君の音 6
「蛭魔さん 居ましたか?」
「いや、まだ見つかってねえ」
「あの悪魔どこに行きやがった?!」
「魔界に帰ったか?」
「ま、まさか帰っちゃったりしてないよね?!」
「部活出来ねえし、それもあり得るな」
「ええ~っ?!どうしよう?!」
「今、もうプログラム25番だぜ?!蛭魔さん見つけられないと まもりさんとの約束がぁ~!」
自分達の演奏を聞くよう、絶対に蛭魔を捕まえるようにまもりに頼まれたセナ達アメフト部の面々は必死に蛭魔を探して学校中を駆け回っていた。
しかし、発見することが出来ないまま、まもり達の出番が迫って来たことに焦りは最高潮に達していた。
「あら?みんなどうしたの?」
突如かかった声に全員一斉に振り向いた。
振り向いた先に立っていたのはまもりだった。
「まもりさん!それが蛭魔さんがどこにも居なくて…って!どうしたんすか!?その手!」
包帯が巻かれたまもりの手に一同が驚いた瞬間、体育館から拍手と歓声が聞こえて来た。
プログラムNo.25が終わったらしい。
依子達の出番はプログラムNo.27。
もうすぐだ。
「手首ちょっと痛めちゃって・・・私は弾けなくなったからかわってもらったの。次の演奏が始まっちゃうわ。早く行きましょう!」
そう言ってまもりは体育館へと駆け出した。
「あ、まもりさーん!栗田さん達が席確保してくれてるんすよ~!」
慌ててモン太がまもりを追って駆け出したので 他のメンバーも『まもりの代わりに誰が弾くのか?』『蛭魔はどこに行った?』等、いくつかの疑問を抱えたまま二人の後を追った。
プログラムNo.26は馴染みのアニメ映画のメドレーを演奏していた。
誰もが口ずさみ、リズムをとれるメロディに会場は和やかな中にも盛り上がっていた。
舞台袖で蛭魔と共に待機していた依子は今迄体験したどんな発表会やコンテストよりも緊張していた。
浮き足立つと言うけど、ちゃんと立っている筈なのに本当に足が床から浮いている感じがして何度も自分の足を見てしまう。
手のひらの汗も何度もスカートでふくけど引いてはくれない。
駄目かも…。
胸の中で不安がみるみる膨張する。
隣の蛭魔はそんな依子の状態が手に取るように分かっていた。
「オイ」
舞台袖を慌ただしく走るスタッフを呼び止めるとマジックを持って来させた。
「糞テール!手を出せ」
「えっ?」
「良いから手を出せってんだ」
「えっ…あっ、はい!」
依子はもう一度、スカートで拭いてから蛭魔に手を差し出した。
蛭魔は依子の手首を掴み、手を開かせると おもむろに手のひらにマジックででかでかと『No.27』と書いた。
「悪魔との契約だ。No.27を持つ悪魔を知ってるか?」
「知りません」
「No.27を持つ悪魔はロノウェ。音伝達の悪魔だ。アメリカでは若くしてミュージシャンとして成功した奴の何人かは こいつと契約したと言われてる」
そう言ってニヤリと笑った。
依子はまじまじと自分の手のひらを見る。
特徴的な筆跡で手のひらいっぱいに書かれた数字。
「27番さん!スタンバイして下さい!」
スタッフが呼ぶ声がした。
スタンバイしようと歩き出した依子の腕を掴んむと蛭魔はニヤリと笑う。
「てめえ いつも観てただろう?」
「えっ…」
「俺達はここに 何 し に 来たんだ?」
「!!」
蛭魔の意図を理解した。
「ぶ…ぶっ殺す!!」
「Ya-Ha-!!行くぞ!」
突然の依子の物騒な叫びに驚いているスタッフを尻目に二人は颯爽とステージへと向かった。
続く
NO、26のアニメ映画音楽メドレーはきっとジブリ作品です♪
私が好きだから~vv
「トトロ」が大好きなのですv
それにしても・・・・
うう~ん 私は単に蛭魔がピアノを弾くシーンを書きたかっただけなんですよ~。
それだけなのに なんて 回りくどい!
くどすぎる!!
次回、ようやく蛭魔がピアノ弾くシーンだ~vv
まだ弾く曲悩んでます。
本当にこれで良いものか・・・・。
知識が浅いとこう云う時 悩みますね。
幅広い知識と記憶力が欲しい~~~!!

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