熱き鼓動の果て
大学最後のライスボールが終わった。
蛭魔は一年の時こそ惜敗したが、その後、3年連続優勝を果たした。
今年のライスボールは蛭魔君率いる最京大WIZARDS対ムサシ君率いる武蔵工BABELS。
キッドの早撃ちは以前よりさらにキレを増し、鉄馬との連係プレーも磐石。
電光石火の攻撃はムサシの特大キックでとどめを刺す。
観る者を圧倒する早いゲーム展開だった。
そんな敵に最初こそ攻めあぐねたものの後半に入った頃、守りの要の我王を封じ込めてからは蛭魔のカード捌きが冴え渡り、怒涛の反撃は試合終了まで止む事はなかった。
試合終了後、蛭魔は優勝だけでなく、MVPにも輝き、最高のシーズンで大学でのアメフトを終えた。
祝勝会は飲めや歌えの無礼講で大いに盛り上っていた。
最初に盛り上がりに火を着けた張本人の蛭魔は嵐のような喧騒の中を素知らぬ顔でまもりのもとまでやって来た。
「おい糞マネ てめえ付き合ってる男居るのか」
「えっ?」
突然の質問に蛭魔の真意が掴めずまもりはフリーズしてしまった。
「付き合ってる糞野郎は居るのか居ねぇのかどっちだ!」
「えっと あ~…居ます。」
「その糞野郎の事 好きなのか」
「あの ちょっと何なの?」
戸惑い質問しかえしてみたが「その男の事好きなのか?」と再び問われただけでまもりの質問は見事に無視された。
小さくため息をつくとまもりは「はい 好きです」ときっぱり蛭魔の目を見つめて答えた。
「てめえはその糞野郎といつまで付き合う気だ」
蛭魔が何を思ってこのような質問をしてくるのかわからない。
馬鹿にされているのか?
からかわれているのか?
それとも何か含みが有るのか?
わからない。
わからないけれどまもりの中に怒りが込み上げて来た。
「ずっとよ!ずっと一緒に居るのよ!絶対に離れないんだから!いくら逃げたって何処までも追いかけて捕まえるんだから!私のなの!誰にも渡さないんだから!!」
一気に大声でまくし立てたまもりは大きく肩で息をつき呼吸を整えつつも蛭魔を睨んだ視線は外さなかった。
まもりの声にあれほど盛り上っていた会場は水を打ったように静まりかえり、会場中の視線が固唾を飲んでまもりの顔に向けられていた。
自分に向けられた視線に気付くことなくただ蛭魔だけを睨み付けていたまもりはそこに信じられないものを見た。
「怖ぇ女だな」
そう言って笑った蛭魔の顔は見馴れたいつものシニカルな笑顔ではなく、心から嬉しさが溢れたような無邪気な笑顔で、初めて見たその笑顔にまもりは見惚れたしまった。
「よし 行くゾ!」
「はぁ? 何処に!?」
いきなり手を引いて歩きだした蛭魔にまもりは慌てたけれど、「ずっと一緒にいるんだろ?」振り返った蛭魔の顔に浮かんだいつもの笑顔を見た瞬間、まもりは悪魔に白旗をあげた。
悪魔に連行された先は宴会場の舞台の上。
「YA-HA-!糞野郎共耳の穴かっぽじいて良く聞きやがれ!」
蛭魔はマイクを使いその声を会場中に響かせた。
何事が始まるのかと皆が舞台に集まる。
「最京大QBの蛭魔妖一と糞マネの姉崎まもりは本日、結婚することになった!てめぇら祝いやがれ!!」
歓声、怒号、悲鳴。
阿鼻叫喚のるつぼとかした会場を舞台の上から満足そうに眺めていた蛭魔は自分の身に起きた電撃発表に呆然と立ち尽くしていたまもりの腕を掴み引き寄せた。
まもりが我れにかえった時、左手薬指には宝石が輝いていた。
「てめぇだけだ。誰にも真似出来ねぇ夢見せてやる。必死こいて着いて来やがれ」
「こんな時でも口悪いんだから…付き合いきれるのは私くらいね。ずっと一緒に夢見せてね」
祝福の嵐の中を二人は走り出した。
END
あ~ 表記はないですが きっと 壇上で衆人観衆の中、ちゅーしてると思います★
一応、プロポーズしてるので 激甘クリアって事でどうっすか?
ふざけんな~!ですか?
いや・・・これでも ウチの蛭魔さんにしては頑張ってますよ・・・頑張ってるんですよ~?
本当に素直じゃないもので。
ライスボール 3年連続優勝は私の妄想ですが、最京大のあのメンバーなら 間違いなくないですか?
1年生の時は あの部員数の中では さすがの蛭魔も控えじゃないかな?と思ったから優勝は3年連続としました。
蛭魔がMVP獲ったのは 原作中、なんの賞ももらえなかったから!
あんなに頑張ったのに!
3年連続優勝って事で この後、きっとNFLから誘いが来るんです。
資金力の乏しい弱小チームが 日本人観光客目当てでかもしれないけど・・・。
また這い上がる蛭魔!!
・・・・・・どこまでも果てしなく妄想は続くのでした★

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