posted by 春海 さな
at 23:53:21 │
EDIT
テレビとか本とか見てる時、気になった事があるとメモとります。
たいてい 蛭姉のネタになりそうな事をメモるんですが
私はとてもいい加減な奴なので そこいらにあるメモにメモります。
だから いろんなメモ帳にメモってある。
全くまとまりのないモンです★
そして、文章書くのが苦手な私のメモはたいがい使えない★
字が汚すぎて読めなかったり、箇条書きの意味がわからなかったり・・・・。
今、手元にあるメモに書いてあるのは
ABC予想
整数の理論
フェルマーの最終定理
・・・・・・私はこれを使ったどんな話を書こうと思ってたんでしょうか???
意味がわからん★
携帯の中にもいくつも箇条書きのお話があるけど わけわからない★
そんな中から四苦八苦して書いてるお話。
過去の私!
思いついたなら責任もって書いとけよー!!
タイトルは今、聞いてるスキマスイッチの曲より♪
だって、時間ないのにタイトルおもいつかなかったんだも~ん★
・・・・・タイトルにあったようなお話になれるかしら??

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ふれて未来を
「凄いねぇ!船上パーティーなんて初めて!素敵ィ!!」
アコは辺りをキョロキョロと見回して興奮しきりだ。
「本当に凄いよねぇ。関東代表になったとは言え高校生が船上パーティーって…普通、アリエナイよ」
一方、咲蘭は呆れたように苦笑いを浮かべて周りに視線を向けている。
「さすが蛭魔だよねぇ」
「やることが違うよね」
ウンウンと頷きあう二人にまもりは困ったように笑うしかない。
「ビュッフェ形式だから何か食べ物取りに行く?」
「行く行く―!」
まもりの言葉にアコも咲蘭も盛り上がり、一同はいそいそとビュッフェコーナーへ向かった。
和食、洋食、イタリアンに中華と色とりどりの様々な料理が所狭しと並ぶ。
「あ!これ食べたーい!」
「これとこれと…あ!これも取っちゃお」
「どれもこれも美味しそ~!全部食べてみたいね」
キャピキャピと一通り回ってからようやく席についた。
「「「いただきま―す!」」」
声を揃えて食事の挨拶すると、三人は同時に料理を口にした。
「「「美味しい―!」」」
見た目通りの美味しさに三人の目が輝きだす。
「何これ!本当に美味しい~!」
「味付けが絶妙だよぉ!」
「どれを食べても美味しいわね」
美味しいものを食べ、三人の顔は幸せな表情になる――――。
美味しい料理に楽しいイベントの数々。
パーティーを心行くまで堪能した三人は、今は場所をラウンジで紅茶とデザートを楽しんでいた。
「楽しかった―!」
「本当にね」
「改めて、まも、関東大会優勝おめでとう!」
「次は全国制覇だね!」
「うん。ありがとう。後1つ、頑張らなきゃね」
「そういえば蛭魔の腕は大丈夫なの?折れたんでしょ?」
「うん…」
「折れた腕でロングパスなんて普通あり得ないよね」
「さすが蛭魔と言うか悪魔と言うか、ねぇ~」
「本人は問題無いって言ってるけど…クリスマスボウルまで治るかどうかギリギリって感じかな…」
まもりの顔が少し曇った事に気付いたアコが慌てて話題をかえた。
「あ、それにしてもさ!あれだよね。こんな豪華なパーティーに出席できるなんて、本当にまもと友達で良かったー!」
「うんうん。まも様々!まもの友達って言う役得だよね」
「役得だなんて」
「だって、まもが招待客の名簿に私達の名前入れてくれたんでしょ?」
「いいえ。このパーティーは私もここに来るまで知らなかったの。だから咲蘭とアコがいてびっくりしたの」
「そうなの?」
「私はてっきりまもが出席者名簿に私達を入れてくれたんだと思ってた。だって来てるのってアメフト部ゆかりの人達じゃない?それぞれメンバーが自分の呼びたい人を呼んでるんだと思ってた」
「私は名簿作って無いから…多分、蛭魔君が一人で手配したんだと思うわ」
「そうなんだ」
「一人でこれだけの人数とか色々手配するなんてさすが蛭魔…」
「さすがって言うより、ちょっと恐怖を感じるよ…」
「どうして?」
「だって、メンバーの縁の人達とその連絡先をきっちり把握してるんだよ?どんだけみんなの情報握ってんのよって思っちゃうじゃない?!」
「あ―…確かに…」
「でも、ま、蛭魔の中じゃ私達はまもの親友って位置付けになってるんなら、やっぱ嬉しいな」
「ウンウン」
「まも…」
今までの笑顔から一転、真面目な顔になったアコに、まもりは何を言われるのか身構える。
「まも。もし、あんたがさ、蛭魔のこと好きだって言うなら、私達は反対しないよ。応援する」
「えっ?…やだぁ、咲蘭ったら突然、真面目な顔してなに言いだすのよぉ」
「前は極悪非道、残虐無悲、血も涙も無い悪魔だと思ってたけどさ、まもがアメフト部でマネージャー始めて、アメフト部とか蛭魔の事とか色々知って、そうじゃないって分かったから」
「……」
「私達が蛭魔を理解したように、蛭魔もまものこと良く理解してくれてると思うんだよね」
「どうして?」
「大食い大会の企画考えたの蛭魔?」
「えっ?うん。多分、そうだと思う」
「やっぱりね」
「何がやっぱりなの?」
「いや、ほら、普通、誰もまさか栗田君に大食いで敵う人がいるなんて思わないじゃない?」
「ウンウン思わない。王城の大田原さんや、白秋の我王君ならともかく、まさかこんな可憐な女子が…って思うよ!みんな」
「だけど、蛭魔はまもりが優勝するって分かってたんだよ」
「え~?本当に?」
「だって優勝賞品、雁屋のシュークリーム券100個分とロケットベアグッズだよ?まるっきりまもの為のような賞品じゃない。それって、まもが優勝するって思ってたからじゃない?」
「あ!確かに!白秋の我王君ならともかく、まさかこんな可憐な女子が大食い大会で優勝するなんて思わないもんね。みんなかなりびっくりしてたもんね」
「って言うか、引いてたって言うかね~」
「あの食べっぷりは半端なく壮絶だったもんね!シュークリームは飲み物です!って位の勢いだったよね」
「まるで手品?!って感じに山盛りのシュークリームがするする飲み込まれてったよね~」
「だって、あの栗田君が汗流しながら必死に食べてるんだよ?!なのにまもったら涼しい顔なんだもん」
「シュークリームマニアは伊達じゃなかったね」
「恥ずかしい~…もー、言わないで~!あぁ…恥ずかしい…どうしよう…」
「大丈夫大丈夫!まもはいつでもどんな時でも美人さんだから問題無しよ!」
「だからさァ、普通は大食い大会でまもが優勝するなんて思いもしないわけじゃない?」
「うん」
「だけど蛭魔はわかっていた・・・それって・・・」
「そっか!」
「まもの事しっかり理解してるって事だと思ったわけよ」
「成る程!」
「…そ、そうかしら?」
「うん。見た目とかうわべとかじゃなくって本当にまもの事わかってるって気がするなぁ」
「そんな事は…」
しみじみと言う咲蘭にまもりは少し動揺する。
「まもの事しっかり把握してない限りあの優勝商品は有り得ないって」
「ヒューヒュー!もしかして蛭魔ってばまもにラブ~?!あ、でも、単にまもの度を越えたシュークリームマニアっぷりを知ってただけだったりして?」
「…それも有りかも…」
アコの言葉に笑いしながら返事を返す咲蘭に「それはヤメテ~」と、まもりは心底嫌そうな顔をした。
続く
続きはちょっとあくかもです・・・・。
早くUPできるよう頑張ります!
posted by 春海 さな
at 21:05:55 │
EDIT
気づけば数日中に カウンターが50000行きそうです!
ビックリ★
さぼらず毎日頑張ってたら もう少し早く迎えられてたのかもしれないけど・・・
なんにしても 日記なんて3日も持ったことが無い私が サボることがあるとはいえ 2年続けられてるなんて凄い!
頑張ってる!
もう自画自賛ですv
似たような話ばかりだけど、ちゃんと亀ながら小説も更新できてるし~v
50000に向けて頑張るゾー!!!
カウント50000踏んだ方、何かご希望有りますか?
さて、本日は『libido』の後編ですv
ぐだぐだだけど・・・・大目に見てねv

libido (後編)
まもりは気持ちを切り替え、表情を整えて、観客席で待つメンバーの元へと戻った。
観客席でまもりと蛭魔の帰りを待っていたメンバーは、小さなビデオカメラの画面をぎゅうぎゅうになりながらも見つめて、一生懸命、巨深対策をあーでもないこーでもないと話していた。
少し前までアメフトなんて全く知らなかったメンバーが『クリスマスボウル』と言う同じ目標に向かって一緒に走っている。
なんて奇跡的で素敵な事だろう!
まもりは心の底から思った。
そして、自分もこのメンバーの一員である事に喜びと誇りを感じた。
再び目頭が熱くなるのを懸命に堪えて、まもりは笑顔でみんなに声をかけた。
「蛭魔君、もう少し用事で時間がかかるから今日はこれで解散ですって」
「あ、そーなんすか」
「じゃあ、打ち上げはどうなるんだ?」
「また今度やるって」
黒木の疑問に、まもりはまるで蛭魔から指示を受けていたかのように即座に答えた。
「じゃあ、俺らだけでラーメン屋でも寄って帰るか?」
「ここら辺の近くで美味い所ってどこだ?」
「大通りんとこの平いしは?」
「平いし良いねぇ」
「平いしに決まりー!」
何の疑いを持つこともなくメンバーは帰り支度を始めた。
「まもり姉ちゃんも行く?」
「まもりさんも行きましょー!」
「有り難う。でも、ゴメンね。荷物の番しとくように蛭魔君に言われたのよ」
「あ、そうなんすか?じゃあ、俺らも帰って来るまで待ちましょうか?」
「いいのいいの。私の事は気にせず行って」
モン太の提案を即座に断ったまもりの反応に、鈴音のアンテナがぴんっと立つ。
「ほら!さっさと行くよ!まも姐は妖一兄に荷物預かってくれって頼まれたんだから!邪魔しちゃ駄目だよ!」
「えっ、でも、まもりさんも一緒に…」
「良いから!行くの!」
「おい!ちょっ…いててててェェェ~!!」
「まも姐、ごゆっくり~~!んっふふふふふ」
まもりに未練たらたらのモン太の耳を引っ張って、意味深な笑みと台詞を残して、鈴音はみんなとラーメン屋へと去って行った。
「なんか鈴音ちゃんに激しく誤解された気がする……」
どう弁解すべきかしばし考えてはみたものの、良い案は浮かばず、諦めた。
それからどの位たっただろう、ようやく蛭魔が帰って来た。
「糞チビ共はどうした?」
蛭魔の態度はいたって普通で、葉柱とあのようなやり取りがあったということは微塵も感じさせない。
「糞チビじゃありません!セナ達ならもう帰りました。蛭魔君はまだ用事があるからって事で解散になったのよ」
それだけで蛭魔は全てを理解したらしい。
「…テメェは?」
「蛭魔君の荷物ほったらかして帰る訳にはいかないでしょ?」
「フン。ご苦労なこって」
「でしょ?お礼はスタバのキャラメルマキアートで良いわよ?」
まもりの言葉に蛭魔は一瞬、あっけに取られようだが、言葉を発したまもり自身も内心、驚いていた。
恩を売るき等は全くなかったが、自然と口をついて出た。
もう少しだけ一緒に居たいと思ってしまったから。
そんな事を思った自分を、まもりは我が事ながら理解出来なかった。
「…怖えぇ怖えぇ。糞風紀委員様がたかりか?」
蛭魔がニヤリと人の悪い笑顔を浮かべたので、まもりも即座に返す。
「荷物番&口止め料。安いもんでしょ?」
「ケッ、しょーがねえな」
荷物を持つとさっさと蛭魔は歩き出した。
「あ、ちょっと待ってよ!」
「トロトロしてる奴は置いてくぞー」
「ちゃんと追い付きます!倒れませんし、リタイアもしません!クリスマスボウルに行くまでは」
「ほー、良い心掛けデスネェ」
「ええ。朱に交わればなんとやらよ」
「その殊勝な心掛けに免じてケーキも付けてやるよ」
「本当!?」
「クリスマスボウルへの投資と思えば安いモンだ ケケケ」
「じゃあ、いっぱい食べなきゃ」
「太るぞ」
「全部走って消化するから大丈夫よ!のんびり太ってる暇なんて無いでしょ?」
「そりゃそうだ。ま、心行くまで店のケーキ全部たいらげやがれ」
「そんなには食べません!」
「どうだか?なんたってつまみ食い~」
「もう!しつこいなぁ」
確実に自分の中が、自分の周りが、目まぐるしく変化して行っているのを感じる。
少し不安はあるけれど、嫌なものでは全く無い。
どけまで進めるか、どんな道が先に在るのかわからないけれど、きっと大丈夫。
確信を持ってまもりは一歩を踏み出した。
終わり
同じ終わり方。
韻を踏んだ感じ?
違うか★
お粗末さまでした~~~。
posted by 春海 さな
at 00:42:35 │
EDIT
この連休は家族旅行ですv
わ~いv
旅行大好き!!
天気がどうなのかな?
台風の影響が無ければよいのですが・・・・。
さて、本日は・・・・
久しぶりに アイシの単行本をぺらぺらと読み返しまして・・・
ポセイドンVSカメレオンズの試合を見て 浮かんだお話です。
ぐるぐるしたお話になっちゃいました★
そして後編へ続きます。
この前編だけでも十分な気がするけど・・・
後編、いるかしら?
いらないかも・・・。
たくさんの拍手有難うございますv
夏の暑さに負けて(夏休みで ボケてた・・・・)更新滞ってましたが
芸術の秋!
読書の秋!ってことで 創作活動頑張ろうと思います!
・・・って、事なので よろしかったら また たまには覗いて見てやって下さいねv

libido (前編)
葉柱ルイの仲間を鼓舞する声がフィールドに響く。
しかし、その声は仲間に届く事なく虚しく消えた――――――。
巨深ポセイドン対賊学カメレオンズの試合は42対0と言う圧倒的な大差で幕を閉じた。
賊学の敗退は少なからず泥門メンバーにも影響を与えた。
「葉柱さんたち負けちゃった…」
「人ごとじゃねーぞ。次当たんのは俺らだ。巨深対策練らねーとな」
「そうだね…。あれ?そう言えば蛭魔さんは?」
「そう言やいないな。どこ行ったんだ?」
「あ、じゃあ私、探してくるわ。ビデオカメラお願いね」
「うん」
セナにビデオカメラを渡すと、まもりは足早にスタンドを後にした。
まもりには一つだけ、蛭魔の行き先に心当たりがあったので、その足取りに迷いはなかった。
更衣室からフィールドに出る為の選手専用通路。
なんとなく蛭魔はそこに居るんじゃないかとまもりは思っていた。
何故そう思ったのかと問われれば言葉につまるが、あえて言うなら試合中の葉柱が、何故か去年までの蛭魔とダブって見えたから……。
階段を降りると微かに誰かの話し声が聞こえて来た。
気付かれないよう、まもりは細心の注意を払って歩を進める。
角を曲がればフィールドへの通路だが、まもりはそこで足を止めた。
微かだった声は今は話の内容まではっきりと聞こえる。
「俺らの世代の奴らは違う。一言目にはウゼェ。二言目にはダリィ」
この声は……葉柱君?
まもりはそっと壁越しに声のする方を覗いてみた。
やはり声の主は葉柱だった。
そして、その近くには予想通り蛭魔がいた。
「カッ!そんな奴らまとめんには…力っきゃねえ。恐怖政治しかねーだろうが!テメーだってそうだろ。そうやってチームまとめてきたんだろ」
葉柱の怒声にまもりは思わずびくっとなり気付かれないよう更に息を潜めた。
「なのに畜生。結局はバラバラだった。なんか俺が間違ってたとでも言うのかよ…!!なんでテメーんとこの奴らはテメーが怖いから頑張ってんじゃねえんだ!なんでテメーと一緒になってクリスマスボウルまで目指してやがるんだ!!テメェと俺となにが違うってんだよォオ!!」
痛い程、葉柱の悲痛な思いが伝わる。
絶望、失望、諦め、そして羨望。
様々な感情が入り雑じった葉柱の心からの叫び。
蛭魔は何も言わない。
葉柱に胸ぐらを掴まれたまま、ただ立っている。
やがて聞こえて来た嗚咽に、まもりは目頭が熱くなるのを感じて、静かにその場を離れた。
足早に去りながら、まもりの脳裏には秋大会のメンバーが発表された時に蛭魔とかわしち会話がよみがえっていた。
レギュラーメンバーの中に雪光の名前が無くて、先に帰宅の途についた蛭魔を追いかけて尋ねた。
「勝つ事より大事な事はないの?」
「ねえよそんなもん。負けたら終わりだ。あの糞ハゲにとってもな」
私はわかっていたつもりだったけど、本当にはわかっていなかった……。
あの言葉の意味も、彼の真意も。
「勝つ事より大事なものはない」きっぱり言い切って去って行った背中が思い出される。
「負けたら終わり」
足元が急に切り立った崖の上になったような、覚束無いものに感じた。
負けたら、谷を真っ逆さまに墜ちて行く……。
こんな気持ちのまま、みんなの所に戻る訳にはいかない。
まもりは客席に戻る前に瞳をつぶり、大きく深呼吸した。
大丈夫。
決して墜ちはしない。
デビルバットには羽があるんだから!
再び瞳を開いた時、足元はしっかりとしたコンクリートに戻っていた。
まもりはその感触を確かめるようにしっかりした一歩を踏み出した。
続く
毎回、タイトルで悩みます。
今回はポルノの曲より・・・・。
どんな曲なのかは知らないけど、たまたま目についたから★
前編、後編って チガウ~って思うんだけど、良い表記が思いつかないので仕方ない。
本当にタイトル考えるのって苦手~~~。
posted by 春海 さな
at 23:36:19 │
EDIT
なんとか書きあげましたー!
本当になんとか・・・・。
もう少しすんなりまとまったお話になるハズだったのに 文才が無いと文章が読み辛くてダメですね。
えっと、でも、一応、これがカウンター17000記念小説って事で★
さて、余裕を持って 18000を書かねば!

バースデイ 後編
「何でいきなりラーメンなんだよ?」
十文字が黒木にうろんな視線を投げる。
「あそこのラーメン屋毎月12は山九ラーメン半額なんだよ!」
「なんでそんな中途半端な日にちなんだ?」
「店名が『さんきゅう』で、3と9を足して12日なんだとよ」
十文字の疑問に戸叶が答える。
「そんななら3日と9日にすりゃ良いのによ」
「2日もやったら商売上がったりなんじゃね?」
「どうすんだよ?行く奴!」
のんびり会話する十文字と戸叶に黒木はしびれを切らす。
もう黒木の心は此処にあらず。
ラーメンの事しか頭には無い。
「行く!」
「俺も!」
「Ya―!行く行く!セナも行こ!」
次々にラーメン屋に行くとメンバー達が手を挙げる。
「うん。まもり姉ちゃんは?」
「私はまだ片付けしなきゃいけないから、みんなで行って来て」
「蛭魔~行こうよ」
「行かね」
「え~」
「まあ栗田。蛭魔も色々用事があんだ。放っといてやれ」
「糞ジジイ。その気味悪りぃ含み笑いはなんだ?」
「じゃあ蛭魔、また明日ね!」
「ケッ。とっとと帰りやがれ!」
「それじゃ、お先に!」
「また明日!」
「お疲れ様でした」
「ちーす!」
賑やかな部員達の声が徐々に遠ざかり、蛭魔とまもりだけになった部室には静けさが戻った。
「誤魔化したでしょう」
「あん?」
片付けをしながら話しかけてきたまもりの声は何気無さを装おってはいるが少なからず怒りを含んでいるのがわかる。
「小難しいこと言ってみんなを煙に巻いたでしょう」
「別にィ」
「蛭魔君の誕生日ってそんなに隠さなきゃいけない事?そんなにみんなが信用できない?」
「言わなきゃならねぇ事でもねぇだろ」
「…私達って付き合ってるのよね?」
「らしいな」
「彼女にも教えられない事?」
「自分で考えやがれ」
「えっ?」
「ヒントはくれてやっただろうが」
そう言うと蛭魔はパソコンを片付け始めた。
「ヒント?えぇ?何だったの?」
困惑するまもりをよそに蛭魔は帰る準備をさっさと済ませた。
「おら、帰んぞ」
「えっ?!あ、ちょっと待ってよ!」
まもりも慌て帰る準備を始めた。
「完全数についてでしょう?素数についてでしょう?666についてでしょう?」
ヒントは何だったのかぶつぶつ呟きながら隣を歩くまもりに蛭魔はうんざりした視線を向ける。
「誕生日なんざいつでも良いだろうが」
「よくありません!絶対、蛭魔君の誕生日当てるんだから!」
「ケッ。面倒臭ぇ奴」
「そう思うなら素直に誕生日教えてくれれば良いじゃない」
「やなこった」
「減るもんじゃなし」
「減ったらどうする」
「減りません!だいたい何が減るって言うのよ」
「寿命」
「蛭魔君の寿命なんて無駄に長そうだから少しくらい減った方が世の為、人の為じゃない?」
「余計なお世話だ」
「…ねぇ。お祝いしてもらったら本当に寿命が減ると思ってる?」
「んっなワケねぇだろ。あ、でもマジで減るかもしれねえなぁ。横で胸糞悪ィ砂糖の固まり馬鹿みてぇにむさぼられた日にはストレスで。」
「もう!じゃあ蛭魔君の誕生日にはケーキ絶対用意しないから教えて」
「自分で考えるんじゃなかったのか?」
「だって…ヒントがどれかすらわからないんですもの」
「誕生日なんざ知って何が楽しんだ?そんなに占いがしてえか?」
「占いじゃないの!好きな人の誕生日には一緒にお祝いしたいじゃない?おめでとうって言いたいじゃない」
「…ケッ。おめでとうの言葉も祝うのも一年に一度で良んだよ」
「だから誕生日…」
「違ェよ。今年まではクリスマスだったが来年からは正月だ」
「今年までクリスマスで、来年からは正月?」
突然のなぞなぞにしばしまもりは考えこむ。
「…あ、ライスボウル!」
「祝うのは一年に一度、それで良い」
「そりゃあそう出来れば一番だけど…」
「そうなるようにあらゆる手を尽くすんだろうが」
「うん。そうね」
二人は電車に乗り込む。
付き合う前から二人だけで居残りした時は蛭魔が家まで送ってくれていた。
付き合い始めてからはこの時間がかけがえのない時間になった。
夕闇に包まれた街並みを眺めながら幸せを感じていたまもりだったが、はたと気付いた。
「もしかして、私も誤魔化された!?」
「あん?」
「蛭魔君の誕生日はいつか!」
「まだ言うか?しつけぇ女だな」
「当たり前でしょ!」
「何が?」
「だって、好きな人の事は何でも知りたいものじゃない」
「そうかぁ?」
「そうです!蛭魔君だって私の事色々知りたいでしょ?だからチアの服着てる写真やシュークリーム食べてる写真とか、色々パソコンに保存してるんでしょ?」
「…はぁ?違ェよ。あれは脅迫ネタだろうが」
「脅迫の必要なんてないのに?じゃあ消去してくれる?」
「……」
「ね?だから秘密の交換ってことで教えて?」
「…割りに合わねェ」
電車は駅に到着した。
ドアが開き、降りる人の流れに乗って蛭魔もさっさと電車を降りて行った。
「やっぱり駄目かぁ…」
ため息をついた後、まもりは急いで蛭魔の後に続いた。
駅から家までの道のりはお互い無言だった。
たまにチラリと視線を向けて見るが蛭魔はひたすら無表情で前を見て歩いている。
後少しで家に着く。
こんな空気のまま別れたくはないまもりはもう一度ため息をついて気持ちに区切りをつけた。
「そんなに嫌ならもう聞かないから…。その代わり、毎年、お祝いできるように頑張ろうね」
ニコリと笑顔を向けると蛭魔は意外そうな顔をした。
「送ってくれてありがとう。じゃ、また明日ね」
「おい」
門をくぐったまもりを蛭魔が呼び止めた。
「ヒントはギリシア人が知ってた完全数だ。じゃあな」
それだけ言うと蛭魔は踵を返した。
「!」
玄関に手をかけたまもりが再び門まで戻った時には、すでに蛭魔はかなり遠くなっていた。
「蛭魔君!その日はライスボウルの前祝いやろうね!」
まもりの大きな声に蛭魔は一瞬、足を止めたが振り返る事はなく挙げた手を数度振って帰って行った。
まもりは自分の部屋に入ると赤ペンを取り出しカレンダーの6月28日の所に大きな花丸を書き込み指でなぞってみる。
蛭魔の誕生日まで後少し。
プレゼントは何が良いか。
どんなお祝いをしようか。
しばらく楽しくて忙しい日が続きそうな予感にまもりは微笑んだ。
END
え~っと今回のお話で使った蛭魔の誕生日は6月28日でした★
ギリシア人は 完全数の6と28を発見したのです。
ようするにギリシア人の知ってた完全数は6と28の2つなのです★
28の約数は1、2、4、7、14で足し合わせると28.
6や28が持つ完全性は聖書の注釈者たちによれば宇宙の構造に反映されてるらしいです。
神は6日で世界を創造したし、月は28日かけて地球を1周するって★
聖アウグスティヌスは「6はそれ自体で完全な数である。神が万物を6日で想像したからではなく、むしろ逆が真。この数が完全だから神は6日で万物を創造した。
例え六日間のみわざがなかったとしても6は完全であり続けただろう」と言ったとか。
なんだか とっても蛭魔っぽかったので 6と28を使って 蛭魔の誕生日は6月28日って設定を今回はねつ造しました★
・・・・でも、6月28日って 私の妹の誕生日なんだよね・・・・。
今回、このお話を考えたのはある本を図書館で借りたのがきっかけでした。
それはポール・ホフマン著『数学の悦楽と罠』って本です。
妹には「なんで そんな本読んでんの?」と呆れられましたが・・・・ちょっと興味をそそられて・・・。
このサイトを開設した頃の日記のどこかに「NHKの番組が面白かったから 素数についてのお話を書きたい」だか書いてると思うのですよ。
本当に面白い番組で、その番組のタイトルだか サブタイトルだかに この本の中で使われてるタイトルと似たようなタイトルが使われてまして・・・
そのタイトルってのは『悪魔の数に魅せられた男たち』ってのだったんですよ。
同じ素数についての本だったので もしかしたら この本が あの番組の元なのかも?って思って借りたのが始まりなのです。
これも何かの縁だ!ってことで 本の内容でお話を作ってみたのですが・・・
わけのわからんもんになっちゃったような・・・・。
わかりました?
文才の無さがもどかしいっす!
もっと素敵に表現したかったんですけど~・・・。
次回は可愛いお話を頑張ります!・・・・ので見捨てないで下さいね~~~。
posted by 春海 さな
at 23:16:52 │
EDIT
今日、書きあげるハズだったお話・・・・・まだ書きあげれてません★
なんだか このままずるずる行っちゃいそうなので
自分に喝!を入れるためにも 途中までUPします。
あ~・・・一気にUPしたかったけど しょうがない。
忙しさにかまけて だらだら先延ばしになっちゃいそうだから★
今回のお話は かなりのねつ造なので そう云うのは許せん!って人は見ないで下さいね?

バースデイ 前編
本日の部活終了後の部室はいつもにも増して賑やかだった。
アコが「結構当たってて面白いから読んでみて!」と半ば押し付けるように貸してくれた誕生日占いの本を鈴音が目敏く見つけた事で部員みんなの誕生日占いが始まり今に至っているのだ。
「当たってるって言えば当たってるか?」
「うーん微妙…」
「俺ってこんなかぁ?」
「フゴ?」
「アハハ―――!ボクはばっちりだよ!」
自分の占い結果についてワイワイ盛り上がる部員達にも無関心な様子で蛭魔はいつも通りパソコンをいじっている。
もうこの部室の中で誕生日占いをしていないのは蛭魔だけだ。
泥門の悪魔の占い結果やいかに!?
『涙もろいロマンチスト』なんて結果が出たら笑い死ぬかもしれない…だが知りたい!
部員全員の気持ちは同じだった。
「ねぇ、蛭魔君の誕生日っていつなの?」
まもりが口火を切った。
「YA――!知りたい知りたい!」
すかさず鈴音が同調するが蛭魔は鼻であしらった。
「生年月日なんざ最大の個人情報じゃねえか。んっな最重要機密をおいそれとバラすわけねぇだろ」
「えーそれじゃ妖一兄のお誕生会出来ないじゃない!」
「んっなモンやってもらわなくて結構だ」
「プレゼントもらえないよ?」
「イラネ―」
「おめでとうも言ってもらえないよ?」
「上等」
「寂しくない?」
「全然」
「……」
わかってはいたが蛭魔の素っ気なさにさすがの鈴音も閉口してしまった。
「ヒントだけでもダメですか?」
「あん?」
「えーっと、ほら、星座だけでも」
見かねたセナが妥協案を提案してきたが、蛭魔は容赦なく却下した。
「元々366通りしかねんだ。ヒントがなきゃ解読できねえような天文学的数字じゃねぇだろが」
「いや、でも、当てれる確率は天文学的になりそうな…」
「そうっすよ!ケチケチせずにヒント位くださいよ」
モン太も話に参戦してきた。
「そんなに知りてえなら仕方ねえ。48番目の完全数を言えたら教えてやる」
「48番目の完全数すね?!おっしゃ――!」
「…モン太は完全数って知ってるの?」
「…いや、知らねぇ…セナも知らねえのか?」
「僕が知るわけないじゃん・・・」
最初から躓く二人にまもりが助け船を出してくれた。
「完全数ってのはね、全ての約数の和に等しくなる自然数の事よ。例えば最初の完全数は6。6は1、2、3で割り切れて、かつ1、2、3の和になるでしょ?6の次が28で…」
「……。」
まもりが優しく解説してくれても完全数について理解出来た者は残念ながら少なかった。
「図書館とかで調べればわかるをじゃないかな?」
「いや、それよりインターネットで調べりゃ一発だろ?」
「おぉ!」
「頭良い!」
「じゃあ早速、学校のパソコン教室行って調べようぜ!」
「よっしゃ!」
泥門頭悪いメンバーがモン太の思いつきに盛り上がり、今にも部室を飛び出さんとしたその時
「あ、でも、確か完全数って…」
「何がヒントだ。アンタ、誕生日教える気なんざサラサラねえだろう」
雪光が何かに思い当たり、言いかけた言葉を十文字のドスの効いた声が遮った。
「馬鹿にすんのも大概にしろよ?48番目の完全数はまだ発見されてねえだろうが!」
「まだ発見はされてねえが、こいつらが発見する確率は0じゃねぇだろ?なんたって友愛数の二番目に小さな組を発見したのは16歳だったしなぁ?」
「そんな天才とこいつらを同じ土俵に上げるのはおかしいだろうが!?」
「じゃあ、完全数33番目を全員で言えたらでどうだ?」
「全員でですか?」
「あぁ。全員で声を揃えて暗唱しても良し、パートに別れて順番に言うも良し」
「そ、それならなんとか…」
「いやぁ…それも無理かと…」
安請け合いしそうなセナ達を雪光が止めた。
「無理?一人は無理でも全員でなら出来るんじゃないすか?」
「おい、サル。てめえ33番目の桁数知ってんのか?」
十文字は盛大に舌打ちするとモン太に質問した。
「知らねぇ」
「アホが!33番目の桁数は26万桁位あんだぞ!?覚えれるわけねぇだろ!」
「えっ…」
「正確には25万8716桁ですね。33番目の素メルセンヌ数は1994年に米クレイ・リサーチ社がC90型スーパーコンピューターを使って見つけたもので、まともに印刷したら新聞8ページ分びっしり埋まる量なんですよ。因みに2008年8月に発見された47番目のメルセンヌ素数は1297万8189桁なんですよ。あ、それと41番目から47番目まではまだ未確定の順番なんですよ。過去にも29番目の後に30、31番目が発見されましたし、47番目の後に45、46番目が発見されましたからね」
無駄知識を雪光が披露してくれたが、皆は感心するどころではない。
「そんなん絶対無理じゃねぇか…」
みんなが絶句している中、いち早く立ち直り、沈黙を破ったのは鈴音だった。
「あ、じゃあ、やっぱり当てずっぽうで行こうよ!」
「はぁ?」
「こうなったら妖一兄のイメージっぽい誕生日言って当たりかどうか聞くのが一番確率高いって!」「そ、そうだな」
「勘上等!」
「ま、その方が俺ららしいな」
「でも、蛭魔さんらしい誕生日って?」
「そりゃあやっぱあの数字だろう?」
「あぁ、悪魔の数字!」
「「「666!」」」
皆の声がハモった。
「でも、6月66日なんて日にち無いよ?」
「6月6日の6時に産まれたとか!」
「…あんまりにらし過ぎじゃねぇ?」
「そんなん完璧に悪魔って感じじゃん…」
好き勝手言い始めた皆の声を蛭魔の声が遮った。
「おい、てめえら」
「はい?」
「てめえらは666の意味を知ってんのか?」
「えっと、それは…」
「言っとくがダミアンは映画でフィクションだぞ?」
「……」
「666の数字が最初に登場するのは新約聖書だ。旧約聖書の大部分は暗号で書かれているとカバラ主義者は主張した。聖書の記述が混乱したものに見えるのはそのためだ。しかし暗号が解かれるや、すべての記述は意味を持ち、神の真実が開示されるってな」
「暗号…ですか?」
「新約聖書はそれ自体、実際に名前と数字の対応を見いだす行為を促してる。ヨハネの黙示録十三章十一節『私はまた、もう一匹の獣が地中から上がって来るのを見た。この獣は、子羊の角に似た二本の角があって、竜のようにものを言っていた』続く七つの詩句で、この獣が666と関連する人物だって事が知らされる。『ここに知恵が必要である。賢い人は獣の数字にどのような意味があるかを考えるが良い。数字は人間を指している。そして、数字は666である』ってな」
「666って人間を指してたんですか」
「それって誰なんすか?」
しっかりとはわからないがおおよそ聞きとれた単語から疑問を口にした。
「アンチキリスト、または偽りのメシア」
「偽りのメシア?」
「聖書の時代で偽りのメシアったらローマ帝国だ。ローマ帝国は皇帝崇拝と僧職制を完成た事で一種の異教を制度化して神に挑戦しやがったってな」
「はあ…」
「ローマ皇帝ネロがこの獣だって言う奴もいたが、ネロの名前から666をひねり出すのは結構手間なんだよ。ネロの名前をギリシア語で書きネロン、それに皇帝の称号カエサルを加えてネロン・カエサル。それをヘブライ文字に直して各文字に対応する数字を当てたら666だ」
「や、ややこしいですね…」
「わけわかんねぇ…」
「時の法王レオ十世を論難する為に名前が666になるようねじ曲げた解釈をした奴もいたしな。十世をラテン語に直してDECIMVS、LEO DECIMVSからローマ数字を意味するL、D、C、I、M、 Vを拾い上げ、十世のXを加えて、ローマ数字に置き換えたら1666で1000多くなる。この文字列から神秘を取り除きゃあ良いとなったわけだ。神秘を意味するミステリウムのMは1000だからな。これで666はアイツだって言ったわけだ」
「いくらなんでも無理やり過ぎでしょう…」
「ま、そんな無理やりこじつけなくても法王の尊称の一つの『神の子の代理人』VicariusFiliiDeiをローマ数字に置き換えて計算すりゃあV(5)+I(1)+C(100)+I(1)+U(5)+I(1)+L(50)+I(1)+I(1)+D(500)+I(1)=666ってわけだ」
「うげぇ!も~ワケわかんねー!」
「頭こんがらがりMAX…」
「もう数字聞きたくねぇ…」
「あ!そう言えば今日は12日だよな?!駅前商店街のラーメン屋行こうぜ!山九って店」
蛭魔の訳のわからない説明にうんざりした顔つきのメンバーの中において黒木だけが元気な声を発した。
続く
蛭魔のお誕生日ねつ造話です★
さて、このお話では 私は蛭魔の誕生日を何日にする予定かわかりました?
一応、このお話の中だけでの お誕生日です★
蛭魔の誕生日はいつなんでしょうね?
私としてはしし座が希望v
男子のしし座の誕生日って格好良いと思うのですvv
私の勝手な好みですが★
posted by 春海 さな
at 23:19:06 │
EDIT
ようやく書きました。
書いた後は毎回、こんなで良いのか?って思います。
う~ん 良いのか?
あんまし良くない気もするけど 今の私にはこんなものしか書けんのですよ★
日々精進です!
気がつけばカウンターが13000超えてました!
あわわわわわ~~
記念小説書かなくっちゃ!!
頑張ります!
ネタは浮かんだのでなんとか文字に書き起こします。
ふぁいと~~!

噂の二人 (後)
あれから数週間―――。
数日は落ち込んでいた鈴音も今は持ち前の明るさですっかり元気を取り戻していた。
「YA―HA―――!!」
今日、泥門にやって来た鈴音はなんだかいつも以上に元気に見える。
何があったのかな?
…なんか嫌な予感がする。
とってもご機嫌な鈴音は部活の間中、何かしゃべりたくてウズウズしている様子だったけど、これと言って話しかけて来ることはなかった。
「セナ!ドーナツ食べに行こうよ!今日は私が奢るから!」
部活が終わったと同時に満面の笑みを浮かべて誘って来た鈴音からは"逃さないわよ"って雰囲気がありありで…
「うん。良いよ」
少し逃げ腰になりながらもそう返すしかなかった。
ご機嫌でお気に入りのドーナツを頬張る鈴音はリスの様で可愛いなぁと素直に思える。
だけど、この後、鈴音の口からどんな言葉が飛び出すのか考えるとドーナツがやけにパサついて喉を通らない気がして僕はひたすらコーヒーをチビチビ飲んだ。
一つ目のドーナツを食べ終えた鈴音は少し落ち着いた様子でミルクティを飲みながら本題を切り出した。
「昨日ね、久しぶりにまも姐に電話したの」
「へ、へぇ。電話したんだ。まも姉ちゃん元気だった?」
「うん。練習試合とかが続くから息つく暇も無いって笑ってたよ」
「そうなんだ…ははは」
「それでねそれでね!」
鈴音が目を輝かせて乗り出して来る。
「聞いてよセナ!」
「う、うん。聞いてるよ」
「まも姐、付き合てる人がいるって言ったじゃない?」
「うん。聞いた」
「まも姐ね、その人と別れたんだって!YA――HA―――!」
「鈴音、しー!声大きいよ」
「あ、ゴメン」
自分のテンションの高さに気付いた鈴音はエヘヘと笑いながらまもりとの電話の内容を話し始めた。
「彼氏?やだぁ鈴音ちゃん。別に付き合ってるって訳じゃなかったのよ?誘われて何度か一緒に出かけたけど。それだけよ?」
「そうなの?」
「出かけるって言っても部の買い出し兼ねてたりだったし、出かけてる間もしょっちゅう蛭魔君から電話かかってきたりかけたりしてたからあまり二人っきりって雰囲気じゃなかったし、お弁当作りましょうか?って言ったら『大変だろうからいいよ』って断られたし」
「えー!まも姐の手料理断ったの?!」
「うん。蛭魔君のお弁当も作ってるついでだから全然大変じゃないって言ったんだけどね」
「…あ、そう言ったんだ…」
「そのうちあまり会う事がなくなってね、先日バッタリ駅前の商店街で会ったんだけど可愛い彼女と一緒でね、最近付き合い始めたんだって幸せそうに笑ってたわ。だから私とは別に付き合いたいとかじゃなかったんだと思うのよ。気楽に出かけれる友人って感じだったんじゃないかな」
まもりの声には全く刺は感じられない。
心の底からそう思っているのが伝わってくる。
鈴音は名前も知らぬ、まもりに片思いしていた誰かさんに少し同情した。
「…って、わけだったの!」
「はははははは…」
鈴音の話しを聞いて、僕は無気力に笑うことしかできなかった。
まもり姉ちゃん…相変わらずだなぁ…。
確かにまもり姉ちゃんはもてる。
もてるけど当のまもり姉ちゃんはその事に気付いてない。
自分に好意を寄せている人に対して親切な人だとか優しい人だとか、その程度にしか思っていない。
超のつく鈍さだ。
きっと、まもり姉ちゃんは人に親切にするのが当たり前だから、人が自分に対して色々やってくれる事の裏に下心があるなんて思い付きもしないんだろうな…。
「何のかんの言ってもやっぱりまも姐には妖一兄だよね!まも姐が気付いてないだけでまも姐の生活に妖一兄の存在ってもう欠かせなくなってると思うんだよね!」
「ははははは…」
目をキラキラさせて盛り上がってる鈴音に、やはり僕はひきつった笑顔を返すしかできなかった。
まもり姉ちゃんが自分へむけられた愛情に気付いた時、まもり姉ちゃんはどうなるだろう?
相手は鈴音の希望通り蛭魔さんになるかどうかはわからないけど、まもり姉ちゃんも鈴音も、みんな笑顔でいられたら良いな。
そう考えて、僕はようやく自然に笑顔を浮かべれた。
END
長々と引っ張ってしまって・・・・。
この眠さはなんなのでしょうか?
春の魔力!?
ようやく書きあげたので 今は2本、同時進行で書いてます。
どちらか 13000記念としてUPしようと思ってます。
どっちが早く書きあげれるか?
……早く書きあげなきゃね★
posted by 春海 さな
at 23:44:40 │
EDIT
もうそろそろ 何か書かねばと、思いついたまま書き始めて…時間切れで途中になっちゃった

噂の二人 (前)
「今日はなんだか元気無いみたいだけどどうかしたの?」
蛭魔さんやまもり姉ちゃんが卒業して早3ヶ月。
僕達は最上級生になった。
鈴音は相変わらず放課後に泥門にやって来て色々と雑務を手伝ってくれている。
今日もいつものように泥門に顔を出した鈴音だったけど、いつもと違い今日の鈴音は元気がなく、落ち込んでいるのがありありとわかった。
だから少し心配になった僕は部活終了後に思いきって鈴音に聞いてみた。
「何かあったの?」
「うん…実はね…昨日、久しぶりにまも姐に電話したんだ・・・」
「まもり姉ちゃんに?まもり姉ちゃんがどうかしたの?!」
鈴音の沈んだ口調から鈴音が落ち込んでいる原因はまも姉ちゃんだと分かった。
いつも元気な鈴音が落ち込む程の何が二人の間にあったのか不安がよぎった。
「うん。まも姐ね……彼氏が出来たんだって」
「はあぁ?!」
鈴音の口から思いもよらない言葉を聞いて僕の脳は一瞬フリーズしてしまった。
「ま、ま、ま、まも姉ちゃん、蛭魔さんと付き合いだしたのぉ?!」
「それだったらYA-YA-!って大喜びだよ!」
「えっ、そうなの?」
「そうだよっ!まも姐は絶対に妖一兄とだと思ってたのにぃー!」
「そ、それも良いんだか悪いんだかどんなんだかだけど…」
「お互いわかりあってるって言うか自然って言うかスッゴくお似合いじゃない!なのに…なのに…」
「本当にまも姉ちゃん付き合ってる人がいるって言ったの?」
「はっきり付き合ってるとは言わなかったけど、付き合って欲しいって言われてて休みの日とか一緒に出かけたりするって言ってた。それって、もうほぼ付き合ってるってことじゃない!?妖一兄じゃないのに!」
「うん。鈴音の気持ちもわかるけど人の気持ちはそれぞれだし、タイミングとか縁って有るし、まも姉ちゃんが蛭魔さんじゃない誰かと付き合いだしたとしてもしょうがないよ」
「うん。わかってはいるんだけどね。ショックな気持ちは抑えられないんだ…」
「…帰りに鈴音の好きなアイスクリーム屋さん行こうよ。僕が奢るから元気だして。ね?」
「うん。ありがとうねセナ」
部活を終えた僕達は一緒に鈴音のお気に入りのアイスクリーム屋さんへと向かった。
続く
・・・・・・・・・・・すみません。
ショートなお話が書きたくて書2き始めたクセに こんな短いお話ですら1日で書きあげれませんでした★
もう少しだってのにね・・・。
しかも、小説UPし忘れちゃってて・・・・お馬鹿ボン★
ボケ過ぎ反省!!