日常ロマンス
「こうなったら……いっそ付き合うか?」
「良いけど、条件が有ります」
「何だ?」
「誕生日を教えて下さい」
「人の誕生日にかこつけて大手を振って胸糞悪い糖分のカタマリむさぼり食う気か?」
「恋人の誕生日を祝うのは普通の事です」
「誕生日は結婚じゃねえと教えられねえなァ」
「結婚するなら教えてくれるの?」
「ああ」
「しょうがないわねぇ」
「……それで結婚することになったの?」
「違う違う、結婚じゃなくて婚約。まだ学生だもの。結婚なんてまだまだ先よ。って言うか本当にするかどうかなんて未来の話しわからないしね」
『――――だって!どう思う?』
「う、うーん。蛭魔さんらしいって言うかまもり姉ちゃんらしいって言うか…まあ、高校の時から鈴音が言ってた事が本当になったんだから良かったんじゃないかなァ」
『そう!そうなのよ!そうなんだけど、なんかもっとこードラマチックって言うかなんて言うか盛り上がりが欲しかったって言うかさぁ…』
「まもり姉ちゃんと蛭魔さんにドラマチック求めても…」
『うっ…まあ、そうだけどぉ~…』
「大丈夫だよ。付き合うことになった経緯より、あの二人が出会ったことの方がはるかにドラマチックだから」
『!!…そっか。そうだよね。うん。出会ったことだけで十分ドラマチックだよね!』
「そうだよ。あんな二人他に絶対居ないよ」
『そうだよね!ウンウン。そう考えたら凄いドラマチックだよね!』
「だと思うよ」
『だよね!ね、ねぇ!今度みんなでお祝いしようよ!ね?』
「あぁ、良いね…」
『じゃあね!お休みー!』
そう言うや通話は唐突に途切れた。
「ふぅ…」
セナは小さくため息をついて身体の力を抜いた。
蛭魔とまもりの間にあるものが何か他の人とは違うと漠然とは感じていたが、まさか本当にこんな話になる日が来ようとは…。
ちょっとビックリする反面、当たり前の事と受け取っている自分がいる。
「モン太ショック受けるだろうナァ…」
鈴音の張り切りとモン太の落ち込みを想像し、セナはもう一度小さくため息をつくと逃避すべく布団へと潜りこんだ。
おわり
み・・・・短い。
次回は早めに更新できるよう頑張ります!!!

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