Syncopation Love 5
グラスを持ってリビングへ戻ると、蛭魔はパソコンを開いて何やら操作していた。
ソファー半分のスペースとサイドテーブルの上にわずかなスペースが空いてるいる。
どうやら蛭魔が片付けてくれたらしい。と、言っても、テーブルの上の雑誌類を少し端によけただけなのだが。
蛭魔の隣に座り、牛乳の入ったグラスに缶コーヒーのコーヒーを注いだ。
「ガキ」
隣りの蛭魔がまもりの怒りが再燃しそうな事を言った。
当然、まもりはカチンと来る。
「嗜好の違いであって、ブラック飲めたら大人で、飲めなきゃ子供ってわけじゃないでしょ?!大体、蛭魔君が大人だって言うなら問題解決はちゃんと言葉でして下さい!あんな事してうやむやにごまかして終らせようなんて、そう言うのが大人なわけ?!」
「うるせー」
「ほら。都合が悪くなったらすぐに『うるせー』。蛭魔君こそお子様じゃない」
「お子様で悪ぃか」
「開き直るの!?…えっ」
次の瞬間、まもりは突然身体の向きを変えた蛭魔にソファーに押し倒されのしかかられていた。
「ひ…蛭魔君?ちょ…ちょっと!?」
首筋に顔を埋め、制服の中に手を差し込んできた蛭魔にまもりは少々、パニックを起こしながらもジタバタと暴れて抵抗した。
「ちょっと!?何しようって言うのよ!?」
「何って…ナニだろ」
「ちょっと待って!タイム!タイムってば!!」
「こんな時にタイムもねえだろうが」
「有ります!有りです!」
呆れたようなため息を一つつくと蛭魔は動くのを止めて顔をあげた。
まもりは今にもくっつきそうな位置にある蛭魔の顔を睨み付ける。
「嫌!なんでこんな事するの?!誤魔化さないで!!馬鹿にしないでよ!」
「別に馬鹿になんかしてねー」
「してる!だからいきなりキスして誤魔化そうとかするんでしょ!?こんな事……ひどいよ…」
まもりはじわりと涙が溢れるのを感じた。
「……しょうがねえだろ」
「何がしょうがないのよ…」
「てめえの怒った顔にそそられちまったんだから…」
「…は?」
「…糞!制御が効かなかったんだよ!」
「何が?」
「…………。はぁ…」
蛭魔の顔が一気に脱力したものになった。
「な、何よ!?ちゃんと説明してくれなきゃわからないじゃない」
「そんな事、いちいち説明することか!?」
「そんな事 言ったってわからないから聞いてるんじゃない」
「糞!俺もガキだがてめえも大概ガキだな」
「な、なんでよ」
「お子様にわかるように説明してやるよ!良く聞けよ!?」
「うん」
「あの時キスしたのはてめえを馬鹿にしてるからでも、誤魔化して終わらす為でもねえ。てめえの怒った顔に欲情したからだって言ってんだ!」
「えっ…」
「害虫駆除って意味も少しはあったが、衝動が止められなかったんだよ!」
「どうして?」
「どうしてだ?そんなの決まってんだろ」
「どうして?」
「てめえ、そこまで俺に言わせるのか?」
「聞きたい。ちゃんと蛭魔君の口から」
「だ―――ッ、糞!」
蛭魔は髪の毛をかきむしりたい衝動を抑え、一つ息をつき身体を起こすとやけくそとばかりに口をひらいた。
「てめえが好きだからに決まってんだろうがッ!糞!」
言うやそっぽを向いてしまった蛭魔にまもりは一瞬、あっけにとられた。
「………ねぇ、蛭魔君。もしかして……テレてる?」
「…別に!」
「だって、耳がほんのり赤いよ?」
「ほっとけ!糞!」「
やっぱりテレてるんだ」
「黙れ!照れてなんかねー!」
「ねぇねぇ蛭魔君」
「うるせー!なんだ!?」
振り返った蛭魔の頬も微かに色づいているのにまもりは気付いた。
「か…可愛い――!」
「なっ……うっ!」
蛭魔が言葉を言い終わらないうちにまもりは勢いよく蛭魔の胸に飛び込んだ。
あまりの勢いに蛭魔は一瞬、後ろに倒れかかったが、日頃から鍛え抜いた腹筋によりなんとか耐えた。
「てめえ、何しやがる!」
「だって、蛭魔君がなんだかとっても可愛いく思えちゃったんだもん!」
「はあ!?何、気色の悪い事…」
「それに嬉しいの!好きなのは私だけなんじゃないかって不安だったんだもん。ちゃんと蛭魔君の気持ちが聞けた…」
ぎゅっとしがみついてくるまもりに蛭魔は自分の中に熱い何かがせりあがって来るのを感じた。
それは愛情であり、欲情であり、強烈な衝動だった。
強くすがりつくまもりを、蛭魔はそれ以上の強い力で抱きしめた――――――。
続く
うが~~~~!!!
蛭魔さんに告白させるのって無茶テレるんですけど!?
もう逃げちゃいたい・・・・。
まもりが変な人になっちゃった★
ごめんね まもりさん。
あ、書いてるのは私なんで・・・
次回に妙な期待はしないでくださいね?
そんなモンする人いないって★

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