情熱Sympathy 2
「蛭魔君!」
まもりの声にクラス中の視線が集まる。
「蛭魔君の最近の言動について苦情が風紀委員会に寄せられて、風紀委員会としても放置できないと決議されました。」
「ほぉ それで?」
馬鹿にしたような目で見下ろす蛭魔に怯む気持ちを叱咤して言葉を続ける。
「今日から2週間の部活動禁止処分です。」
「なにっ?!」
一気に目付きの鋭くなった蛭魔がまもりが目の前にかざした処分の書かれた紙を引ったくり目を通す。
「これを考えたのはてめぇか?」
地の底を這うような怒りを孕んだ声に背筋が凍る。
「ち、違うわ…でも風紀委員会の決定よ」
蛭魔は苦々しく舌打ちした後、何処からか取り出したライターで火をつけ用紙を燃やした。
「何するのよ?!」
驚くまもりを一瞥することもなくカバンを掴むと蛭魔は教室を出て行こうとした。
慌て栗田が声をかけた
「蛭魔~ドコ行くの!?」
「帰んだよ!部活出来ねぇのにんなとこ居てもしょうがねぇだろうが!」
「なんとか頼んで処分取り消して貰えないかなぁ…」
「糞!!」
蛭魔は自分の椅子を怒りに任せて蹴り挙げた。
蹴られた椅子はまもりの横スレスレを飛び隣の机にぶつかり派手な音を響かせた。
何事かと蛭魔達を見ていた生徒達が一瞬、身構える。
「ちょっと!危ないじゃない!誰かにあたったらどうするの!?2週間の部活動禁止じゃ済まなくなるわよ?!」「ケッ!今日から2週間部活動禁止で それがとける日からテスト週間突入で当然、部活動禁止。四週間近く部活出来ねぇんだよ!頼んで処分取り消し?はっ!校長達の許可も取ってやがるし ここまで根性悪ぃ計画立てる奴だ そんな甘い話しが通るわけねぇだろう!」
2週間でも長いと思ったのに、処分ではないとは言え更に2週間近く部活が出来ないなんて…
そんな事になるなんて蛭魔の指摘を聞くまで気付かなかった。
まもりは言葉もなく立ち尽くした。
蛭魔は話しは済んだとばかりに足早に教室を出て行こうとしたがドアをくぐる寸前、立ち止まるとまもりに言葉を投げつけた。
「おい!糞風紀委員 糞風紀委員長に俺に時間を与えたことがどう言う事かよく考えとけって言っとけ!」
蛭魔の言葉に我にかえったまもりが振り向いた時には すでに蛭魔は立ち去った後だった。
翌日、蛭魔は学校に来なかった。
悪魔の居ない学校は銃声も響かず平和そのものだった。
その翌日も翌翌日も蛭魔が現れることはなかった。
居たら居たで目について腹がたつのに居なかった居なかったでどうしてか気になる。
なんてタチの悪い悪魔だろう!
授業を受けながらまもりは理不尽に腹を立てていた。
知らず知らず黒板を書き写す筆圧も強くなりシャーペンの芯がパキパキ折れる。
明日も来なかったら…まもりは窓の外に目をやった。
4日目も蛭魔は登校しなかった。
まもりは栗田に蛭魔の事を聞いてみた。
「何度か携帯にかけたんだけど繋がらないんだ…そっとしといた方が良いのかなぁ?どうすれば良いんだろう…」
すっかり元気のない栗田の巨体はなんだかしおしおと萎んで縮んで見えて可哀想だった。
やっぱりほっとけない!
まもりは行動開始を決意した。
続く
時間切れで 短くてすみません~~。
続きは・・・どうなるんでしょう??
まもりさん 突然、色々やってくれるので予定外が多い上
私の頭の中で蛭魔さんが勝手に陰謀企て出してます。
まとまるのでしょうか・・・。
いや、たいした話じゃないんですけどね★

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