CLUB 9 (6)
部屋に押し込まれたまもりは突き飛ばされ、中央にドンと鎮座した豪華なソファーへと倒れこんだ。
ショウは薄明かりだけつけるとソファーに倒れているまもりに勢い良くのし掛かった。
力の入らない腕ではのし掛かって来る男に抵抗らしい抵抗をすることは出来ず、ショウはそんなまもりの抵抗をニヤニヤ笑いながら受け流すとまもりの服に手をかけた。
右手でひとつひとつブラウスのボタンをはずされ、左手でスカートを捲られる。
幸いレギンスを履いていたが、すぐにレギンスの薄い生地に指がかかる。
まもりはこれから自分の身に襲いかかるであろう出来事に青ざめてなんとかこの場から逃げようと抵抗を強めてみるが、相手は歯牙にもかけない。
恐怖で助けを呼ぶ声もロクに出てはくれない。
まもりは絶望感に身を震わせながら歯を食い縛り心の中でひたすら蛭魔を呼んだ。
突然、部屋の照明が一気につき、眩しさにまもりは目がくらんだ。
ショウは何事かと驚き入り口を振り返った。
ジャキッ
振り返ったショウの額に鈍く光った銃口が突き付けられた。
「楽しいことしてるじゃないデスカ」
さも愉快だと言わんばかりの声音だが、銃を自分の額に押し付けた男の目は笑ってはいない事を瞬時に察知し、ショウの背筋に一気に悪寒が走った。
ショウはこの男を知っていた。
話した事はないがクラブの常連でかなりヤバイ奴だと噂で聞いた事がある。
「あ、いや…彼女が体調を崩したから介抱しようとしただけで別に何かしようなんてやましい気持ちは…」
保身の為にあきらかな嘘を吐くショウの言葉に銃を突き付けた男のこめかみに青筋が浮かぶ。
ショウの首根っこをつかみ、まもりの上から引き剥がすとおもいっきり蹴飛ばした。
いともたやすくショウは部屋の隅へと吹っ飛んだ。
「糞虫野郎、今すぐ出て行きやがれ。今度その面見た時は容赦しねえからな」
「は、はいぃっ!」
仁王立ちで自分を見下ろす男からは凄まじい殺気が放たれており、恐怖で身がすくんだショウはうまく呂律が回らない。
「失せろ」
「ひぃぃぃぃぃ!!」
地の底から響くような怒りを抑えた声にショウの恐怖は極限に達し、足をもつれさせ、何度も転げながらほうほうの体で逃げて行った。
続く
短いですがここで・・・逃げ!!

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