ゴールデンタイムラバー3
ずらりと並んだ屋台に、祭りはにぎやかさを増してきた。
泥門メンバーたちもそれぞれ屋台を冷やかしながら祭りを楽しんでいた。
モン太は両手いっぱいチョコバナナを買い、鈴音はわたあめ、セナはフランクフルトをワイワイと楽しそうに食べている。
焼き鳥をたべている十文字と、いか焼きを食べている戸叶が、黒木のたこ焼きを横から奪い、わあわあとじゃれあい騒いでいる。
栗田は小結と二人、片っ端から屋台を制覇していて、そんな二人について回っているだけでお腹いっぱいな気分になった雪光は冷えきったフレンチドッグをもて余している。
そんなメンバーを少し離れた所でまもりと、武蔵と、蛭魔が眺めていた。
「みんな楽しそうね。石丸君も来れたら良かったのに」
「バイトが抜けれないって言ってたな」
「残念よね」
「姉崎もちょっと残念だったんじゃないのか?」
「えっ?」
「いや、その浴衣似合ってるな」
「えっ、あ、ありがとう」
武蔵に褒められてほんのり頬を染めたまもりはなんとも可憐で、思わず見惚れてしまう程だが、つまらなそうにそっぽを向いていた蛭魔が見ることはなかった。
「まも姐――!来て来てぇ!射的の景品にロケットベアのぬいぐるみがあるよ――!」
「えっ!ロケットベア!!」
鈴音の呼ぶ声にまもりは一目散に走って行く。
取り残された蛭魔はあっけにとられ、武蔵は苦笑を浮かべた。
「わー、あんなロケットベア、初めて見た!」
黒の革じゃんにピアスなパンクファッションのロケットベアを見たメンバーは、一目でパチモノだと思ったが、パチモノだろうがなんだろうが、まもりと鈴音には関係無いらしい。
「でしょでしょ?私はねぇ、あっちのパンダ軍曹が欲しいの!」
鈴音が指差す方を見ると、そこには最近、ロケットベアのライバルとして登場した敵キャラのパンダ軍曹が、何故かいつもの真っ赤な軍服ではなく、派手なアロハに麦わら帽子と言うやたらリラックスした格好でくつろいでいた。
もう本当に絶対パチモノ間違い無しとメンバーは確信した。
「まも姐は妖一兄にとってもらえば良いじゃない!ねえねえセナ!パンダ軍曹とって!ね?お願い!」
「「えっ…」」
あっけらかんと思い付きを口走った鈴音に思わずまもりとセナの驚きの声がハモった。
「いやいやいや、待て待て待て。まもりさんには、この漢・雷門太郎が見事とって捧げます!」
「「「………」」」
鼻息も荒く、いつもの決めポーズをして自分の世界に浸っているモン太に、誰も口には出さなかったが、ノーコンには無理だと考えていることは一緒だった。
続く
うふふ~
一度は書いてみたい 射的ネタv
やっぱりモン太いは無理なんじゃないかと思う★

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