎて食べ過ぎちゃった」
照れ隠しで笑えば、ふんと鼻を鳴らして蛭魔が笑った。
「てめえの食い意地張ってんのはいつもの事だろ。高校ん時から進歩のねえ」
「う、うるさいなぁ。すぐに高校の時のこと引き合いに出して、あれから何年立ってるのよ。妖一こそしつこくて進歩がないんじゃない?」
「真面目な風紀委員がつまみ食いなんてインパクトが強烈だったモノデ」
「うるさいです。高1の15歳で出会って、あれから10年だもんね。正確には初めて会ったのは入試の時だけど。…時の過ぎるのって本当にあっと言う間よね」
「あぁ」
「あれから10年かぁ…色々あったよね。ホント激動の10年って感じで、楽しいこと辛いこと色々あったけど、悪いことは一つもなかったなァ」
「てめえはジョブズか」
「ふふふ、好きなの、あのラブレター。妖一もくれる?」
「ラブレターは散々もらってんだろ」
「妖一からは無いです」
「いまわの際に考慮してやる」
「いまわの際なんて縁起でもないから却下。結婚10周年記念の時なんてどう?」
「強要するもんじゃねえだろ」
「それはそうだけど、まだ7年あるから考えておいてね」
優しく微笑むまもりの笑顔は何年立っても蛭魔にはまぶしく感じる。
「どうすっかな」
「何が?」
「ガキだガキ」
「ガキ?セナがどうかしたの?」
「…てめえはまだ糞チビから子離れできてねーのか」
「そんな事ありません!だって蛭魔君がガキって言うから。蛭魔君がガキって言ったら大抵デビルバットのみんなじゃない?ふふ、ひとつしか違わないのに、みんなの事『糞ガキ』って…お父さんみたいよね。」
「…相変わらずの天然か…。じゃあ、てめえはオカンか?」
「オカンって…なんでいきなり関西なのよ。じゃあ妖一はオトンね。オトンとオカン。ふふふ、子供もいないのにおかしー………あ、…ねぇ、もしかして…ガキって私たちの子供って事?」
「それしかねえだろ」
「いや、だって、今までそんな話ししたことなかったから…」
「だから今、話してんだろ」
「うん」
「いるかイラネーか」
「欲しい!」
まもりは即答で答えた。
前のめりなまもりの勢いに蛭魔もほんの一瞬気圧されたが、すぐにニヤリと笑いいつもの顔に戻った。
「では、奥様が太らないように食後の運動に付き合いマショウカネ」
「えっ」
「楽しみデスネ」
口調はいつもの人をおちょくるモノだったが、その瞳は存外優しくて、自分との子供を彼も望んでくれているんだと強く感じた。
「本当、楽しみ」
幸せに満たされたまもりはとびきりの笑顔を返した。
終わり
幸せ幸せ
posted by 春海 さな
at 22:29:26 │
EDIT
今日から3月ですね♪
今年になって早3ヶ月・・・
早すぎる~~~!!
新学期はどうなるんだろう・・・・。
運動基本まったくやらない私が最近、友人に誘われて登山というほどじゃないな・・・
山歩きたまにしてます。
散策コースのようなルートをひたすらおしゃべりしながら歩くのは結構楽しいです♪
だいえっとになるかと思ったけど本格的な登山してる人に
「登山はダイエットにはらならいよ。お腹がすいてたべるから!」と言われちゃった★
・・・・でも、たまにだし、楽しいから頑張るさ!
もうすぐひな祭り。
・・・・って事に はたと気づきました★
もっと可愛らしいお話を考えるんだった・・・・。
とりあえず、書けたのでUP!

未来予想
「あれ?まも、何でお弁当2つも持ってるの?」
まもりが鞄から弁当箱を2つ出した事に気付いた咲蘭が何気なく尋ねた。
「えっ!まも、お弁当作ってあげるような男子ができたの!?誰だれ!?」
目を輝かせて寄って来たアコにまもりは慌ててわけを話した。
「ちがうって。これはセナのお弁当なの」
「セナ?あぁ、新入生の子ね」
「あぁ、あのちっこい頼りなさそうな子。えー、まもってあー言うのが好みだったの!?」
「そう言うんじゃないの。あの子まだ学食とか慣れてないだろうし、ついでだから」
「あの子ねぇ…」
「過保護じゃない?」
「学校に慣れてお友達ができるまでよ」
いそいそと用意するまもりの姿に咲蘭は呆れたようにため息をつく。
「まもってさぁ、どんな良い男も選り取りみどりなのに、何でよりによってそいつ!?ってな男と結婚しそうだよね」
「あーわかる。物好きにとことん手がかかる男を選びそうだよね」
「うんうん。もったいないよね…」
「何それ」
咲蘭の言葉にアコ達が賛同の声をあげたのを聞いてまもりは眉をしかめた。
「しっかり自分を持てってこと!」
「そうそう。人の世話やくのもほどほどにってことだよ。じゃないと本当に苦労するよ?」
「自分から進んでどつぼにハマって不幸一直線だよ!」
「もう!そんなわけないでしょ」
まもりは苦笑いを浮かべると友人達の言葉を一蹴してセナの元へと向かった――――。
「……友達って私のこと良くわかってたのね…」
「あん?」
「まさか本当になるなんてね」
「何が?」
「でも、全部が当たったわけじゃないから大丈夫よ?」
「だから何が」
「私はとっても幸せって話し」
「ケッ」
「これからもっともっと幸せになるしね」
「ま、せいぜい頑張れよ」
「妖一もね」
「へーへー。おら、時間だ。行くぞ糞花嫁」
差し出された手にそっと手を乗せ、とびきりの笑顔でまもりは答えた。
END
デビルこバットの予想も的中だよねv
ほんとうにほんとうに この二人には未来ではぜひ結婚して頂きたいっ!!
posted by 春海 さな
at 00:33:19 │
EDIT
あけてしまっておめでとうございます!
・・・・もうすぐ3がつですね。
パソコンの調子がパソコンの調子が悪いこともあり、忙しさにかまけてしばらくパソコンを立ち上げなかったらログインできなくなってた★
パスワード忘れちゃってなかなかログインできなくて参りました★
どうにかこうにかパスワード思いだしてようやくログインできて良かった~~!!
新年になってもクリスマスのテンプレートのままだったのは年末にクリスマスなお話を書いてたのに書きあげれなかったから、このお話をUPするまでは変えない!って思っていたからなのでした。
・・・・・そこまでするほどの話しか?と言われればそうたいしたものではないんだけど・・・
とりあえず久しぶりに書きあげたのでUPします!
少しでも楽しんでいただければ・・・・・・。
UP編集してるうちにまたパソコンノ調子が悪くなって編集できなくなっちゃった・・・・。
またパソコンの調子が戻ったら編集します~~~。

「先生~裕太君がサンタクロースは居ないって言うの。サンタクロースはいるよね?だってクリスマスプレゼントくれるもん!」
菜々美が今にも泣きそうな顔で訴えてきた。
一方、裕太は菜々美をさも馬鹿にしたようにふんぞり返って追い打ちをかけてきた。
「ダッセー!サンタクロースなんかいねーよ!」
「いるもん!ねぇ?先生!」
「そうねぇ。いてくれないと先生は困るな」
思いもよらない先生の言葉に二人の言い合いは中断した。
「どうして?」
「だって先生、サンタクロースさんにお手紙送ったから」
「お手紙送ったの?」
驚きで菜々美と裕太の目がまん丸になった。
「うん。欲しいモノがあるから」
「先生、クリスマスプレゼントもらえるのは子供だけだぜ?先生は大人じゃん。もらえねんじゃね?」
サンタクロースなんかいないと言う裕太の顔が少々困ったものになったのを見てなんだか微笑ましくなる。
「うん。だから下さいってお願いのお手紙書いたんだけど…やっぱり無理かな?」
「うーん、どうだろ?」
「良い子にしてたらもらえるんじゃない?」
喧嘩のことなど忘れて二の先生はサンタクロースからプレゼントを貰えるかどうかを真剣に考えてくれている様子に自然と笑みが浮かぶ。
「もらえると良いんだけどね…」
こっそり呟いた時、授業開始をしらせるチャイムが鳴った。
「あ、チャイムが鳴ったよ。はーい、席について!授業を始めます!」
二人に席にすわるように促すと、まもりは教壇へと向かった____。
教員免許をとったまもりは大学卒業後、地元に戻って就職した。
今は小学校で二年生のクラスを受けもっている。
子供は可愛いし、他の先生方も優しく、保護者の方達とも良い関係を築けている。
何の不満も悩みもない恵まれた職場だと思う。
だけど最近、このままで良いのかと言う虚しさと言うか、焦りと言うか、なんとも言えない感情にさいなまれることがある。
そんな時、決まって思い出すのは高校時代。
もう何年も前なのに今でも鮮明に思い出せる。
眩しいほど輝いている思い出の中で一際光りを放つのはあの悪魔。
悪魔は大学卒業と同時に日本から姿を消した。
しばらく消息不明が続いたが、何処からかマイナーリーグで活躍しているらしいと言う噂が聞こえて来た。
まもりは毎月、アメフト雑誌を買い漁って蛭魔の記事をさがしたが、蛭魔の記事が雑誌に載ることはなかった。
そんな日々が一年ほど続いたある日、いつものように蛭魔の記事を探して雑誌をめくっている時に突然虚しさに襲われた。
自分と蛭魔の道はすっかり離れてしまい、もう交わることはないのだと唐突に自覚したからだ。
涙も出ないほど衝撃的な現実だったが、まもりは不思議とすんなり受け入れることができた。
それ以来、アメフト雑誌を買うのをキッパリやめた。
同時に自分を変えようと、伸ばしていた髪もばっさり切った。
しかし髪を切ったのは失敗だった。
鏡を見るたびに髪型のせいで高校時代のことを思い出してしまうからだ。
そんな自分が嫌で、変えたくて、まもりは今まで敬遠していた友人達から合コンのお誘いに参加するようになった。
終わった恋を忘れるのは新しい恋が1番と言う訳ではないが、誰かと出会いたいと言う気持ちを少し持っていた。
参加してみると合コンは思っていたほど悪いものではなかったし、何人か良い人もいた。
しかし結局、どの人も良い人のままで終わってしまっているのが現状だ。
みんな人も良い人だと思う。
思いはするのだが…どうしてもどこか物足りなさを感じてしまい後一歩がふみだせないでいるのだ。
わかっている。
あの悪魔ほど破天荒な人は居ない。
一般の人にあんな強烈な輝きを求める方が間違っている。
わかっている。
よくわかってはいる。
わかっているのにそこから動けない自分が嫌でどうにかしたくてたまらない。
本当にこのままじゃいけない。
変わらなきゃ!
過去と決別し、未来に進むにはどうしたら良いか?
あれこれ考えたまもりが思いついた答えはサンタに手紙を書くと言うものだった――――。
「姉崎先生!」
明日の授業の準備を終え、帰りの支度を始めたまもりに同僚の藤元が声をかけて来た。
「あ、あの、クリスマスの予定は決まってますか?もし空いてるようでしたら飯でも一緒に食べに行きませんか?美味しいイタリアンの店があるんですよ。知り合いの店なんですけどね、いつでも特等席を用意してやるって言われてましてね…」
「ゴメンなさい。クリスマスはもう予定が入ってるんです」
「あ、あ~…そうなんだ。いやぁ残念だなァ…。じゃあ、またの機会に…」
しょんぼりと去って行く藤元の背中に微かに申し訳なさを感じる。
体育が専門の藤元はいかにもスポーツマンと言う男で、良くも悪くもまっすぐだ。
学生時代、サッカーをしていたと言う藤元に誘われて一度だけサッカー観戦に行った。
競技は違えども、選手達のひたむきさ、会場の熱気、それら全てがまもりにあの頃を思い出させた。
試合は素晴らしいものだったし、藤元と一生懸命応援もした、が、試合後に残ったのはどうにもならないくすぶった思いだった。
クリスマスに全てかたをつける。
現状を打破するためにまもりはひとつの結論に達し、計画を立てた。
計画を実行すべく微かな期待と押し潰されそうな不安を抱えてまもりはクリスマスまでの期間を慌ただしく過ごした――――。
クリスマスにまもりがやって来たのは東京ドーム。
今日は東京ドームでクリスマスボウルが開催されるのだ。
会場はあの頃と変わらない熱気に包まれていてまもりの足は自然と浮き足だつ。
何人か見覚えのある顔とすれ違ったがシーズン中の為、まだアメフトを続けている親しい者達と会う事は当然なかった。
慎重にチケットに書かれたシート番号を探して座ると静かに試合が始まるのを待った。
試合は帝国VS神龍寺と言う恒例のカード。
今年も帝国は盤石との前評判だが、選手達におごりは見られない。
かたや神龍寺は昨年、監督が代わり、長年続いた神の時代に終止符が打たれるかと危ぶまれてはいたが、それは見事に杞憂で終わった。
まだ暫くはこのカードが定番なことにかわりはなさそうだ。
「すみません。ここの席あいてますか?」
まもりの隣の席を指差して男性が声をかけて来た。
「ごめんなさい。連れの席なので…」
まもりが断ると男性は残念そうな顔をして去って行った。
まもりの席は試合を観るのにベストな場所だ。
その席があいていて、しかもその隣に座っているのは可憐な美女ときたら例え予約席だとわかっていても微かな期待をこめて声をかけるのが男だ。
去って行く男の後ろ姿を見送りながらまもりは申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
いっそ席を譲って帰ろうかとも思うがもしかしたら…と言う淡い思いがその場にまもりを引き留めた。
泥門がクリスマスボウルに出れたのは後にも先にも全国優勝したあの時の一度きりだった。
あの頃は絶対にクリスマスボウルに出場すると思っていた。
だからクリスマスボウル出場したこともも優勝したこともどこかで当然と言う気持ちがあったように思う。
だけど、今、改めて振り返るとなんて奇跡的な日々だったんだろうと感慨深い。
本当に奇跡的な日々。
奇跡はそうそう起こらないから奇跡なのだし、あの頃から多くの時間が流れた。
時の流れは残酷で、一つ残らず同じものを残さない。
私が色々な事をを経験して少しずつ変わったようにきっと蛭魔君も変わっている。
そんな彼と会ってどうなるのか?
今さらじゃないか?
もう自分の存在なんて忘却の彼方かもしれない。
絶対変わっていないと断言できるのは彼のアメフトに対する真摯なまでの情熱くらいだ。
その情熱が昔のままであればあるほどここには来ない。
私と彼の道は決して交わらない。
わかっててこの日を選んだのは自分のズルさから。
この日なら彼が現れなくても自分はアメフトに負けたんだっと思える。
他の誰かに負けたと思わなくて済む。
「私って本当に勝手・・・]終盤に入り熱気が最高潮に達している中、まもりはうつむき涙をこらえた。
すると隣の席に座ろうとする人影が見えたのでまもりは慌てて断りを入れた。
「すみません。ここは連れの席なので…」
「チケットなら有りマスが?」
「!?」
「相変わらず勝手な女だな。呼びつけておいて座るなってか?」
「な、何でいるの!?」
「ハァ?てめえ、自分で呼びつけておきながらなんだその言いぐさは?こんな手紙よこすなんざかなり頭がイカれてるとは思ったが、やっぱりイカれてやがったか」
「だ、だって…」
「だってじゃねえよ。てめえいくつだ?その歳でサンタさんにお手紙書くなんざイカれた野郎意外の何者でもねえよ。しかも内容が更にイカれてヤガル。『幸せにして下さい』どこの幼稚園児だ?」
「うっ…」
「しかもサンタへの手紙の送り先は俺の球団事務所。サタンへサンタへの手紙が届いたと大ウケされたぞ」
「ごめんなさい…」
まもりは小さくなってうつむいた。
すると隣から手が伸びてきてまもりの髪の毛をひとふさすくいあげた。
「切ったんだな。もったいねーの」
「えっ?髪切ったのわかるの!?」
「ったりめーだ。毎月飽きもせず糞チアからてめえの写真が大量に入ったエアメールが俺のマンションに届くからな」
「えぇ?!」
「知らなかったのか?」
「うん。会う度に良く写真撮るなァとは思ってたけど、まさか蛭魔君に送ってたなんて…」
「ンッなだから事務所に手紙送りつけんだなてめえは」
「うっ…」
言葉につまるまもりなどお構い無しで蛭魔が立ち上がった。「おら、行くゾ」
「何処へ?」
「実は俺は今、シーズン中で人の試合をのんびり観戦してるような時間は無いんですヨ」
さっさと歩き始めた蛭魔をまもりは慌てて追いかけた。
昔はよくこんな事あったな…。
感慨深く蛭魔の背中を追いかける。
目の前を行く蛭魔の背中は高校時代より精悍になっており、まもりは月日が過ぎたのを強く感じた。
「蛭魔君、これから何処へ行くの?」
「回収もしくは略奪」
「はぁ?何それ」
「サンタはサンタでもサタンなサンタなもんでな。良い子にプレゼントをくばるんじゃなく、悪い子からプレゼントを頂くんデスヨ」
「えぇ?!一体何する気なの?!セナとかイジメないでよ?!」
「…相変わらずわかってねえ奴だな」
「何がよ」
「奴らは教えられた通り馬鹿のひとつ覚えみてえに今でもアメフトやってんだろうが」
「馬鹿じゃありません!馬鹿のひとつ覚えって言うなら一番馬鹿のひとつ覚えなのは蛭魔君でしょう」
「だからアメフトやってる奴は良い子に分類されんだよ」
「へ?」
「人の予定も考えずに勝手な事ぬかすような奴を懲らしめる為に来たんだよ」
「えっ…私?」
「他に誰がいる?」「えー…って!一体何する気?!回収もしくは略奪って」
「誘拐」
「…はぁ?」
「アメリカにさらう」
「…!?」
「おら、行くゾ」
「で、でも私、アメリカへは…」
「今すぐじゃねえよ。猶予期間は来年の4月まで。今日は予告状を出すだけだ」「予告状?」
「もしくは宣戦布告。てめえの親にな」「!!」
「アメフトよりてめえを優先するのは今回が最初で最後だ。もう二度と無い。
それでも幸せになれると思うなら着いて来やがれ」
「喜んで良いのか悪いのかわからないプロポーズね。だけど確信はあるから…着いて行く!」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべた蛭魔にまもりは胸が締め付けられる。
本当に目の前に蛭魔が居ることを実感できたから――。
「良い返事だ。そんなてめえに大サービスだ。一生に一度しか言わねえ、よく聞けよ!俺はお前の事が―――」
その瞬間、試合終了のホイッスルが鳴り響きスタジアムは割れんばかりの歓声に包まれた。
蛭魔の声は歓声にかき消されまもりの耳には届かない。
「――わかったか?」
ニヤニヤと憎らしい笑みを浮かべる蛭魔にまもりはわざとだと確信する。
「私もよ!」
でも蛭魔との付き合いは伊達じゃない。
耳では聞こえなくても心でわかる。
「さあ!行きましょう!」
飛びきりの笑顔で蛭魔の腕をとると早くと急かした。
posted by 春海 さな
at 21:56:40 │
EDIT
なんとか ハロウィンに間に合わせたお話を書きました!
今朝、何かかかねば~~~・・・とテキトーに打ってたらこんな話になっちゃいました★
情報は正確ではないかもしれないのでマジにとらないでくださいね?
いつも通りな展開のお話ですが、おひまでしたら読んでみてくださいねv

HappyHalloween
「もう予定日、5日も過ぎちゃったのにな…」
カレンダーの花丸を見ながらまもりは小さくため息をついた。
「しょうがねえだろ」
新聞に目を通しながらまもりのいれたコーヒーを飲む蛭魔が興味無さげな相づちを入れる。
「それはそうなんだけど…」
「そん時になったら嫌でも出てくんだろ」
「この間の健診で3900か、下手したら4000有るかもって言われたのよ?臨月って加速度的に大きくなるのよ?
このままのんびり居座られたら…産む時、一体何千グラムになっちゃうか不安じゃない」
「こないだのNSTで『この子はまだ全く産まれる気が無いですね』って言われたんだろ?」
「そうなのよ!起こされてもすぐにグーグー寝ちゃうから三回もやり直ししたのよ!一体、誰に似たんだか…」
「てめえだろ?甘いもん貪り食った後のてめえにそっくりだ」
「一度寝ると決めたらテコでも起きない貴方に似たんじゃない?じらせて人を困らせる所なんてそっくり」
「俺はそんなに寝汚くねえ」
「はいはい。明日から11月かぁ…。10月産まれだと思ってたけど11月産まれになりそうね」
「どっちでも構わねえだろ」
「そうなのよね。どっちにしても蠍座なのよね。あ、でも、11月で良かったかもね?」
「何が?」
「だって、明日産まれたら11月1日産まれよ?ゾロ目だし、妖一の背番号で素敵じゃない?」
「それだったら11月11日目指したらどうだ?ポッキーの日なんててめえにピッタリで笑えんぞ?」
「笑いなんていりません!それに11日まで持たせるなんて無理です!」
「気合いだ気合い」
「予定日過ぎたら胎盤の機能が落ちてくるのよ?だから予定日大幅オーバーは赤ちゃんにとって危険なのよ。赤ちゃんが大きくなるから母体も大変になるし」
「じゃあ、もう今日産め。試合休みで都合が良い」
「弱い痛みはあるけど、陣痛って感じじゃないのよね。今日は無理かも」
「菓子を強奪し放題な日だぞって言やあ出て来んじゃねえか?てめえの子だけに」
「そうね。大手をふってイタズラ出来る日よって言えば飛びだして来るかもね?貴方の子だけに」
「全く、いつの間にこんなに減らず口が叩けるようになったんだか」
「高校の時からずっと隣に強烈なお手本がいましたからね」
「産まれそうにねえのか?」
「うーん。さっきより痛みが強くなった気がするけど…我慢できないって程の痛みじゃないから、まだみたい」
「んじゃ、ジム行って来る。何かあったら電話しろよ」
「うん。行ってらっしゃい」
玄関で蛭魔を見送ったまもりは、朝食の後片付けをする為にダイニングキッチンへと廊下を歩いて戻る。
臨月のお腹はぽっこり膨れているが、妊婦特有のペンギンのような歩き方をする事はなく、後ろ姿だけ見たら妊婦とはわからないくらいだ。
ダイニングキッチンへ向かう途中、バスルームの前でふと、洗濯物を干さなきゃねぇと思った瞬間、はたと思い出した。
そう言えば、昨日、蛭魔のバックから洗い物を出す時に、ジムの会員証を出した事を!
後で戻そうと思っていたのだが、そのまますっかり忘れてしまっていた。
バスルームの棚に置きっぱなしになっていたジムの会員証を掴むと慌てまもりは玄関を飛びだした。
そこにはまさにジムに向かう為に車を発信させようとしてる蛭魔の姿が!
会員証を掲げて思い切り大きな声でまもりは叫んだ。
「妖一!!…あ?…あァ?!」
パシャン
「どうした!?」
「………叫んだら破水しちゃった……」
「はぁ!?」
「びょ…病院行かなきゃ…」
「てめえはそこで待ってろ!」
そう言うや、蛭魔は病院に連絡し、まもりが前もってまとめていた入院の荷物と大量のバスタオルを持って帰って来た。
「車に乗れ!」
手早く後部座席にバスタオルを引きまもりを押し込んだ。
「洗濯物と洗い物が…」
「んっなもんやってる時じねえだろ!」
やって来た陣痛に苦しみながらもまもりは洗濯物と朝食の洗い物を気にしている。
まったくもってまもりらしい。
しかし、破水した場合、胎児が感染症にかかる場合があるので早く処置しなければならない上に急速にお産が進むので最悪、車内で出産なんて事になりかねない。
そうはわかっているが、気になるものは気になる。
本人も気付いていなかったが、実はまもりはまもりなりに突然やって来た破水と陣痛に軽くパニックになっていたのだ。
幸い、道も混んでおらず車はスムーズに病院へと到着することができた。
連絡していたおかげでまもりは即行で分娩室へと通される。
助産婦たちがあわただしく行きかう中、処置と出産準備の間、蛭魔は廊下へと出さされた。
助産婦達も全員、分娩室へと入り、蛭魔一人となった廊下は静まりかえっている。
分娩室のドアの横のソファーにどかりと腰をおろし、蛭魔は天井を見上げて大きなため息をついた。
なんだか一試合終えた気分だが、実際の闘いはここからだ。
とりあえず、廊下の隅の自販機でコーヒーでも買うかと立ち上がった時、自分の足元に気付いた。
ジムに行く為に着たスポーツウェアに革靴。
あまりにも間抜けだ。
落ち着いていたつもりだったが、どうやら自分も軽くパニくっていたらしい。
俺をパニくらせるとは、やってくれる。
間違いなく俺とアイツのガキだな。
蛭魔はふっと笑みを浮かべると、コーヒーを買う為に自販機へと向かった。
HappyEnd
結婚した後、まもりが蛭魔の事をどう呼ぶのかイマイチ考えが定まりません。
妖ちゃんとか?
うう~ん 思い描けない★
パパと呼ばせるのか?
お父さん?
父ちゃん?
お父様?
ダディ?
ダッド?
父上・・・・・
どう呼ばせると思います?
ハロウィンネタを考えた時、今回は何故か未来の結婚後のお話になりました★
そう言えば、去年は まもりさんが蛭魔さんと結婚する話だったからちょうど良かったかも?
楽しいハロウィンを!
posted by 春海 さな
at 02:43:44 │
EDIT
後編UPです。
ようやく終わりです。
終わりなのです!
「魔女の宅急便」を観てこんな話が浮かんだ私って・・・・どうよ?
もう少しリリカルな話を考えろよ!ですよね★
気がつけば明日はバレンタインデーですね!
チョコの準備はお済ですか?
私は買い忘れがない限り今年はバッチリですv
そして、なんと、のんびりダラダラな私にしては珍しく バレンタイン小説もすでにできているのです!!
バレンタイン当日UPの予定です♪
宿題にしてもなんにしても 準備ができてるってのは良いですね!
次回もこの気持ちを忘れずに頑張ろー!

SUITE 後編
「あら?何処に行ってるの?家と方向が違うけど?」
「あん?家だ。こっちで良いんだよ。」
しばらく車で走り到着したのは閑静な住宅街だった。
その中の一軒の駐車場に車を停めると蛭魔はさっさと家の方へ歩いて行く。
ガーデニングが素敵な広い庭の有る家だ。
まもりはキョロキョロしながら蛭魔を追った。
「おい、こっちだ!」
蛭魔が呼ぶ方へ向かうと蛭魔の横に背の高い女性が立っていた。
茶髪をベリーショートにした髪型は蛭魔とたいして背のかわらないスレンダーな女性によく似合っている。
「初めまして。ブレンダです。」
ニコリと笑う笑顔は知性を感じさせた。
「じゃあ、簡単に部屋の説明をさせて貰うわね。」
そう言うやいなやブレンダはモデルのようなウォーキングで部屋の説明をして回った。
「ねぇ、妖一、どう言う事?」
「今日から住むって話しだ」
「はぁ?!」
「ジェフが言わなかったか?部屋引き払うって?」
「言ったけどあれは別居とか離婚の話しじゃなかった?!」
「ま、住むか住まねぇかはてめえ次第だ」
「…。」
それだけ言うと蛭魔はブレンダと細かい打ち合わせを始めたのでまもりは窓から庭をぼんやりと眺めた。
窓が大きく明るく開放的な室内に手入れの行き届いた綺麗で広い庭。
芝生の上に寝転んでティータイムなんてやってみたいと憧れていた生活そのものでちょっとときめいてしまう。
ブレンダさんは不動産屋の人だったのね・・・。
ブレンダから鍵を受け取る蛭魔を眺めていると、あんなに激昂して疑っていた自分が恥ずかしくなってきた。
その時、玄関のチャイムが鳴った。
まだ住んでもいない家に誰が?と疑問に思っていると、応対にでた蛭魔が女性を連れて戻って来た。
「初めまして奥様。ロザンナです。よろしくお願いします。料理でも掃除でも何でもお任せ下さいまし!」
屈託の無い笑顔でロザンナは丸太のような腕を出し握手を求めた。
「まもりです。よろしくお願いします。」
訳がわからないまままもりは握手をかわした。
「ロザンナは家政婦だ。家の事はロザンナに任せててめえはとりあえず安静にしときやがれ!」
「…はい。」
まもりは素直に頷くしかなかった。
「さすがだね!妖一兄!」
興奮気味に弾む声は電話の向こうで目をキラキラさせながら飛び跳ねる鈴音の姿を容易く想像させた。
「そう言う事だったの。私の勘違いで迷惑かけちゃってごめんなさいね」
「ううん!久しぶりにまも姐に会えて嬉しかったよ!またいつでも来てね!私も新居絶対遊びに行くから!」
「うん。ぜひ来てね。それじゃあ、またね。お休みなさい。」
静かに受話器を置くと小さなため息をついた。
部屋の中を見回す。
つい先日まで暮らしていた部屋とは全く違うが、ずっと暮らしていたようにしっくり来る。
蛭魔が自分の事を考えて用意してくれたんだと肌で感じる。
部屋と同様、自分も先日までとは違う。
でも、自然なことと感じれる。
「電話終わったのか?」
「うん。」
「ったく。だったら早く寝やがれ」
「うふふ」
「気が触れたか?気持ち悪い笑いしやがって」
「ん?いや、愛されてるなぁって思って」
「今頃気付きやがったか糞嫁」
蛭魔がニヤリと笑う。
「はい、気付きました。」
まもりはニコリと笑い返す。
「これからもよろしくね!」
「おう、せいぜい従順に働きやがれ」
「うん。」
「おら、寝るぞ」
「うん。…ねぇ、もしかして赤ちゃん、男の子か女の子かわかってる?」
「あん?んっなもんわかるか」
「楽しみだね」
「おう」
目まぐるしい1日が静かに幕を降ろす。
もう大丈夫。
不安な日は終わりを告げた。
新しい明日はすぐそこまで来ている。
まもりは幸せを噛みしめて蛭魔の隣で眠りについた。
END
ようやくENDマークつけれました!
眠いので寝ます!
私もゆっくり眠りにつきます。
隣に蛭魔はいませんが★←いたら怖いです。
もう少し内容のあるお話が書けたらな~・・・。
次回こそ!!
おやすみなさい~~~。
posted by 春海 さな
at 21:34:24 │
EDIT
・・・・中編です。
予定外の変な方向に話が進んじゃってどうしましょう??
収集がつかず中編となってしまいました★
申し訳ない。
申し訳ないついでに 話自体も はあ~?です。
わかってるなら直せ!なんですが・・・・そのまま突き進んじゃった★
あんまりマジにはとらないで下さいね?ね?
こんなしがない小説をマジに取る人はいないとは思いますけど・・・・一応。
これ以上の言い訳は後ほど・・・・。
後編は明日UPの予定です。
『はじめまして!』に拍手して下さった方。
初めまして!!
・・・なのですかね?
そんな昔の記事から読んでいただきありがとうございます。
少しでも気にいって頂ける作品があれば良いのですが・・・・。
こんなしがないサイトですが、よろしければまたお越しくださいねv

SUITE 中編
「妖一!!」
憤怒の形相でまもりは自宅マンションのリビングに飛び込んだ。
セナの家から自宅まで、小型機でのフライトと言う結構な時間があったのだが、まもりの勢いはセナの家を飛び出したままを保っていた。
「うるせーぞ!んっな糞でけぇ声出さなくても聞こえてマスヨ」
蛭魔はリビングのソファーに寝転がり巨大スクリーンで録画しておいた昨日の試合を観ている所だった。
蛭魔の目は画面を見つめたまま、チラリともまもりには向けられない。
その事に微かな痛みを覚え、蛭魔の視線に入るべく、まもりはスクリーンの前に立ち塞がった。
「コレは何!?」
「外国暮らしで漢字が読めなくナリマシタカ?」
顔面につき出された紙切れを蛭魔は興味の全くない顔で眺める。
「そう言う意味で聞いてません!私と別れても構わないの?!」
「てめえがそれを望むなら構わねぇ」
蛭魔は起き上がりリモコンを持つと画面を消した。
「…どうでも良いってこと…?」
微かに言葉が震える。
「違うだろ?てめえが離婚してぇならしても構わねぇっつってんだ」
「何が違うって言うの」
「気持ちの有り様が違う。てめえがどんなに地の果てまで逃げようと俺はすぐに追い詰めれる。やろうと思えばてめえの意思なんざ無視してどうとでもできる。でも、やらねぇ。どうしてかわかるか?」
「…どうして?」
「それがてめえが知りたがってる答えだ」
「…?!」
「俺は白か黒か、敵か味方か、必要か不要か、0か100かだ。中途半端なものは要らねぇ。んっなもん俺には無い」
「私を…きっぱり切り捨てるってこと…?」
喉がカラカラに渇きうまく発音出来ない。
「言ってるだろ?捨てるんじゃねぇ。解放すんだよ」
「解放…」
「てめえの意思を尊重してやる。その紙切れにサインした時、てめえは白でも黒でもねぇ、特別な存在になんだ
よ」
「それって…」
「てめえも日本人の端くれなら悟りやがれ。言葉なんざどうとでも操れる陳腐なもんだ。てめえは俺の本気が知りたかったんだろ?」
「!!」
「いつでもてめえが望めば解放する。自由にする。それが俺の本気であり誠意だ。さあ、てめえは何を望む?」
「…ジェニファーって誰?」
「あん?」
「ブレンダって誰?」
「…。」
「ロザンナって誰?」
「…てめえ…何を知ってる?」
「…ごめんなさい。悪いと思いながら携帯盗み見したの…」
「誰に何か言われたか?」
蛭魔はため息をついて天井を仰いだ。
「ケリーとステファニーに浮気しない男なんてこの世に居ないって言われてつい…」
「『Sex and the city』やら『DesperateHousewives』を地で行くような糞奥様共の戯れ言を信じたってワケだ?」
「だって…その、ちょっと思い当たることあったし…」
「あん?」
「実際、携帯には知らない女の人の名前がいくつも有るし…」
「てめえは俺の用心深さ知ってるだろうが?」
「ええ…」
「バレたくねぇようなネタが有る携帯を見られるようなヘマを俺がすると思うか?」
「…思わない。…!! 最近、ツイッターやブックフェイスの書き込みが原因での離婚が増えてるって聞いたけど、もしかして…私にわざと携帯を覗き見させて離婚に仕向けようとしたの!?」
「糞!俺がんっな回りくどいことするか!離婚する時は息の根止めてきっぱり切り捨ててやる!」
「酷い…」
「おら、見てみろ」
そう言うと蛭魔はまもりに自分の携帯を投げてよこした。
「何でも良いから操作してみろよ」
ニヤリと笑っている顔から何か企んでいるのが分かる。
「…爆発とかしない?」
「アホか。するワケねぇだろう」
まもりは渡された蛭魔の携帯を見る。
別段変わった所は無い。
最新のスマートフォンのタッチパネルに触れてみた…が、画面は変わらなかった。
「えっ?」
色々触ってみるが、どんな作業も行えない。
「これって操作できないようにガードかかってるの?」
「近いが違う。このタッチパネルの画面自体がフェイクだ。解除しない限り操作は出来ねぇ。その上、このフェイク画面の面白い所は自分以外の誰かが何を調べようと何処を操作しようとしたか全部、順番に教えてくれる機能のオマケつきって所だ。外では携帯から離れる時はこの機能にしてる。誰がどんな情報盗もうとしてるかわからねぇからな」
「私が触った時は普通に操作できたけど…」
「だから、外ではっつってんだろうが。てめえに見られてヤバいもんなんざねぇから家じゃほったらかしてんだろが」
「それって…浮気はしてないって事?」
「てめえは浮気される程度の女か?」
「…そうは思いたくないけど…」
「だいたい俺が浮気してると思い当たることってなんだ?履歴だけじゃねんだろ?」
「…それは、その…ほら、あの…」
「うぜぇ!さっさと言いやがれ!」
「だって、妖一が知らない女の人と連絡とるようになってからこっちふっ、ふう、その…夫婦の営みって無いじゃない?!」
真っ赤な顔をして言葉を振り絞ったまもりに、蛭魔は一瞬あっけにとられた後、大爆笑した。
「何よ!何でそんな笑うのよ!?笑う事!?」
まもりは真っ赤な顔のまま怒りだしてしまった。
「あ~まぁな、アメリカに来て3年、てめえと結婚して3年。チームもようやく上昇気流に乗れたし、俺自身どうにかこうにかレギュラーの座を射止めた。まだまだ余裕綽々とは行かねぇが少しはゆとりが出来たから…」
「ゆとりが出来たからつい三年目の浮気!?」
「…てめえ、本当はいくつだ?!浮気なんざしてねぇ!そうじゃねぇ、あ~、ガキだ!」
「ガキ?」
「そろそろガキこさえても良いかと思ったんだよ!」
「!!」
真っ赤な顔のまままもりは口をパクパクと動かすが声が出ない。
「妊娠初期は安静にしとくに限るだろうが」
「妊娠?…あ、だから慰謝料に養育費が入ってたの?…あの…私、別に妊娠してないけど?」
「あん?」
「先日、予定通り来たもの…」
「……行くぞ!」
「何処に?」
「ジェニファーん所だ!」
「えぇ!?だ、だから誰よジェニファーって!?」
まもりは有無を言わせぬ強引さで車に放り込まれた。
何を聞いても黙りな蛭魔にため息をつくと、諦めてまもりも黙って外の景色を眺めるしかなかった。
蛭魔に連れて来られたのは総合病院だった。
まもり達の住んでいる近辺で一番大きくて、最新設備と優秀なドクターが揃っていると評判の病院だ。
蛭魔は受付を済ますとさっさと目的の科へと歩いて行ってしまったのでまもりは慌て追いかけた。
科に着くとすぐ、まもりはナースに連れて行かれ、体重、血圧、尿検査、エコー検査次々調べられ、ようやく待合室の蛭魔の隣に座れたと思ったのも束の間、すぐに蛭魔と共に診察室へと呼ばれた。
診察室の中にいたのはプラチナブロンドのゴージャスでフェロモンぷんぷんな女医。
「Hi!ヨーイチ。悪魔と評判のあなたも人の子だったのね!」
「ウルセー。とっとと検査結果を言いヤガレ糞女医!」
親しげな二人の会話について行けずに椅子にぽつんと座っていたまもりに女医は大輪の花が咲き誇るような笑顔で笑いかけた。
「初めまして、担当のジェニファーよ。ヨーイチにはもったいない位チャーミングで純真そうな子じゃない!悪魔にたぶらかされたの?なんて事でしょう!可哀想に!」
「オイ!」
「あぁ、ごめんなさい。そうそう、検査の結果から申しますと…妊娠しています。ねぇ?この結果ってハレルヤ?それともOh!mygod?」
「てめえしつけえぞ!」
「だって!ヨーイチがパパよ!?dad!何のジョークよ!似合わない~!オムツかえるの?ミルクあげるの?ねぇdada?ビデオ撮ってYouTubeに投稿するわ!アハハハハ!」
「てめえ~」
「あっ、あの!」
二人の会話にまもりが割って入る。
「で、でも生理が来てるんですけど…?」
まもりの言葉にジェニファーの顔が医師の顔へと戻る。
「出血はいつから、どのくらい?」
「一昨日、予定通りに始まったので妊娠は無いと思ったんですけど…ただ、ちょっといつもとは違う感じはしましたけど…」
「どんな風に?」
「その・・・量が少しでずっと始まる前の感じって言うか…」
「妊娠初期に出血することはたまに有ることで、その位なら問題ないわ。尿検査の結果から妊娠はしてるのは確実。ただ、エコーで胎児を確認は出来ていないのよ。エコー写真のここ。小さな陰が有るでしょ?そのすぐ下のここが子宮口なんだけど…おそらくこの陰はポリープだと思うんだけど、仮にこれが胎児だったとした場合、流産仕掛かってるってことになるの。今の段階では胎児かポリープかは判らない。今、胎児を確認できないのは妊娠してすぐで、まだ胎児が小さいからかもしれない。とにかく時間が必要。一週間後に再受診してもらえる?この陰が胎児でないなら一週間後にはちゃんと成長した胎児を確認できるはずよ?大丈夫、そんな顔しないで。なんたって悪魔の子ですもの一筋縄じゃいかないわよ!でも、この後の一週間は安静にしてね。良い?」
「…はい。」
まもりと共に退室しようとする蛭魔にジェニファーが声をかける。
「せいぜい頑張りなさいよ~Dad!Dudって呼ばれないようにね~!」
うぷぷと笑いを堪えているジェニファーに蛭魔は「糞!」と悪態を一つつき病院を後にした。
続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・えへ。
マジにとっちゃ嫌ですよ?
私はずっと産婦人科って私妊婦さんだけが行く病院だと思ってました。
そしたら友人に「産婦人科は 産科と婦人科!妊婦さんだけじゃないの!」と云われました★
そうだったんだ!と目からうろこでした。
だって、ドラマとかで高校生とかが産婦人科からでてきたらすぐに妊娠だってバレるじゃない?
産婦人科=妊娠でないなら もっと言い訳すりゃ良いじゃん!?
ドラマだからか?
まあ、そんな奴が書いた話なんで マジに違うよとかってツッコミはしないで下さいね?ね?
なけなしの知識総動員はしたんですけどね?
軽く読み流してくださいね~~~。
posted by 春海 さな
at 08:57:55 │
EDIT
今回のお話は前後編としておりますが、まだ後編はかけてません★
またかい!って怒られそう~~。
いや、先日、久しぶりに「魔女の宅急便」を観て、その時、ふっと浮かんで一気に書いたんですが途中で息切れしちゃって・・・・。
う~ん、私の言いたいことをちゃんと伝えれるようにかけるかどうか 書いてるうちに不安に陥ってます。
気持ちや考えを文字にすると言う作業って本当に困難ですね。
後編は・・・・ちょっとUPまで時間がかかるかも?

SUITE 前編
試合を終え、疲れきった身体を引き摺って家に帰った。
今日の試合はハードだった。
息もつかせぬシーソーゲームで観客共は盛り上がった事この上無いが、やっている当人達は2試合した程の疲弊を感じた。
ドサリと玄関に荷物を放り投げリビングへと向かう。
そこで蛭魔は違和感を感じた。
おかしい…。
気配がしねえ。
家の中は静まりかえり全く人がいる感じがしない。
今日、アイツが出かける予定は有ったか?
いや。
今日はこれと言ってなかったはずだ。
急に出かける用事ができたと連絡が有ったか?
今日、アイツからは電話もメールも一度も来なかった。
リビングに入るが、やはり誰も居ない。
リビングと一間続きになっているダイニングとキッチンを見回しても誰も居ない。
廊下に出て寝室とゲストルームを覗いてみたがやはり誰も居なかった。
居ないとわかりきっているが自分の書斎も覗いてはみたがやはり居なかった。
晩御飯の材料の買い忘れ等のちょっとした用事で出かける時はキッチンの冷蔵庫の扉に掲示板よろしく走り書きのメモがマグネットで止めてあったりするがそれもない。
どう言う事だ?
嫌な感じがしやがる…。
とりあえず、考えるのは風呂に入ってからだ。
スタジアムでざっとシャワーは浴びたものの、やはりゆっくり浸からなければ疲れが取れる気がしない。
蛭魔はバスルームへと向かった。
脱衣場で服を脱ぎかけた手が止まる。
「…糞嫁、実は年齢誤魔化してんじゃねぇのか?」
思わず呟く。
バスルームに有ったのはルージュの伝言だった。
三年連続ライスボウル優勝&MVP、そしてワールドユースでの実績を買われて蛭魔は大学卒業と同時に海を渡った。
所詮、アメフト後進国の日本。
日本での活躍が華々しかろうとも本場アメリカでの評価は低いものだった。
蛭魔が入団したチームも万年下位をうろうろしているチームだった。
それをなんとか上位に食い込むまでのチームに三年かけて育てた。
地区優勝は無理だろうが、ワイルドカードでのプレイオフ進出はかなり期待できる。
例え第6シードでプレイオフ進出だろうとスーパーボウルで優勝したと云うチームはないわけではない。
今年はそんな大事なシーズンだ。
しかも今は上位チームと試合が続く是が非でも敗けが許されない時期。
それが分からねぇ奴じゃねぇだろう?
一体、何年一緒に居るんだ?
…いや、わかった上での行動か。
糞!
面倒くせぇ…。
蛭魔は並々と湯をはった湯船に浸かると全身の力を抜いて目を閉じた。
アメリカに渡る直前、蛭魔とまもりは結婚した。
蛭魔は、せっかく小さい頃から夢だった教員免許がとれたのだから日本で数年 働き、気が向いた時にアメリカに来て一緒に暮らすなり結婚するなりすれば良いと言ったが、まもりはついて行くの一点張りで半ばまもりに押しきられる感じで二人は結婚と同時に渡米の運びとなった。
アメリカに来てからまもりは大学に編入し、今はスポーツ医学について学んでいる。
学業の傍ら、家の事、蛭魔の事、手を抜かずこなすまもりは今や蛭魔にとってなくてはならない、居るのが当然の存在になっていた。
何の不満が有ったんだ?
色々思い当たることはなきにしもあらずだ。
深いため息をつくと蛭魔は湯船から出て行動を開始した。
翌日
呼鈴の音にセナは玄関へと向かった。
玄関を開けるとそこにはいかにもインテリと言った感じの背広を着た男が立っていた。
「はじめまして。わたくしジェフリーと申します。蛭魔妖一様の弁護士をしております。今回は蛭魔様の依頼で代理人として此方にお邪魔させて頂きました。」
「蛭魔さんの代理人?」
「はい。こちらにいらっしゃる蛭魔様の奥様のまもり様に蛭魔様よりの伝言を伝える為に参上した次第です。まもり様はご在宅でしょうか?」
慇懃無礼に男は尋ねた。
セナも蛭魔同様、大学卒業と同時に渡米し、アメリカでの二年目を迎えた今年、シーズンが始まる前に大学時代から付き合っていた鈴音と結婚した。
セナが住む街は蛭魔の住む街とは離れており、所属チームもリーグが違うのでチャンピオンを決めるファイナルに進むまでは対戦することも無い為、アメリカで顔を合わすことはなかった。
「さすが蛭魔さん。こんな早くまも姉ちゃんの行き先割り出すなんてね…」
「あの代理人、妖兄の伝言預かって来たって言ってたけど伝言って何なんだろう?なんで妖兄が迎えに来ないのかなぁ?」
キッチンで紅茶の準備をしつつも、セナと鈴音はリビングにいるまもりと代理人と名乗る男の会話が気になって仕方ない。
紅茶の準備ができると鈴音は何食わぬ顔でリビングまで紅茶を運んだ。
対峙するようにソファーに座ったまもりと代理人の間に置かれたテーブルの上には様々な書類と小切手が置かれており、チラリと見ただけで鈴音は小切手に書かれた額に驚いた。
「すごっ!これって何!?」
「手切れ金ですって」
まもりが固い声で答える。
「手切れ金等とは聞こえが悪い。これは慰謝料の一部です。こちらが、まもり様と結婚してから蛭魔様が稼がれた資産の半額。そしてこちらが結婚してからまもり様が蛭魔様に尽くされた労働への対価。そしてこちらが当面の生活費、養育費、そしてこちらの書類が自宅マンションの名義変更の書類です。そしてこちらが…離婚届けです。既に署名捺印は済んでいます。まもり様の提出したい時に提出して構わないとの事です。」
一気に話した代理人の言葉に鈴音は驚いて言葉も出ない。
「あの人は他に何か言ってましたか?」
「自宅の方は本日中に引き払うのでいつ帰っても構わないとの事です。」
それだけ聞くとまもりはおもむろに立ち上がり部屋を出て行ってしまった。
「ま、まも姉?!」
まもりの尋常ではない様子に鈴音が慌てて後を追う。
まもりは自分に宛がわれた部屋に駆け込むと財布の入ったバッグを掴み家を飛び出した。
続く
久しぶりに未来のお話です♪
あ~・・・・・暗。
誰もこんな話読みたくないだろうに・・・・。
甘いの書くと言いながら こんなの書いてちゃ駄目じゃん★
書きたいことはわかってるんだけど、うまく表現する言葉がわからなくてもどかしい。
なんとかひねり出さねば!
いや~、でも 蛭魔さんのNFLで活躍する姿観た~い!!
私服姿も格好良いけど、やっぱユニフォーム姿が一番格好良いと思う!!
そして 試合してる時が一番格好良い!!
たまらんです~vv