夫婦戦争-Lovers War-6
「あら、妖一さん。
お久しぶり。
調子はどう?
まもりったら急に里帰りしちゃったりしてごめんなさいね。
妖一さんも大変ね~。
えっ?
別にまもりは何も話してないわよ?
同窓会があるついでに里帰りしたって言ってるけど、何かあったななんて話さなくても何とな~くわかるの よ。
なんたって母親ですからね。
まもり?
まもりならさっきお風呂から上がったみたいだけど携帯に出ない?
別に変わった所は無いけど…ちょっと元気が無いかしら?
うちの人ったら、まもりが帰って来たとたんにまもりの好きな雁屋に行って限定のシュークリームセット買って来たのよ!
里帰りしたの久しぶりだから喜びのあまり舞い上がっちゃってるみたい。
毎日、仕事帰りには雁屋の旬の商品にチェック入れて、まもりが帰って来たら食べさせようと待ち構えてたらしいの。
馬鹿でしょ?
ええ、全くね!
いくつになっても本当に娘に甘いんだから!
妖一さんからあの人にちょっと言ってやってよ。
え?
なんて言うか?
そりゃあ『まもりは僕の妻だ!お義父さんはいい加減子離れして下さい!お義父さんの出る幕は無い位、 僕 はまもりを心から愛しているんだ!ラブラブなんだー!』とかなんとかね。
バシッ!っとうちの人に言っちゃってよ。
そしたら妖一さんの勇姿を見たまもりが『妖一君v』とかって目がハートマークになってまた妖一さんに惚れ なおしちゃったりなんかしちゃうかもよ?
いや~ん!
素敵!!
えっ?
馬鹿な妄想には付き合えない?
寝言は寝て言えって?
夢よ!
夢!
んっもう、妖一さんったら女心をわかってないわねぇ。
まだまだ甘いわね。
いい?
いくつになっても女ってのは夢見る乙女なのよ?
乙女!
くさい位甘いこと言われる方がくらっと来るものよ?
そんなこと言われたらまもり、同窓会の出席なんて取り止めて速攻で妖一さんについて帰るかもよ?
えっ?
アホらしい?
もう!
そんなじゃまもり帰らないわよ?
帰さないわよ?
えっ?
今から来るの?
今から?
今からって、今どこなの?
家?
えっ、今から家からうちまで来るの?
時間かかるでしょう?
夜だからそうかからない?
大丈夫?
あぁ、明日は祝日だから遅くなっても大丈夫なのね。
うち?
うちは少々遅くても大丈夫だけど。
本当に気をつけてね。
まもりに早く会いたいからってそんなに急がなくて良いからね。
安全運転よ?
えっ?
そんな冷めきった声出さないでよ~。
はいはい、スミマセン。
本当に気をつけてね。
はい、それじゃあまた後でね!」
義母が出たのが救いだと思ったのは大きな間違いだった…。
出かける前からどっと疲れてしまった。
でも、しょうがない。
途中、コンビニでブラックコーヒーを買おう。
そう心に決めて車のエンジンをかけた。
続く
まもりの母ばっかり★
これじゃラブラブ頑張るとか言えない・・・・。

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