posted by 春海 さな
at 08:15:30 │
EDIT
ようやく最後までUP!
こんな短い話を3日わけてUPしなきゃならんなんて・・・。
何が悪いんだか。
家の前の川津桜が満開ですv
キレイはキレイだけど、やっぱり桜はソメイヨシノですな~~。
お花見ネタで何か・・・かけたら良いな~。
書きかけのお話も最後まで書き上げなきゃな~~~。
VS VD(後)
受け取った蛭魔は見事な指さばきで綺麗にラッピングをとくと、なかからたった一粒だけ入っていたアメフトのボールの型をしたチョコレートを取り出した。
それをフンと鼻を鳴らして見た後、おもむろに自分の口へと放りこんだ。
そんな蛭魔に驚きのあまりまもりは声をあげた。
「あ!」
「なんか文句あんのか?」
ジロリと睨む蛭魔にまもりは慌てて弁解する。
「いや、だって、それチョコレートよ?」
「だから?」
「食べても大丈夫なの?」
「生憎チョコアレルギーはねえなぁ」
「だって蛭魔君、甘いもの嫌いじゃない」
「てめえのせいで疲れたって言ってんだろうが。体力回復にはチョコが手っ取り早えんだよ」
「それはそうだけど…」
納得いかない顔をするまもりを一瞥すると蛭魔はまもりのすぐ後ろにある扉にドンと手をついた。
気が付けば蛭魔の腕はまもりの顔のすぐわきにあり、まもり自身は扉と蛭魔の間に挟まれたいわゆる壁ドン状態で、まもりは一気に頬が熱くなるのを感じた。
「えっと…あのぉ…蛭魔君?」
「黙れ糞マネ」
「……」
「ベンチに居ろ」
耳元で囁かれた言葉の内容をまもりは一瞬理解出来なかった。
「ベンチでしっかりきっちり俺達が勝利するのを観てろ」
力強い蛭魔の声にまもりの背筋にしびれが走る。
「てめえは使える女なんだから」
断言された言葉の中にどこか甘さを感じてまもりはうつむきかげんだった顔をあげ蛭魔を見た。
視線があった瞬間、蛭魔の顔が近づいて来て二人はキスしていた。
最初は触れるだけの優しいものだったのが、徐々に角度をかえて深いものへと変わって来る。
崩れ落ちそうな膝に思わずまもりは蛭魔にしがみつく。
蛭魔もまもりを強く抱きしめ返し、二人はこれ以上ないほど密着した。
遠慮を知らない蛭魔の舌にさんざん好き勝手蹂躙された後、まもりの唇はようやく解放された。
崩れ落ちそうなまもりの腰を蛭魔は軽々と抱き止める。
キスから解放されたまもりは深い吐息をつく。
「…苦い……」
ポツリとまもりが呟いた言葉に蛭魔の口角が上がる。
「世の中甘え事ばっかじゃねんだよ糞マネ」
「う~。もう苦いチョコなんて作らない。来年のチョコは絶対甘くする」
むーっと頬をふくらませるまもりに蛭魔はますます笑みを深めて「来年も味見させてやるよ」と囁いた。
終わり

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