Bottoms up!9
目の前のグラスをじっと藤間は見る。
毒が入っていない事はわかっているが、意味深な話しの後だけに飲むのを少し躊躇う。
しかも入れたのが蛭魔なら尚更。
蛭魔は置かれたままのグラスにカチンと音を立てて自分のグラスを合わせた後、目線まで持ち上げて目礼するとニヤリと笑った。
意を決してグラスを持ち上げ、藤間は作法通り、右隣りのまもりのグラスとグラスを合わせ、飲もうとした。
すると突然、まもりは藤間の手からグラスを奪うとおもむろに煽った。
が、一口飲んだ瞬間、「うぅっ!」と呻いてカウンターに伏せてしまった。
「ど、どうしたの?!姉崎さん大丈夫?!蛭魔!お前、何を入れたんだ?!」
「あん?酒だよ」
何食わぬ顔で蛭魔は酒を飲んでいる。
「だって姉崎さんが…」
「おら、チェイサー飲め」
蛭魔はバーテンからチェイサーを受け取りまもりに差しだした。
受け取ったまもりはなんとかグラスを両手で支えて口へと運ぶ。
「うぅ…」
ようよう数口飲むのが精一杯でまもりは再びカウンターに伏せてしまった。
「世界で一番強い酒って知ってるか?アルコール度数96度のポーランドのスピリタスってウォッカだ。ソーダで割ってスピリタス・ソーダで飲むのが一般的だが、ソーダをスピリタスの倍量入れたとしてもそこいらのウォッカ程度のアルコール度数にしかならねぇって言う酒だ。酒に糞弱いてめえの手に終える酒じゃねんだよ」
「…うっ、くぅ…ひっくぅ…」
「…。」
「あ…姉崎さん…?」
「えぇ~ん!だって、だって、だってぇ~!蛭魔君がぁ~意地悪なんだモ~ン!えぇ~ん!」
「姉崎さん…」
「最悪の酒飲みだな」
蛭魔はうんざりした視線を宙に向けた。
続く
お話がなかなか進みません。
もうちょっとで終わるかな?
お酒・・・・なんで まもり飲んだんだ・・・・。
藤間が飲むハズだったのに。
どうなるんでしょうか???

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