ニシヘ
「おら、糞マネ」
部活終了後、部室に残り新一年生のマネージャーの子達に引き継ぎする為のマニュアルを作っていたまもりに蛭魔はいきなり封筒を投げてよこした。
「えっ?何、この封筒?」
まもりは投げつけられたA4サイズの封筒の表裏返して見るがどちらにも何も書かれてはいなかった。
「募集要項だ」
「募集要項?何の?」
「大学」
「大学?なんで?」
「てめえは大学行かねぇのか?」
「行くわよ」
「じゃあ問題ねぇだろ」
「問題あるなしじゃなくてなんで蛭魔君が私に大学の募集要項を渡すのかが…」
蛭魔に文句を言いながらも封筒の中身を確認していたまもりの手が止まる。
「…最京大? 最京大って、あの最京大?」
「他の最京大は生憎知らねぇなぁ」
「なんで?」
「何が」
「最京大って、東の東大 西の最京って言われてる大学よ!?」
「はぁ?ちげーよ。東の法政 西の最京の間違いだ」
「 ?…それってアメフトの大学リーグの事?」
「当然!」
「…蛭魔君って本当にアメフト馬鹿ね。で?なんで私はそんな大学の募集要項を渡されないといけないの?」
「大学でもアメフトに関わりてぇならそこに行け」
「…もしかして、ここ…蛭魔君が行く大学?」
「おう!」
「確かに最京大は私の希望の学部は在るけど関西じゃない…」
「別に留学するわけじゃねぇ、日本国内だろうが」
「みんながみんな、そんな簡単にふらっとアメリカに行くような人ばかりじゃないんだからね!」
「てめえの親父はしょっちゅう海外に行ってんだろうが」
「仕事です!…関西の大学に進学なんて許しくれないかも…」
「あん?許可もらってやろうか?」
「結構です!まったくもう…」
そう言いながらもまもりは手元の大学案内に目を通す。
「あら、うわぁ、へぇー…」
大学の講師や設備、学部の充実ぶりにまもりは感嘆の声をしきりにあげた。
大学案内を読み終えた時、かなり最京大に心惹かれている自分に気付く。
「ねぇ、蛭魔君」
「あん?」
「私が最京大行かなかったらどうするの?」
「そん時は適当に使えそうな奴隷何人かひっ捕まえるだけだ」
「またそんなこと言うんだから!そんな事しちゃ駄目です!まったくもう…」
大学案内を封筒にしまいながらまもりは一つため息をついた。
「しょうがないわね。蛭魔君放っておいたらどんな被害に合う人が出るかわからないものね。わかった。私も最京大行きます!」
その言葉に蛭魔はニヤリと笑う。
「YA-HA-!そうと決まれば明日、最京大へ偵察に行くぞ!」
「えぇ?!またいきなり…」
「善は急げだ!オラ、帰るぞ」
「ハイハイ。」
すでに帰る準備万端で部室の外に出た蛭魔を追ってまもりは手早く片付けを済ますと部室を後にした。
終わり
どういういきさつでまもりは蛭魔と同じ大学に行くことを決めたんでしょうね~?
ほっといたら 可哀想な人が大勢出るから?とか思って書きました★
11000記念がコレって・・・。
次回こそは頑張るぞー!!

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