posted by 春海 さな
at 23:36:19 │
EDIT
なんとか書きあげましたー!
本当になんとか・・・・。
もう少しすんなりまとまったお話になるハズだったのに 文才が無いと文章が読み辛くてダメですね。
えっと、でも、一応、これがカウンター17000記念小説って事で★
さて、余裕を持って 18000を書かねば!
バースデイ 後編
「何でいきなりラーメンなんだよ?」
十文字が黒木にうろんな視線を投げる。
「あそこのラーメン屋毎月12は山九ラーメン半額なんだよ!」
「なんでそんな中途半端な日にちなんだ?」
「店名が『さんきゅう』で、3と9を足して12日なんだとよ」
十文字の疑問に戸叶が答える。
「そんななら3日と9日にすりゃ良いのによ」
「2日もやったら商売上がったりなんじゃね?」
「どうすんだよ?行く奴!」
のんびり会話する十文字と戸叶に黒木はしびれを切らす。
もう黒木の心は此処にあらず。
ラーメンの事しか頭には無い。
「行く!」
「俺も!」
「Ya―!行く行く!セナも行こ!」
次々にラーメン屋に行くとメンバー達が手を挙げる。
「うん。まもり姉ちゃんは?」
「私はまだ片付けしなきゃいけないから、みんなで行って来て」
「蛭魔~行こうよ」
「行かね」
「え~」
「まあ栗田。蛭魔も色々用事があんだ。放っといてやれ」
「糞ジジイ。その気味悪りぃ含み笑いはなんだ?」
「じゃあ蛭魔、また明日ね!」
「ケッ。とっとと帰りやがれ!」
「それじゃ、お先に!」
「また明日!」
「お疲れ様でした」
「ちーす!」
賑やかな部員達の声が徐々に遠ざかり、蛭魔とまもりだけになった部室には静けさが戻った。
「誤魔化したでしょう」
「あん?」
片付けをしながら話しかけてきたまもりの声は何気無さを装おってはいるが少なからず怒りを含んでいるのがわかる。
「小難しいこと言ってみんなを煙に巻いたでしょう」
「別にィ」
「蛭魔君の誕生日ってそんなに隠さなきゃいけない事?そんなにみんなが信用できない?」
「言わなきゃならねぇ事でもねぇだろ」
「…私達って付き合ってるのよね?」
「らしいな」
「彼女にも教えられない事?」
「自分で考えやがれ」
「えっ?」
「ヒントはくれてやっただろうが」
そう言うと蛭魔はパソコンを片付け始めた。
「ヒント?えぇ?何だったの?」
困惑するまもりをよそに蛭魔は帰る準備をさっさと済ませた。
「おら、帰んぞ」
「えっ?!あ、ちょっと待ってよ!」
まもりも慌て帰る準備を始めた。
「完全数についてでしょう?素数についてでしょう?666についてでしょう?」
ヒントは何だったのかぶつぶつ呟きながら隣を歩くまもりに蛭魔はうんざりした視線を向ける。
「誕生日なんざいつでも良いだろうが」
「よくありません!絶対、蛭魔君の誕生日当てるんだから!」
「ケッ。面倒臭ぇ奴」
「そう思うなら素直に誕生日教えてくれれば良いじゃない」
「やなこった」
「減るもんじゃなし」
「減ったらどうする」
「減りません!だいたい何が減るって言うのよ」
「寿命」
「蛭魔君の寿命なんて無駄に長そうだから少しくらい減った方が世の為、人の為じゃない?」
「余計なお世話だ」
「…ねぇ。お祝いしてもらったら本当に寿命が減ると思ってる?」
「んっなワケねぇだろ。あ、でもマジで減るかもしれねえなぁ。横で胸糞悪ィ砂糖の固まり馬鹿みてぇにむさぼられた日にはストレスで。」
「もう!じゃあ蛭魔君の誕生日にはケーキ絶対用意しないから教えて」
「自分で考えるんじゃなかったのか?」
「だって…ヒントがどれかすらわからないんですもの」
「誕生日なんざ知って何が楽しんだ?そんなに占いがしてえか?」
「占いじゃないの!好きな人の誕生日には一緒にお祝いしたいじゃない?おめでとうって言いたいじゃない」
「…ケッ。おめでとうの言葉も祝うのも一年に一度で良んだよ」
「だから誕生日…」
「違ェよ。今年まではクリスマスだったが来年からは正月だ」
「今年までクリスマスで、来年からは正月?」
突然のなぞなぞにしばしまもりは考えこむ。
「…あ、ライスボウル!」
「祝うのは一年に一度、それで良い」
「そりゃあそう出来れば一番だけど…」
「そうなるようにあらゆる手を尽くすんだろうが」
「うん。そうね」
二人は電車に乗り込む。
付き合う前から二人だけで居残りした時は蛭魔が家まで送ってくれていた。
付き合い始めてからはこの時間がかけがえのない時間になった。
夕闇に包まれた街並みを眺めながら幸せを感じていたまもりだったが、はたと気付いた。
「もしかして、私も誤魔化された!?」
「あん?」
「蛭魔君の誕生日はいつか!」
「まだ言うか?しつけぇ女だな」
「当たり前でしょ!」
「何が?」
「だって、好きな人の事は何でも知りたいものじゃない」
「そうかぁ?」
「そうです!蛭魔君だって私の事色々知りたいでしょ?だからチアの服着てる写真やシュークリーム食べてる写真とか、色々パソコンに保存してるんでしょ?」
「…はぁ?違ェよ。あれは脅迫ネタだろうが」
「脅迫の必要なんてないのに?じゃあ消去してくれる?」
「……」
「ね?だから秘密の交換ってことで教えて?」
「…割りに合わねェ」
電車は駅に到着した。
ドアが開き、降りる人の流れに乗って蛭魔もさっさと電車を降りて行った。
「やっぱり駄目かぁ…」
ため息をついた後、まもりは急いで蛭魔の後に続いた。
駅から家までの道のりはお互い無言だった。
たまにチラリと視線を向けて見るが蛭魔はひたすら無表情で前を見て歩いている。
後少しで家に着く。
こんな空気のまま別れたくはないまもりはもう一度ため息をついて気持ちに区切りをつけた。
「そんなに嫌ならもう聞かないから…。その代わり、毎年、お祝いできるように頑張ろうね」
ニコリと笑顔を向けると蛭魔は意外そうな顔をした。
「送ってくれてありがとう。じゃ、また明日ね」
「おい」
門をくぐったまもりを蛭魔が呼び止めた。
「ヒントはギリシア人が知ってた完全数だ。じゃあな」
それだけ言うと蛭魔は踵を返した。
「!」
玄関に手をかけたまもりが再び門まで戻った時には、すでに蛭魔はかなり遠くなっていた。
「蛭魔君!その日はライスボウルの前祝いやろうね!」
まもりの大きな声に蛭魔は一瞬、足を止めたが振り返る事はなく挙げた手を数度振って帰って行った。
まもりは自分の部屋に入ると赤ペンを取り出しカレンダーの6月28日の所に大きな花丸を書き込み指でなぞってみる。
蛭魔の誕生日まで後少し。
プレゼントは何が良いか。
どんなお祝いをしようか。
しばらく楽しくて忙しい日が続きそうな予感にまもりは微笑んだ。
END
え~っと今回のお話で使った蛭魔の誕生日は6月28日でした★
ギリシア人は 完全数の6と28を発見したのです。
ようするにギリシア人の知ってた完全数は6と28の2つなのです★
28の約数は1、2、4、7、14で足し合わせると28.
6や28が持つ完全性は聖書の注釈者たちによれば宇宙の構造に反映されてるらしいです。
神は6日で世界を創造したし、月は28日かけて地球を1周するって★
聖アウグスティヌスは「6はそれ自体で完全な数である。神が万物を6日で想像したからではなく、むしろ逆が真。この数が完全だから神は6日で万物を創造した。
例え六日間のみわざがなかったとしても6は完全であり続けただろう」と言ったとか。
なんだか とっても蛭魔っぽかったので 6と28を使って 蛭魔の誕生日は6月28日って設定を今回はねつ造しました★
・・・・でも、6月28日って 私の妹の誕生日なんだよね・・・・。
今回、このお話を考えたのはある本を図書館で借りたのがきっかけでした。
それはポール・ホフマン著『数学の悦楽と罠』って本です。
妹には「なんで そんな本読んでんの?」と呆れられましたが・・・・ちょっと興味をそそられて・・・。
このサイトを開設した頃の日記のどこかに「NHKの番組が面白かったから 素数についてのお話を書きたい」だか書いてると思うのですよ。
本当に面白い番組で、その番組のタイトルだか サブタイトルだかに この本の中で使われてるタイトルと似たようなタイトルが使われてまして・・・
そのタイトルってのは『悪魔の数に魅せられた男たち』ってのだったんですよ。
同じ素数についての本だったので もしかしたら この本が あの番組の元なのかも?って思って借りたのが始まりなのです。
これも何かの縁だ!ってことで 本の内容でお話を作ってみたのですが・・・
わけのわからんもんになっちゃったような・・・・。
わかりました?
文才の無さがもどかしいっす!
もっと素敵に表現したかったんですけど~・・・。
次回は可愛いお話を頑張ります!・・・・ので見捨てないで下さいね~~~。

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