Liar! 1
「姫、本当によろしいのですか?」
「えぇ、父である国王亡き今、弟に王位を継承させ、この国を護る為には致し方ありません。幼き頃よりこの身は国に捧げ、弟を守り抜く覚悟は出来ております。万事滞りなく話しを進めて下さい。」
「はっ、かしこまりました。」
宰相が執務室より退室するのと入れ替わりに鈴音が走り込んで来た。
「まも姐!結婚するって本当!?」
鈴音の家は王族一族の中ではかなり末の位なのだが、まもり達姉弟とは年が近かった事もあり小さい頃より親しくしている。
「あら、もう噂が広まってるの?人の口に戸はたてれないとは本当ね」
「何で選りにも選って結婚相手が胸肩なの!?あんな下品なアミノ国にまも姐が嫁ぐなんて納得できない!!」
「まあまあ、ちょっと落ち着いて。ね?鈴音ちゃん。」
「これが落ち着いていられるわけないじゃない!」
なだめてみたが鈴音の興奮は収まらない。
「アミノの胸肩ってあの年中テカテカムキムキのおじさんでしょ?!しかも自己顕示欲が強くて自分の欲の為には手段を選ばない超利己主義って話しじゃない!見た目も中身も最悪最低なオヤジなんて絶対、まも姐とは似合わない!釣り合わない!断固反対!」
「オヤジって…ああ見えても彼は18歳よ?アミノ国は産業革命と侵略によってここ数年、急激に成長して勢力を伸ばしてる。父の代では同盟が結ばれていたけれど、父亡き今、弱体化したこの国をいつまでも同盟国と放って置く程あの国は甘くない。いつ呑み込もうかとてぐすねひいて待っているのが現状よ。この国を守り、弟セナを王位につかせるにはアミノ国との同盟を強固なものにするより道は無いの。それには王族同士の婚姻が有効なのよ」
「わかってる。わかってるけど相手がアミノ国の胸肩だなんてどうしても納得できないんだもん!あ、そうだ!まも姐、シーザー国の大和皇子に求婚されてたじゃない!?あの無敵の帝国!同じ結婚するんなら絶対、大和皇子が良いよ!大和皇子は見た目も良いし、性格も公明正大、優しくて国中の娘の憧れの的だって聞くわ。そんな人ならまも姐とお似合い間違い無しだよ!」
まもりは静かに首をふる。
「あのお話はお断りしたの」
「えぇ?!どうして!?」
「確かにシーザー国は強いけれどこの国とは距離が有り過ぎるの。この国に何か事が起こった時、駆け付けてくれるには時間がかかるし、いくつもの国を突き抜けなければならない。それだけのリスクを負ってまでこの国を助けてくれるとは考えられない。下手すれば同等の力をつけてきたアミノに攻めこまれかねないのだから…」
「…結婚するしかないの?」
まもりは頷き静かに微笑む。
どうしようもない事なのだと悟りきったまもりの姿に鈴音は涙が滲むのを止められない。
「…いつ?いつなの?まも姐の結婚は…」
「1ヶ月後…」
「1ヶ月…。私、まも姐のお越し入れに同行する!良いでしょ?まも姐が嫁ぐのはどんな国かしっかり見るの!」
強い決意を秘めた眼差しをまもりは頼もしく感じた。
つづく
……実は、このお話、か~なり前にここまで書いてたのです。
で、質問!
その時の私!
この続きどうするつもりだったの!?
教えて頂きたい・・・。
え~っと、カウンターが20000行くまでに続きが書けたら良いな~・・・・。

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