「おい!てめえ 何考えてやがる!?」
「何が?」
「何がじゃねえ。てめえの進路だ」
「あぁ」
今朝、まもりは進路調査書を提出した。
朝、先生に提出したばかりだというのに、もうすでに蛭魔が情報を仕入れているなんて、この学校の個人情報の管理はどうなっているのかとため息が出てしまう。
「あぁじゃねえ。何考えてるって言ってんだ」
「自分の好きにしやがれって言ったのは蛭魔君でしょ?だから好きにしたのよ」
「だからって なんで最京大なんだ?」
「最京大って設備も整ってて、教授も素晴らしいらしくて、いろいろと新しい取り組みもしてるそうだし、学食も美味しいって評判だし、周りの環境も良いし・・・」
「最京は関西だぞ?」
「・・・・だって・・・・しょうがないじゃない。私は最京大アメフト部のマネージャーがしたいんだもの」
「・・・・・・・」
「ちょ、ちょっと!そんな変な顔しないでよ!」
「いや~、見上げたどっれい根性だな」
「奴隷じゃありません!自分の意志です!」
「ケケケ。そんなに俺と離れたくなかったか?」
「・・・・・・」
「オイ、黙るなよ。気持ち悪ぃな」
「うーん。結局そういうことなのかもって思って」
「ハァ?」
「あ、なんだかその言い方って十文字君みたい」
「笑うな。そういうことってなんだ?」
「そう言うことはそういう事よ。蛭魔君が最京大に行くって聞いて 最京大ってど
んな大学なんだろうって思って色々調べてみたの。で、なんだか良さそうな大学だったから
私も最京大に行こうかなって考えるようになったの。だけど、そう思った根っこにあったのはまだ蛭魔君と一緒にアメフトがしたいって思いがあったからかなぁって・・・」
「・・・・・・」
「ちょっと蛭魔君、黙らないでよ」
「アメフトねぇ・・・」
「・・・・そうよ。アメフトを一緒にやりたいんです」
「いやぁ~、俺はてっきり俺に惚れてるからかと思いましたヨ」
「・・・・・・・」
「チョットぉ~、そんな変な顔しないでヨ」
「う、うるさい!人の声色マネしないでよ!」
「顔、真っ赤ですヨ?」
「ほっといてよ!」
「素直じゃないですねぇ~」
「蛭魔君にだけは言われたくない!」
「あ?俺は素直なモンだぞ?いやぁ~、大学でも姉崎さんと一緒にアメフトできるなんて、ぼかぁ~幸せだナァ~」
「・・・・すっごい棒読みじゃない。全然心がこもってません!」
「いちいちウルセー女だな」
「当然の抗議です!」
「姉崎、愛してる」
「!!?」
「真っ赤ですヨ?」
「蛭魔君が突然変なこというからでしょ!?」
「愛の告白は変なことじゃねえだろう?」
「そ、そうだけど、まさか蛭魔君がそんなこと言うなんて思いもしないじゃない!?」
「で?返事はどうした?」
「・・・・からかってるんじゃなくて?」
「てめえが心がこもってねえって言うからこめてやったんだろうが」
「なんだか押しつけがましい・・・」
「てめぇ、上等じゃねえか」
ジャキンと軽快な音をさせて蛭魔はいつの間に取り出したのか手にしたマシンガンの照準をまもりに合わせた。
「ウソ嘘うそ!」
無かられた銃口にまもりは慌てて両手を振った。
「えっとぉ・・・・あのね。突然だから驚いちゃって・・・その・・あのぉ・・・」
顔を真っ赤にして言葉を探すまもりを蛭魔は無言で見つめて居いる。
うっ・・・これは絶対 返事しなきゃダメなのよね・・・?
蛭魔君、返事待ってるのよね・・・?
声を出そうと口を開くがパクパクするだけで まもりは声を発することができなかった。
今まで何度も受けてきた告白のお断りは申し訳なさから毎回 戸惑い口調になっていた。
そのたび、これが好きな人からの告白ならきっとよどみなく答えを返せると思っていたのに。
実際は口からは音すら出せない状態で、焦る気持ちからまもりの頭の中はパニックを起こした。
頭の中が真っ白になってジワリと涙がにじむ。
とっさに下を向いたまもりの耳に蛭魔のため息とマシンガンを台に置く音が聞こえた。
自分のふがいなさにあふれた涙で視界がにじむ。
口を開いたら嗚咽が出そうで、まもりは口を開くことすら出来なくなって、ひたすら自分のつま先を見つめた。
ふいに自分のつま先に蛭魔の影がかかったと思った瞬間、まもりは蛭魔のぬくもりに包まれていた。
「別に焦ることはねえよ。今更だ」
耳元でささやかれる蛭魔の声に心臓はバクバクと早鐘を打ちながらも、心は落ち着いていくのを感じた。
「卒業しても同じ大学行くんなら終わりじゃねえだろ?」
コクンとまもりは小さく頷くと蛭魔の胸に身体を預けた。
息を吸うと蛭魔のにおいがする。
とても良い匂いで、いつまでも感じていたい、幸せな気持ちになると同時に胸の奥がキュンキュンして切なくなる匂いだ。
まもりはためらいがちにそっと蛭魔の背中に手を回すと、自然と唇から「好き」と言葉が溢れた。
それはとても小さな声だったが蛭魔の耳にはしっかり届いた。
その言葉への返答のように蛭魔はまもりを抱きしめる腕に力を込めた。
「・・・すき・・・好き、好き」
想いが溢れて止まらなくなったように小さな声でまもりは何度も繰り返した。
そんなまもりの頭に手を添えると 蛭魔は守りの顔を自分の胸へと埋めさせてこれ以上ないほど密着させると「愛してる」と囁いた。
その瞬間、まもりは背筋を蕩ける様な甘い痺れが走った。
そろそろと顔を上げると真剣なまなざしの蛭魔と目があって・・・。
どちらともなく自然と引き寄せられるようにキスをした______。
終わり
ノートパソコンってキー打ちにくい!!
慣れてないからだろうけど・・・。
携帯に書いた文章を、もう一度 パソコンで打ち直さなきゃいけないのがキツイ~!
どうにかならないかな・・・。
今回は甘くしたつもりだったんですが・・・
甘くなってますか?
甘いと感じてもらえたら良いな~。

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