Diplomat
外交官になって約6年
今の今まで何事もそつなく、完璧に物事をこなしてきた
役に立たないボンクラ政治家やほかの糞大使殿を立てつつ、自分の有利な方へ動かす
なんてすばらしい職業だろうか
この職になるためにいくつか犠牲にしたが…その犠牲は無駄ではなかった
「蛭魔特命全権大使殿」
「何でしょうか」
「君は何か望むかね?」
「…といいますと?」
嫌な野郎
政治や内閣をまともに動かせもしないのに当選し、のぼせあがっていやがるアホ
金が入るのをいいことに高級車や趣味の悪い遊びに惚ける
公開されないのが不思議なくらいだ
気付いていないだろうな?
もうそろそろお前の首は飛ぶんだぜ
自分の危機にもギリギリにしか気づかない糞野郎め
「君も若い…。誰か心を寄せる人はいないのか」
「ははは…残念ながら、そういう縁には恵まれなくて」
「ほほう…君のルックスはなかなかのものじゃないか?」
「性格的に合う女性がいませんでしたので」
「なるほど君のような有能な男にはそれ相応の女性がいるな」
ケラケラト何が楽しいのか汚い声で高笑いする男
ああ居たさ
俺にふさわしい女が居たさ
唯一俺の中に踏み込んで来た女がいたんだ
そいつの名は今や俺の禁句
大事に大事に扱いたかったあいつを…
俺は最終的に捨てたんだ
貴様に何がわかる
女はすべて金で釣って来たんだろう?
「ところで私の娘を知っているかね?」
「ええ、存じ上げております」
「どう思うかね?」
「…貴方によく似た美しい娘さんでしたね」
「そうそう、君とちょうど一つ違いでね~」
あてがうつもりか?
有能な俺をそばに置いておきたいのか?
そうだろう
総理や天皇陛下まで俺を重宝しているからな
お前も欲しいんだろう成金め
金で釣るより女で釣った方がそりゃあ確率が高いだろうな
なめるな
「君、ちょっと私の娘と会わないか?」
「まぁ、私のようなものがあってよろしいのでしょうかね」
「もちろんだ。君のように優秀だよ、私の娘は」
「私の予定が合えば是非」
「よろしく頼むよ」
残念
てめえのガキに割く時間はねえ
ピルル…ピルル…
「失礼」
『あ、蛭魔君?』
ダ・レ・ダ
『武蔵君に聞いたの…今大丈夫?』
「今どこにいるんですか?」
『え?…蛭魔君よネ??』
「ああ…わかりました。今すぐ行きますのでそこでお待ちください」
『え?え??!』
ピ…
「蛭魔特命全権大使殿?」
「今から愛引きにって来ますね」
「…は?」
「残念ながらあなたの娘さんとは会う暇がありません」
「え…と…」
「それでは失礼いたします」
「あの…!!」
「あ、そうそう…」
親指を立て、首に対して垂直に構える
そしてゆっくりと横に移動させる
意味は言わずもがな
―――オマエノ首ハ飛ブゼ
一人趣味の悪い廊下に置いていかれる一大臣
そんなだから時代にも置いていかれるんだ
あいつは置いて行かれたが、追い付いたんだ
この俺に追いついたんだ
俺の可愛い糞天使
国より大切な女
この官職につくのに捨ててきた大事なもののひとつ
アメフトという大事な化けの皮を捨てた悪魔に
何が残っていたのだろうか
ばかだな
ピルル…ピルル…
『さっきの蛭魔君何?!』
「うるせえ!!そこから動いてねえだろうな!?」
『そんな言い方ないでしょう?!動いてないわ!』
「よう。久しぶりだな、糞風紀委員様よ」
「ファ…!!ちょっと!」
「何かようか?」
「あ…今度アメフトしようって武蔵君が…」
「…そろそろそういう時期だしな。いいぜ。面白い…」
「え…?ちょっと…その顔…」
「…この俺が優勝かっさらってやるよ」
「蛭魔君…!!」
「ついてこい姉崎。糞ガキども集めて世界に行くぞ!!」
「うん!!」
狙うはアメリカンフットボール・オリンピック
通称 I FAF
「泥門デビルバッツ再結成YA――――――HA―――――!!!!!」
久しぶりに叫ぶこの言葉
いままで戦ってきた陰気なフィールドとはおさらばだ
あの熱いフィールドに今戻ろう
あの馬鹿どもと一緒に
こいつと一緒にあの舞台へ
国なんか糞喰らえ
内閣など知るものか
もし俺に噛みついてみろ
合法的に終わらせてやる
なんたって俺は
元・特別全権大使殿
現・悪魔のデビルバッツ司令塔
誰にも邪魔はさせない
もう何も捨てはしない
あいつも
アメフトも
END
ありがたや~~!
ありがとうございますー!!
素早い反応素晴らしい!
素敵小説素晴らしい!!
も~ウキウキですv
また よろしくお願いしますねv ←図々し過ぎ★

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