Are you ready?
ビリビリに破いた手紙を自室の机の上に綺麗に並べてテープで張り合わせる。
勢いで破り捨てたけど、それをそのまま放っておくなんて私に出来るはずもなく、彼が去った頃合いを見計らって欠片を拾いに戻った。
見栄を切った手前、紙切れを散らかしたままにするなんて掃除をした人に悪いし、風紀委員のやる事じゃあないから……なんて自分に言い訳しながら小さな切れ端も残さないよう拾い集めた。
手紙を張り合わせながら思う。
私が手紙を破る事も、それを拾い集めて張り合わせる事も、彼は全てお見通しなんじゃないかって。
彼はこの手紙を『指示書』と言って私に渡した。
無駄な事は一切やらない。
自分の考えを人に伝えない彼からの『指示書』だから簡潔な指示と名前が書いてあるだけだろうと思ってた。
なのにつぎはぎだらけの手紙には特徴的な文字が思いがけず並んでいた。
読まれてる……。
私の行動は完全に彼に読まれていたと確信した。
これは確かに『指示書』だけど、彼が怪我した時の為だけじゃない。
私が破いて、張り合わせる時に読むと云う私の行動パターンを読んで書いたに違いない。
じゃないと彼がこんなに言葉を使うハズがない。
この『指示書』は彼の優しさであり、彼の厳しさそのもの。
覚悟を決めている彼はこの『指示書』で私にも覚悟を突き付けてる。
彼の覚悟も、あの子の覚悟も、しっかり腹をくくって見守れって。
もう負け犬にはなりたくない。
優しい嘘も、茅の外も嫌。
彼は覚悟を持って私と向き合ってくれている。
私も覚悟を決めなきゃいけない。
元通り張り合わせた封筒に指示書を入れる。
溢れてくる涙をぬぐって、試合に持って行くバッグに指示書を忍ばせる。
準備はできた。
さあ、覚悟を決めよう_________________________。
END
白秋戦前のお手紙より。
なんで蛭魔さんはげた箱なんかで手紙を渡したの?
部室でも良いだろうに・・・・。
そしてなんであんな中途半端な格好でげた箱をうろついてたの??
なぞ~~~~~~★

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