人の味
無償にお腹がすくの
何をどれだけ食べても駄目なの
ずっとお腹がすいてるの
何が欲しいのか解らないの
あなたならわかるかしら?
悪魔と呼ばれるあなたなら
私の望みをかなえられるわよね?
「蛭魔君」
「あ~?」
ああ
いつものようにパソコンの上で踊る指はなんて綺麗なのかしら
細くて折れそうなのに、しなやかに動くその指
私はその指が大好きなの
「蛭魔君…」
「何だよ」
ああ
いつものように画面を見つめるその瞳はなんて綺麗なのかしら
鋭くて誰もが怖がるのに、キラキラ光るその瞳
私はその瞳が大好きなの
「蛭魔君……」
「鬱陶しいぞ」
ああ
いつものようにしゃべりかけるその声はなんて綺麗なのかしら
かさついているのに、よく通るその声
私はその声が大好きなの
「蛭魔君………」
「一体なんだ?!うざってェ!!」
そこまで考えてようやくわかった
わかってしまった
すごく大事な事に私は気付いてしまった
蛭魔君……
あのね…
「あのね、わたしね、わかったの」
「なにがわかったんだ?」
こちらを向いた蛭魔君の首から温かくてぬるぬるする赤い液体がとめどなく流れる
蛭魔君はそれを指に絡め、訳が分からないように私を見つめる
「あ…姉…崎…?」
「フフフ…あのね、蛭魔君」
蛭魔君の手首からも赤い液体は溢れだす
それは夕日に当たってテラテラと光り、とても綺麗
蛭魔君は痛みに顔をしかめ、殺意のこもった瞳で私を見つめる
「何…しやが…る、この…糞マネが…!!」
「私、ずっとお腹がすいていたの」
蛭魔君の足首からも赤い液体は溢れだす
それはすでに付いたナイター用のライトに当たってキラキラと光り、とても綺麗
蛭魔君は痛みにさらに顔をしかめ、うつろな瞳で私を見つめる
「糞…が…!てめェは…シュークリームで…満足…しとけ…!!」
「できなかったんだもの。仕方ないわ」
最後には蛭魔君のお腹からも赤い液体が滴り落ちる
当たりは全部蛭魔君
なにもかもが赤い世界
「ほら。蛭魔君が大好きな赤色ばっかり」
「ち…くしょう…」
「うれしい?」
「ああ…反吐が…出そうな…くらいな…」
私は赤く染まった蛭魔君を腕に抱き、満足したように笑う
金髪が赤によく映える
私はそっと蛭魔君に口付けて、力いっぱい抱きしめる。
でも私はマネージャー。
力いっぱいと言っても蛭魔君が痛がらないくらいの力で抱きしめてるわ
そして私は蛭魔君に笑いかける
ああ
私は今凄くお腹がいっぱいよ
「愛してるわ、蛭魔君」
あらあら…
蛭魔君、寝ちゃったのね
こんなところで寝たら風を引いちゃうわ
でも大丈夫。
私がずっと抱きしめといてあげる
「愛してるわ…蛭魔君」
これまでで一番お腹が満たされたわ
私の蛭魔君…
私だけの蛭魔君……
――――――――ゴチソウサマ
END
こちらこそ ゴチソウサマデシタ。
この独特の雰囲気漂う文章が良いですね。
黒い雰囲気が漂ってますよね。
昨日、レンタルショップにて 借りるかどうか迷ったDVDが「羊たちの沈黙」でした。(結局、借りなかったんですが)
なんだかとってもタイムリーなお話でびっくりでした。
「羊たちの沈黙」って有名な映画だけど、実は観たことないんですよね。
友人が「見たい」と云うから、「羊たちの沈黙」の続編の「ハンニバル」は観たことあったんだけど。
私は「羊たちの沈黙」も「ハンニバル」もロクに内容知らなかったので、「ハンニバル」観る前はホラーだと思ってたんですが 分類はサスペンスなんですね。
「ハンニバル」観た後、分類はラブストーリーで良いんじゃないかと思いましたがね★
アレってラブストーリーですよね?
クラリスに激ラブなレクターさんのお話v
・・・で、「羊たちの沈黙」と「ライジング」を観ようと思ってはいるんですが 迷って、結局借りず仕舞。
どうも、サスペンスとかホラーとか苦手なんですよね・・・。
血とかは全く平気なのでグロい映像よりも精神的にくるやつが嫌いです。
観るならアクションが良いですv
しかし、蛭魔は筋張っててしわくて食べれたモンじゃないかも・・・。
あらゆる意味で煮ても焼いても食えない男っぽい★
雑食の動物の肉は臭いって云うので 人間の肉なんて本当は美味しくないんだろうな。
刀とかで2人も斬ると油ベットリで切れなくなると聞くし。
絶対美味しくないよね。
あ、でも、すごい昔の事件に、日本人がフランス人(だったかな?)の奥さんの事が凄い好きで同意の上で食べたって事件があったと聞いたような・・・?
何かの聞き違い、覚え違いかもしれないけど・・・。
「食べちゃいたいくらいかわいい」とか 好きすぎて一心同体になりたいと思う気持ちってのはあるのかもしれませんね。
私は食べたくも、食べられたくもないけど★
あ、でも、以前、自転車運転中に車に衝突される事故に合った時、右足にスプーンでプリンをすくったような穴があいちゃった事がありまして・・・
ぽかりあいた穴を見てふと「自分の肉なら食べても犯罪にならないのか?」とは思いましたけどね★
わざわざ斬っては嫌だけど、取れたものだったら ちょっと食べても良いかもとか思ったんですが、友人に「発想がグロい。ヤメテ」と云われました。
本人はいたって真面目だったんですけどね~?
グロい話しで申し訳ないです。