posted by 春海 さな
at 23:46:19 │
EDIT
ようやく映画「かぐや姫」を観ました。
かぐや姫の罪って?
どんな新解釈なのかドキドキしながら観たんだけど…
今昔物語そのままとしか思わなかったんですが…。
私の読解力のなさのせい?
今いちかぐや姫の罪がわからなかった…。
禁断の地に憧れたから??
期待して想像膨らませすぎてたのかも…。
映像は素晴らかったです。
あんな柔らかい線を描くのは大変だったでしょうね。
しかし、大昔によくあんなSF思いついたよね!
人間の想像力ってのは凄いね★
…ってワケで月にちなんだお話を考えてみました。
私の想像力は大したことないので、まあ、アレなんですが…。
少しでも楽しんで頂ければ幸いです。

月
「あ、蛭魔君見て!」
「あん?」
朝練が終わり、片付けをしていた蛭魔はまもりの声に一旦手をとめて顔を上げた。
まもりの白く細い指がさした先には青空に浮かぶ月があった。
「お月様。明るいのに月が見えるのって不思議よね。見えると良い事がありそうだよね」
「…別に、朝でも月が見えるのは太陽と月の位置と月齢によってだろ。不思議なことなんざひとつもねえ」
「それを言ったらもともこもないじゃない」
「当たり前の事を有り難がるお手軽さが信じられねえ」
「お手軽だろうと、当たり前の事だろうと、誰かと一緒に見るから特別に感じることってあるでしょ?私にとっては蛭魔君と一緒に見る事が何でも特別なの。蛭魔君はそう言う事…ない?」
少し悲し気な瞳で小首をかしげて聞かれたら、さしもの蛭魔も答えは同意するしかないわけで……。
「…糞。夜の月を楽しみにしときヤガレ」
「え?えっ?えー?!何ソレ!?闇討ちにあいそうで怖いんですけど!?」
慌てるまもりに頓着することなく蛭魔はケケケと高笑いしながらさっさと部室へ消えて行った。
「もー!なんなのよ、まったく!」
ふんと鼻でから息を吐き肩の力を抜いたまもりは再び月を見た。
空に浮かんだ月はいつの間にか今にも消えてしまいそうなほど微かに見える程度になっていた。
「夜の月…」
夜の月を見た時、何が起こるのか……
その時を想像したまもりは顔を赤くして月から視線をそらした。
終わり
お粗末様★
何が起こるでしょう…やっぱナニか…。
posted by 春海 さな
at 09:26:41 │
EDIT
7月…なっちゃった。
早い!
毎月つき始めには思うけど…一ヶ月ってあっと言う間!
最近、いただく野菜もすっかり夏野菜になりました。
もらう野菜、ダントツ1位はやはり胡瓜!
サラダに酢の物に重宝します。
最近のお気に入りは塩揉みして乙女のラー油をかけて食べるの
簡単でウマウマです。
空豆は塩ゆでで、トウモロコシは砂糖を少し加えてゆでる。
トマトは味塩。
デザート感覚なら砂糖かけるのも美味しいデスヨ。
茄子にインゲン豆にピーマンをもらったら、エリンギやカボチャ、オクラを加えて夏野菜の煮浸し!
うんまーい!
素揚げした野菜を好みに薄めためんつゆに浸けると簡単に出来ます♪
玉ねぎもいっぱいもらったから夏野菜のかき揚げも良いな。
夏野菜のカレーも好きだけど、家族は普通のカレーが好みなので作れない…。
美味しいのに~!
食べ物の話しばっかになってしまった★
ようやく続き書けました。
楽しんでいただければ幸いです。
・・・・・パソコンの調子が悪いので携帯でコメントまで書いたのが七月頭・・・
だからコメントにタイムラグが・・・。
ようやくアップできたのが七月下旬って・・・ダメダメじゃああ★
やっぱ気に入らないのでタイトルかえました★
夏休みになっても部活やら何やらで毎日学校で・・・
八月の頭が大会だから・・・
あ~頑張ろう!

ゆるぎないものひとつ(後)
「おい、糞マネ。この間のデータ」
「あぁ、ちょっと待って。はい、これ」
「おう」
「蛭魔君、コーヒー飲む?」
「おー」
蛭魔の返事を聞いてまもりはコーヒーを入れる為に席を立った。
先日のケーキバイキングでの鈴音の言葉が頭の中で幾度となく再生され、まもりはついつい蛭魔の事を意識してしまうのだが、当の蛭魔は何も変わらない。
あれこれ考えてぐるぐるしている自分とは違い平然としている蛭魔に、やはり鈴音の思い違いなのではと言う気がしてきた。
「はぁ…」
あれから何度ついたかわからないため息を小さくついて、まもりは研究に研究を重ねてたどり着いた蛭魔好みのコーヒーを入れた。
部室の狭い空間には、コーヒーの豊潤な香りが立ち込め始めた。
その香りにつられて蛭魔がファイルから目を上げた絶妙のタイミングでコーヒーが差し出される。
「ん」
コーヒーを受けとると、まず、香りを楽しんでから口をつける。
今日も文句なしの味だ。
自分の好みをいつの間にこの女が掴んだのか不思議になる。
いつの間にか情報が漏洩している。
ゆゆしき事態だが悪い気はしない。
見た目は変わらないが実は機嫌が良い蛭魔は、ふと思いついた事を口にしてみた。
「姉崎」
「はい?……え?」
名前を呼ばれたので普通に返事を返したが、自分の名前を呼んだのが蛭魔だと気付き、まもりは驚いて蛭魔を見た。
「愛してんぞ」
「………は?」
突然の思いがけない告白にまもりは頭が真っ白になりフリーズする。
蛭魔君が?
なんて言ったの?
え?
私を愛してるって?
本当に?
からかってるんじゃなくて?
体は固まっているが、まもりの頭の中は飛び込んで来た衝撃情報をなんとか処理しようとふる回転していた。
そんなまもりの事など我関せずで、蛭魔はファイルをまもりの前に差し出さした。
「ここのデータ、もう少し詳しく分析できねえか?選手別に細かく……って、おい!糞マネ!ボケてねえで人の話しちゃんと聞きヤガレ!」
「えっ?あ…うん。それはそうなんだけど…」
ようやく正気に戻ったまもりがギクシャクと動きだす。
「ったく。しゃんとしろよ。しゃんと」
「それは、だって…蛭魔君が…」
いきなりな告白に動揺しない女子なんていないわよ。
まもりは心の中でごちてみるが、当の蛭魔は告白などなかったかのようにいたって普通だ。
あの告白は自分の空耳だったのではないかと、まもりは少し戸惑う。
「俺がなんだ」
「…本当なの?」
「なにが?」
「その…さっき言ったこと」
「あ?嘘言ってどうする」
「え…でも…」
きっぱり言い切る蛭魔に、まもりは少し身を乗り出した。
しかし、蛭魔から返った答えは――――
「“でも”じゃねえ。文句言わずにデータ整理やり直せ!」
噛み合っていない会話にまもりは机に突っ伏しそうになるのをかろうじて耐えた。
「……い、いやぁ」
「嫌じゃねえ!」
「いや、違うの!私が言ってるのはデータ整理の事じゃなくて…」
「じゃなくて?」
「その前の蛭魔君の言葉…」
「俺の?」
「愛してるって…」「それがどうした」
ついさっき告白した人間とは思えない蛭魔の不遜な態度にまもりの眉ねが少しよる。
「だから…」
「だから?」
「普通そこで終わらなくない?普通は続きが…」
今度は軽く蛭魔の眉ねがよる。
「てめえは俺に普通を求めんのか?」
「いや、蛭魔君に普通を求めるのは無理だってわかってるけど…」
「普通通り告白の後に付き合いを申し込んでフラれろってか?」
「そうは言ってないけど…」
「何が不満だ」
「不満って言うか…中途半端じゃないかな…って」
「無駄な事はしない主義なモンで」
「無駄って…告白のどこが無駄なのよ!?」
「なに逆ギレしてんだ?告ったのは俺だろうが。俺は“愛してる”って言った時点で完結してんだ。その後は無駄なんだよ」
「無駄じゃありません!」
「じゃあ言葉をかえてやる。以下省略してやったんだ!毎度毎度飽きもせず、自分を好きだと告白してくれた相手をふった自己嫌悪に陥りながらちびちび糞甘いモン喰うてめえの手間を省いてやったんだ。有難く思え!」
「そんなの有難くもなんともない!」
「ああ、そーデスカ。じゃあ、さっきの発言は撤回させて頂きマス。これで文句ねえだろうが!?この話しはもう終わりだ!」
「…その程度なんだ…」
「は?」
「蛭魔君の“愛してる”は簡単に撤回できる程度のものなんだ」
「……」
「そんな程度なら“愛してる”なんて軽々しく言わないで!」
「黙れ」
「黙りません!蛭魔君の嘘つき!」
「黙れっつってんだろーが!」
「嫌です!嘘なんか聞きたくない!私は蛭魔君の本当が知りたいっ!」
「…なら教えてやる。後悔すんなよ」
そう言うや立ち上がった蛭魔はまもりの腕を掴むと壁へと追い詰めた。
ダンッ!
背後は壁、正面は蛭魔、そして両脇は蛭魔の腕に遮られ逃げ場がない状態がいとも容易く出来上がった。
蛭魔の視線に耐えきれず、まもりはうつむいた。
「愛してる」
「!」
耳元に降ってきた優しい声音に信じられない面持ちでまもりは顔を上げた。
「何べんでも言うぞ。愛してる」
「……」
蛭魔の言葉にまもりは瞳を見開くだけで、声が出せない。
「愛してる」
言葉が出ないかわりに、瞳から涙が溢れた。
それでも今度は顔をそらすことなく蛭魔を見つめ続ける。
「愛してる」
繰り返されるそれはいつしか囁くような声になり、少しずつ顔が近づいて来て――――――
二人の唇が重なる寸前にもう一度蛭魔が「愛してる」と囁いた。
「おら、帰っぞ」
部室の入り口で鍵をジャラジャラいわせている蛭魔に、まもりは急いで帰り支度をした。
「お待たせ」
「ン」
鍵をかけ、歩き出す蛭魔の隣をまもりも歩く。
先ほどキスしたことが嘘だったかのように蛭魔の態度はいつもと変わらない。
隣を歩いているだけでドキドキしている自分との違いに、あのくらいのキスは蛭魔にとってはたいした事ではなかったのではないかと疑念が湧いてくる。
『愛してる』って言ってくれたし、一応両思いなのよね?
まさか私をからかってるってないわよね?
でも蛭魔君だし…
「なに百面相してんだ?そうでなくても面白い顔が更に面白くなってんぞ?」
ニヤニヤいつもと変わらず自分をからかってくる蛭魔にまもりはドキドキしている自分が馬鹿みたいに思えて脱力感を感じた。
「蛭魔君ってわけわからない」
「てめえはわかりやすいな」
「はぁ?」
「何でもかんでも頭で考えて理路整然としなきゃ納得できねぇ」
「普通そうじゃない?」
「下手な考え休むに似たりっつーだろ。訳わかんねぇこと考えてドツボに嵌まるくらいなら覚悟だけ決めりゃ良いんだよ」
「覚悟?」
「腹さえ据えりゃ周りが四の五の言ったところでぐらつきゃしねえ。要は自分がどうしたいかだろ?」
「私が…?」
「どうしたい?」
「………彼氏と手を繋いで帰りたいです。」
うつむいてボソボソ口にした言葉も蛭魔の耳はしっかり聞き逃さない。
「おら、帰っぞ」
そう言うとまもりの腕を掴んでスタスタと歩き出した。
「蛭魔君!これじゃ連行されてるみたいなんですけど!?」
「贅沢言うな」
「いやいやいや、これは言うでしょう!?私がやりたいと思ったのと違うもの!」
「じゃあどうすんだ」
「こうね、手と手を繋ぐの」
蛭魔の左手を自分の右手でキュッとつなぎ、まもりは満足そうに微笑んだ。
「…これで良いのか?」
「うん」
「てめえ、やっぱガキだな」
「はぁ?」
「糞チビと繋ぐんじゃねんだぞ?彼氏と繋ぐってんならこのぐらいしろよ」
そう言うと蛭魔は互いの指と指をからめてギュッと握った。「!」
「さて、帰りマスか糞彼女」
「彼女にまで糞つけないで下さい!」
「へーへー」
恋人同士になっても変わらず言い合えるのがまもりは嬉しかった。
キュッと蛭魔の手を握り返して、まもりは幸せな笑顔を見せた。
終わり
ははは…
いつも通りの終わりです★
長いことかかった割りにね……
posted by 春海 さな
at 00:59:16 │
EDIT
やっぱり面白い!
某携帯電話のCM
週3で通ってる浦ちゃんが博多華丸さんに見える★
乙ちゃんも良い味!
あんな凄い人に横恋慕する金ちゃん…実はかなりチャレンジャー!?
しかし…鯛や鮃の舞い踊りが活け作りの事だったとは…衝撃!
本当に新作が楽しみなCMだ
次はどんなんだろ~♪
私も地道にぼつぼつ更新して行こうと思いますのでよろしくデス!!
後編はラストがまだなので、別のお話をUPします♪
超短いけどね★

日常変化の考察
「蛭魔君!」
いつからだろうなぁ。この姉崎の怒鳴り声が耳に馴染んだのは―――
部の連中も「またか」と、すっかり慣れっこになって気に止める事はない。
いつ頃からか姉崎の蛭魔を叱る声が変わってきた事にも気付いていないようだ。
姉崎がマネージャーになった当初はただただ蛭魔の勝手な振る舞いに姉崎が怒るだけだったのが、部がまとまり、予選を勝ち進むにしたがって徐々にただ蛭魔の勝手を怒るだけでなく、心配から怒ることが増えてきた。
そしてクリスマスボウルに優勝した今は、蛭魔の勝手を怒ることが少なくなった分、世話を焼いて怒ることが増えてきた。
最初は敵対していたのが、仲間として心配するようになり、今では母親が子供の世話をするような感じだ。
セナへの母性がそのまま蛭魔に移行したとでも言おうか…。
いや、それは正確ではないな。
セナに向いていた時にはなかった感情が混じっているのを仕草の端々から感じるから――――…。
「糞オヤジ。なに薄気味悪い顔してこっち見てんだよ」
二人の言い合いを眺める俺に気付いて蛭魔がしかめっ面でこちらをにらみつけてきた。
「いや、泥門の悪魔も存外可愛いところがあるもんだと思ってな」
「あ゛?なに気色悪い事ほざいてんだ?ついに頭がイカれやがったか?」
「喧嘩するほど仲が良いってな」
「はあ?」
「それとも犬も喰わねえか?」
「ふん」
ニヤリと笑ってやると蛭魔は視線をそらした。
満更でもないのはわかっている。
ようするに泥門の悪魔が照れているのだ。
本当にいつからそんな可愛い奴になったんだか。
微笑ましく思いながら冷めたコーヒーをすすった。
終わり
何でもお見通しな武蔵★
いくつもの拍手ありがとうございます!
頑張って更新しようって励みになります!
…って言うか、こんなしがないとこに立ち寄って下さる方がいるとは…
こっそり更新しますので、また思い出したら寄って下さいね
暇人様
コメントありがとうございました!
そうなんですよね!
更新されてるだけで盛り上がれますよね!
更新されてるサイト様を見つけた時の喜び!
分かります~♪
たまーには更新してるはずなので お暇な時はまた覗いてみて下さい
posted by 春海 さな
at 00:31:16 │
EDIT
今夜は家族が出かけてて一人♪
私も友達と出かけようかと思ったけど残念ながらみんな予定ありで捕まらず、あえなく一人でお留守番★
ま、晩御飯作らなくて良いだけラッキー♪
っつっても、ジーちゃんバーチャんの晩御飯は作ったけどね★
簡単に…
お好み焼きと焼き魚と豆腐の田楽♪
自分はスーパーで買った冷凍食品を食べるのです♪
なかなか冷凍食品食べる機会ないからウキウキ♪
本日のメニューは
ガパオライス
タイ風鶏肉のバジル炒め!
後は冷奴の乙女のラー油がけと、味付けメカブ。
ちょっとピリ辛でウマウマでした♪
また一人の時はガパオか冷凍パスタだな♪
久々の更新は前後編です。
少しでも楽しんで頂ければ幸いです!

ゆるぎないものひとつ(前)
進路調査書を眺めながら、まもりはなんとなく目の前にいた蛭魔に聞いてみた。
「蛭魔君はもう行く大学決めた?」
「おう」
「決めてるんだ。どこ行くの?」
「最京」
「最京!?って、あの最京!?関西の」
蛭魔が大学に行く気なのに驚き、希望大学が最京と言うのにもまもりは驚いた。
一方、蛭魔はたいした事ではないと言わんばかりに興味なさそうな顔でパソコンをいじっている。
「あいにく他の最京は知らねえな」
「そうなんだ。凄いね。私は短大に行く子と女子大に行く子、両方からに一緒に行こうって誘われててどうしようか悩み中なんだ」
「なんだそりゃ」
「短大は保育士の免許取れるし、女子大は教員免許取れるからどっちでも良いんだけど、仲の良い二人のうちどちらかと一緒って…選らばなかった子に申し訳ない気がして…」
「てめえは大学まで他人の世話か。ご苦労なこって」
さも馬鹿にした様子で蛭魔は鼻で笑った。
「良いでしょ。どっちも良さそうな大学だし、目標はあるんだから」
「そんなくだらねえ理由で悩むんなら大学は最京にしろ」
「はあ?」
「世話してんならアメフト部入って粉骨砕身働きヤガレ」
「なんでよ」
「てめえは使える女だから何かと便利だからな」
「何それ。蛭魔君と同じ大学なんて行きません!」
―――と、蛭魔にべーと舌を出したのが3日前の事。
今、まもりは鈴音と一緒にケーキバイキングへと来ていた。
色とりどりの様々な種類のケーキがところ狭しと並んでいる。
まもり達は全種類制覇を目標に、三回目のおかわりをした。
「―――なんて言ったのよ。まったく蛭魔君ってば人のことなんて思ってるんだか。“使える女”とか“便利”だとか。私はお手伝いさんでも便利屋でもありませんってね。全く失礼しちゃうわよね」
最初は勢い良く一心不乱無言でケーキを頬張っていたまもり達だが、さすが三回目のおかわりとなると少し落ち着きが出て、会話も弾みだした。
先日の蛭魔とのやり取りが話題に登ったのはそんな時だった。
少し頬をふくらまして目の前のガトーショコラにフォークを突き刺す姿ですら可憐で、店員達は、そんなまもりの姿を一目見る為に、いつもでは考えられない勢いでケーキを補充しているほどだ。
「本当に蛭魔君って勝手なんだから。あんなんじゃ最京大の人達に絶対迷惑かけちゃうわ。今から大丈夫か心配になるったら」
「……」
「鈴音ちゃん?どうかしたの?」
いっさい相づちが無いのを不信に思い、まもりは視線をケーキから鈴音に向けた。
鈴音は目を見開き、顔を真っ赤にしてフォークを握りしめてプルプルふるえている。
トレードマークのピョコンと立った前髪まで何か意識を持った生き物のようにふるえていて、まもりは何事が起きたのかわからず、怪訝な顔でもう一度声をかけてみた。
「鈴音ちゃん?大丈夫?」
「まも姐!!」
「な、なに?」
いきなり身を乗り出し、テーブルを挟んでまもりの両手を握りしめてきた鈴音の瞳は少女漫画のようにキラキラと輝いている。
そんな鈴音に、まもりは思わず後退ったが、そんなまもりにおかまいなく鈴音は更に身を乗り出してきた。
「ヤー!!まも姐!そって妖一兄の告白じゃん!!」
「は?鈴音ちゃん、顔ちかい…鼻息も荒いよ?落ち着いて」
「まも姐はどうしてそんな落ち着いていられるの!?告白だよ!?コ・ク・ハ・ク!」
「えっとぉ……何が?」
「もぉー!じれったい!妖一兄の“使える女”は好きって意味だよ!」
「は?」
「だって、前に雑誌のインタビューで好みのタイプは“使える女”って妖一兄こたえてたじゃない!絶対だって!間違いないって!」
「あ…、いや、でも、そんな…いや、絶対違うって!そんな意味じゃ絶対ないよ!本当に純粋に労働力としてだって!だって全然そんな雰囲気なかったもの!」
鈴音の思いもよらなかった指摘に、まもりは真っ赤になりながらわたわたと否定する。
「うん。そう。違う違う。そんなんじゃ絶対ないって!」
「んふふふ。まも姐も満更じゃないんじゃない?」
「へ?」
「ねーねー、本当のところどうなの?」
「な、何が?」
「まも姐は~妖一兄の事どう思ってんの?」
「どうって別にどうとも…」
「本当にィ?ちゃんと考えないと大学別々になったらもう今みたいに毎日会えなくなっちゃうんだよ?」
「……」
「まも姐と妖一兄って絶対お似合いなんだから!」
「そんなこと言うの鈴音ちゃんくらいだよ?」
苦笑するまもりに鈴音は鼻息荒く畳み掛ける。
「絶対にまも姐には妖一兄!妖一兄にはまも姐なの!これはもう決まりなの!」
「決まりって…そんな勝手に…」
「絶対!絶対、妖一兄はまも姐が好きに決まってんだから!」
「まさかぁ…」
そう言いながらケーキを食べるまもりのペースは動揺からか異様に速い。
「鈴音ちゃん、ケーキ早く食べないと時間終わっちゃうわよ」
「まも姐も妖一兄も素直じゃないんだからァ」
ケーキを頬張りながら呆れ顔でため息をつく鈴音に、まもりは微かに笑って誤魔化すしかなかった。
続く
posted by 春海 さな
at 00:29:44 │
EDIT
今度の某携帯CM いぬとうさんのやつですが・・・ 某携帯会社のCMに対抗してる? 好感度とられたから? ウッカリえつこおばーちゃんは良かったのに、ラストで鬼がモモを斧でかち割るシーンは頂けなかった・・・。 考えすぎ?? ももちゃんと、うらちゃんと、きんちゃんのなかよしっぷりが好きで、新しいバージョンすげく楽しみにしているもので★ いただけないと云えば アイシールド21の中で何度読んでも嫌いなシーンがあります。 クリスマスボウル優勝を決めた時、ヒル魔さんが胴上げされず、放り投げられるシーンです。 なんで あんな ぞんざいな扱い!? セナが一番の功労者、ヤツのおかげで勝てたって・・・ あのシーンは本当に気に入らないんですよね~。 このところ 腹の立つことが多かったで ちょっと心がささくれだってる。 おかげでブラックな自分を感じることが多くて嫌になる・・・・。 はあ~。 親ほどうっとうしいモンはないね! あとわがまま自分勝手な妹!! あれらにかかわらなければ私は平穏なのにな~・・・。 来週は合宿なので 自然の中でリフレッシュするぞー! 更新は・・・近々・・・できると・・・。

posted by 春海 さな
at 23:44:13 │
EDIT
気がつけば今日で4月が終わりです。
早い!!
毎月思うけど 早すぎる!
月1も更新しないってだめでしょってことであわてて更新です★
スキマスイッチ聞いてたら なんだか書きたくはなるのですが
なかなか思うように言葉が出てこず・・・
あわててひねりだしたら こんなん出ました★
タイトルは 今 聞いてる曲より。

「全力少年」
「どこにあんな車つくる部費があったんだ」
「なんか学長脅迫したとか言ってたっすよ」
あきれた顔で蛭魔の運転する武蔵工務店特注の偵察タワーカーを見て呟いた番場の疑問にすかさず一休が答えた。
「早くも最京大陰から仕切ってんのかよ…」
泥門時代とかわらぬ悪魔のやり口に、やっぱり悪魔はどこに行こうと悪魔だと俺は改めて思った。
見事最京大合格を果たした俺は、当然アメフト部に入部を決めていた。
そんな俺に悪魔から「炎馬の試合を偵察しろ」とメールが届いた。
試合の日付が合格発表と一緒だったから怪しくは思ったものの、指定通り待ち合わせ場所に行ってみた。
するとそこに悪魔の顔はなく、この春からチームメイトになる見知った顔が揃っていた。
皆、俺同様悪魔に呼び出されたらしい。悪魔がいない事を誰も別段気にする事なく会場にやって来た。
すでにみんな悪魔の所業に慣れきってるようだ。
悪魔の事だ。
何か有るのだろうとは思ってはいたが、まさか馬鹿みたいなタワーをつけたジープで乗り込むなんて派手な登場をするとは思いもしなかった。
悪魔はともかく、あの真面目なマネージャーまであんな登場に付き合うなんて、すっかり朱に交わればだな…なんて思いながらそちらを眺めていると、タワーから降りたマネージャーが悪魔に文句を言い始めた。
ここからでは会話の内容は聞こえないがマネージャーの様子から激しく抗議しているのがわかる。
久しぶりに見る馴染みの光景だ。
そして、馬耳東風、暖簾に腕おし、糠に釘な悪魔の態度も相変わらずだ。
俺達の年代の一年の差はデカイ。
ましてや高校生と大学生の差なんて半端ねえ。
正直この一年で泥門の悪魔と天使コンビがどれだけ変わっているのか気になったいたが、とりあえず相変わらずでほっとした。
「糞長男!」
そんな俺に気付いた悪魔がこっちにこいと指示して来た。
これまた相変わらずでため息が出そうになりながら悪魔の元へ向かった。
「おら」
「うわっ」
いきなりビデオカメラを投げられて慌てた俺を悪魔はニヤニヤ笑って見ている。
今日の悪魔はすこぶる機嫌が良いらしい。
「てめえは特等席で試合観戦だ」
「はあ?」
突然の命令に俺は手の中のビデオカメラを見、そして悪魔の後ろにそびえるタワーを見て命令を把握した。
特製のタワーカーに登るのは俺の仕事ってわけか。
「おら、早く行かねえと試合始まんぞ」
「へーへー」
じゃあ何の為にマネージャーはタワーに登って登場したんだよ…なんて文句を言っても銃で撃たれるだけだとわかりきっているので、俺はせめてもの反抗にダルそうな返事をしてノロノロと梯子を登った。
さすが武蔵工務店特注タワー。
俺が乗ってもびくともしねえ。
もしかしてアイツらが作ったのか?
ふと思いつき会場を見渡すとすぐに見つける事が出来た。
我王を筆頭にがらの悪い一団は迫力でまわりから浮きまくってやがる。
黒木もトガも頭にタオルなんか巻きやがってなんだかすっかり働く男って言うか、ガテン系バリバリって感じだ。
俺がタワーに登ってるのに気付いた黒木とトガが得意気な顔で俺に手を振ってよこした。
それに俺も軽く振り返す。
いつもつるんでた俺達の道が別れた事を痛感するけど、寂しさはない。
俺達は離れてもアメフトで強く繋がってるから。
試合開始のホイッスルが鳴り、俺はビデオカメラと試合に神経を集中した。
炎馬VS恋ヶ浜 の試合は遅刻のアイシールド21抜きでの開始となった。
炎魔大の新入生はセナだけじゃねえ。
モン太もいれば、陸に水町もいる。
セナが居なくても恋ヶ浜が勝てるとは到底思えねえ。
面白いようにモン太がキャッチし、陸が走る。
この二人の活躍はとてもじゃないが恋ヶ浜には止められそうもない。
これにセナが入ったらどんな試合になんだ?
観るも無惨なワンサイドゲームになって、恋ヶ浜の選手は何人かカノジョを失うんじゃなかろうか…御愁傷様ザマーミロ。
そういえばセナの奴は今日、アメリカから帰国するんじゃなかったか?
帰国当日に試合組まれるとはハードなこって。
どーせこの無茶な試合組んだのは悪魔に違いねえ。
全く…
俺の大学生活は一体どうなるんだ?
散々悪魔に好き放題振り回される事は火を見るより明らかだな。
ま、それを承知で選んだ道だけど……自分の物好きに呆れるしかない。
試合が中盤に差し掛かった頃、土煙をあげてセナが現れた。
会場は真打ち登場にいやがおうにも盛り上がる。
以前にもまして鋭くなったセナの走りに会場中が釘付けになる。
クソ。
俺も負けてられねえ!
セナの成長を目の当たりにして俺の中の闘志がメラメラと沸き上がる。
早く試合がしてー!
ウズウズしてたまらなくなる。
いっそ対戦相手が最京大だったら良かったのになんて思う俺はどっぷりアメフト馬鹿だ。
ハーフタイム中、俺は下には降りずタワーの上から会場をぼーっと眺めていた。
本当にセナはぐんと成長していた。
カメラなんて放り投げて練習がしたい、試合がしたい、とにかく身体が動かしたい!
あの悪魔も同じ気分を味わっているんじゃないかと観客席に目を向ければ、マネージャーと試合経過をあれこれ分析しているようだ。
休憩中の会場はザワザワうるさくて隣に座っている奴の声ですらまともに聞こえない。
なので悪魔とマネージャーは顔をくっつけるようにして会話している。
本当に近い。
ちょっと近過ぎじゃね?って思うほど近い。
顔だけでなく身体も密着と言って良いほど近い。
なんだかあの二人の間に流れた一年を感じてしまった。
二年生の終わり頃ぐらいからなんとなくな雰囲気はあったが、一緒の大学に行くと聞いても二人が付き合っていると言う確信には至らなかった。
しかし、今の二人を見て間違いなく付き合っていると確信した。
やっぱりなと言う思いと、やっぱりかぁ…と言う、微妙にニュアンスが違う思いが交錯する。
俺が感慨にふける間も二人はくっついたままでいる。
悪魔がマネージャーの耳元に話しかけ、それを受けマネージャーが少し驚いた顔をしたのが見えた。
何をはなしてんだ?
なんとなく気になって二人を見ていた俺の前で、こともあろうに悪魔はマネージャーにキスをした。一瞬ふれただけの軽いものだったが、俺には衝撃が凄まじかった。
マネージャーは顔を赤くして慌てているが、再び悪魔が耳元で囁くと微かに頷いて大人くなった。
その瞬間、後半戦開始のホイッスルが鳴り響いた。
とたんに二人の顔は真剣に試合を分析するそれになった。
見事な変わり身だった。
どこまで行っても悪魔には勝てそうにない気分になるが、俺の試合も始まったばかりだ。
負けねえぞ!
俺は決意を新たにカメラを構えた。
おわり
posted by 春海 さな
at 00:39:09 │
EDIT
ご無沙汰しております。
今、うちのリビングにはお雛様が2つででんと鎮座してまして・・・
お雛様がいるのはパソコンの前ギリギリんとこ。
パソコンの画面とお雛様のスキマは私が立ってようやく体半分入れるほど・・・
少しでも動くと橘にあたって倒しそうで怖い状態です。
なんでこんな場所に!?とムカついても、めんどくさいと出したがらない家族を無視して一人でお雛様を出して飾ったのは私だから文句は言えない・・・。
そして、まだ出してんの!?と驚かれるかもしれないけど、うちは旧暦で4月まで飾るんですよ★
決して行き遅れるためではないですヨ★
キーを打つのも手元が見えにくくて 体勢もしんどいので今日はこのへんで・・・
タイトルは最近、ミスチルを聞いてるから★
そんだけ。
全く話の内容とは関係ないですよ★
良い曲ですよねv

Tmorrow never knows
「あ!」
テーブルを兼ねたルーレット台の上に無造作に置かれたそれを見つけた時、まもりは手に持った箒を握りしめてまじまじとそれを観察してしまった。
台の上に転がっているソレは紛れもなくまもりの大好きなアレである。
しかし、部員の誰かが忘れて帰ったモノとは思えない。
今日は鈴音ちゃんも来てないし…
あまりにもカジノのようなこの部室には不釣り合いなモノだ。
手に取るのははばかられるので息を殺し、顔を近付けて見る。
やはり間違いない。
台の上にあるのはまもりが愛してやまないロケットベアーの小さな置物だった。
手のひらサイズのそれは、座った姿勢のまま天井を見ている。
手には細かい細工の施されたアンティーク調な金時計を抱えている。
まるで大きな金時計を持ち上げようとして、あまりの重さに尻餅をついて転がったように見えて、思わずまもりは微笑んだ。
やはり見るだけでは我慢できず、そっと手に乗せた瞬間、部室のドアが開いた。
「わっ!」
驚きのあまり持っているモノを落としそうになり、まもりは慌てて両手で掴まえた。
変な動きをするまもりに蛭魔は馬鹿にした視線を送ると同時に馬鹿にした言葉も送った。
「んっな何驚いてやがんだ?またつまみ食いでもしてたか?」
「違います!」
「ふん。コーヒー」
そう言うや、蛭魔は一切興味をなくした様子で席につくとさっさとパソコンをいじり始めた。
そんな蛭魔にまもりはため息をつくと、手のひらのモノを蛭魔に向かってかざしてみた。
「ねえ、これ」
パソコンから視線をあげて蛭魔がまもりの手のひらのモノを見た。
「テーブルの上にあったから部の誰かが忘れたんだと思うんだけど…」
「欲しいなら持って帰りゃ良いだろ」
「は?」
「いらねんならゴミ箱に捨てろ」
蛭魔はすでに興味を失ったように視線をパソコンに戻していた。
「忘れ物を勝手に自分の物にしちゃうのって犯罪だからね!そんな事できません!」
「ゴミはゴミ箱へって習わなかったか?」
少しイラついたような口調の蛭魔にまもりも少しカチンときて口調がキツくなった。
「忘れ物はゴミじゃありません!」
「持ち主が要らねえって思ってんならゴミだろうが」
「えっ!?この子の持ち主、いらないから置いて帰ったの!?信じられない…」
「言うに事かいてこんなあほくせえクマをこの子なんて表現使うてめえの方が信じられねえよ」
イラついた口調は一気に呆れを含んだものへと変わった。
「誰のか蛭魔君は知ってるの?」
「だからいるなら持って帰りゃ良いって言ってんだろ」
「でも、やっぱり勝手には持って帰れないわ」
「好きにすりゃ良いだろ」
「ねえ、本当にこれ誰のなの?」
「株主優待の景品」
「は?」
「俺が持ってる株の会社が送ってくんだよ」
しばしまもりの思考は停止したが、復活と共に徐々に理解した。
「…じゃあこれって…」
「ゴミ」
「……」
「何か?」
「……もらっても良い?」
「どーせゴミだからな。勝手にすりゃ良いだろ」
「本当に!?良いの!?きゃー!」
興奮のあまり、ロケットベアを抱き締めて部室の中をピョンピョン跳び跳ねまわるまもりを蛭魔は苦笑を浮かべて見つめた。
「蛭魔君、ありがとう」
「おー。せいぜい馬車馬の如く働けよ」
「……」
まもりから返事がないのをいぶかしく思った蛭魔はちらりとまもりに視線を向けた。
「大丈夫。ご褒美なんてなくても頑張るよ。クリスマスボウルはもう蛭魔君達だけの目標じゃないんだから」
そう言って微笑むまもりに不本意ながら蛭魔は一瞬見とれてしまった。
「その言葉たがえず身をこにして働けよ」
「当然よ!」
ロケットベアを胸に抱きしめて嬉しそうに微笑むまもりに微かながら蛭魔の口角も上がる。
クリスマスボウルは自分だけの夢ではなくなった。
もっとはじけるような笑顔を見る為に
蛭魔は決意を新たにした。
終わり
なんなんでしょうね~。