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情熱Sympathy 4
「糞!」
まもりを部屋へと押し込めて力任せにドアを閉めた。
泣いているまもりを連行する蛭魔をロビーにいた連中はなんとも言えない顔で見送った。
どんな噂が立っているやら…考えるだけで気が滅入る。
「てめえ、ご丁寧にこんな所まで嫌がらせしに来やがったのか?!いい加減泣き止みやがれ!そうでなくても見れねぇ顔が二目と見れねぇもんになってるぞ」
「なっ!泣いてる女の子に対してそんな言い種は無いんじゃない!?一体、誰のせいでこんな…」
「俺のせいってか?」
「…違います。ごめんなさい」
素直に謝るまもりに毒気を抜かれる。
「で?」
「“で”?」
おうむ返しに聞き返すまもりに呆れてため息をつくと蛭魔はバスルームへと消えた。
ようやく落ち着いたまもりは部屋の中を見回す余裕が出てきた。
部屋はツインタイプで案外広い。
綺麗に整えられた2つあるベッドの一つには着替えやら雑誌、何かの資料、あらゆる物が雑多に積み上げられていた。
ベッドの向こうの壁際にも天井に届く程 本が何列も積み上げられている。
興味をひかれたまもりは本に近づいてみた。
ハードカバーが大半を占める本の山の背表紙は日本語だけでなく、英語、ドイツ語、フランス語?
様々な言語で書かれていてまもりにはよくわからなかった。
背表紙をざっと見ただけでも最新刊から年代物だと思われる本まであり、種類も最近、話題になった小説から医学の専門書に投資の専門書、パソコン関連、果ては六法全書まで多岐に渡っている。
「ニーチェまで読んでるんだ…」
余りの守備範囲の広さに恐れ入る。
「ここはアメフト関連の本なんだ?」
アメフトの専門書にスポーツ医学、スポーツ心理学一番上に置いてある何度も読み返した事が伺える本を手に取って見た。
「てめぇ 何勝手に人のもん触ってんだ」
突然の声に驚いてまもりは本を落としそうになったがなんとか落とすことなく元に戻した。
そこにはいつの間にか服を着替えた蛭魔が立っていた。
「ほらよ」
いきなり放り投げられた物を慌てて掴む。
手の中にはブラックの缶コーヒー。
「お砂糖とミルクもらえる?それとカップ」
「んっなもんねぇよ」
「無いの?」
少し躊躇ったがせっかくなので飲んでみた。
「うっ…」
苦くてとても飲みきれそうにない。
「で?てめえ何しに来やがった?」
「あっ!これ」
まもりは鞄を開けると数枚のルーズリーフを取りだし蛭魔に渡した。
「もうすぐ試験期間に入るのに蛭魔君 学校休んじゃって…勉強わからなくなったら大変でしょ?だからノートとっておいたの。私なりに要点をこっちにまとめておいたから…わからない所があったら遠慮せずに聞いてね?」
渡された紙にざっと目を通す。
ルーズリーフの中央よりやや右寄りに縦に線を引き、左側には黒板を書き写したもの、右側にはその捕捉として参考書に載っているポイントや自分で調べたであろう情報が要点をまとめて簡潔に書かれている。
このノートなら参考書なんぞ開かなくても十分に参考書になる。
一目で出来るのがわかるノートだ。
だが…根本的な所を間違えている。
「…普段、俺がノートとってると思うか?」
「…!あっ、でも 授業受けて無いから…」
「出席が足りねぇと部活が出来ねぇから教室に居るだけなんだよ 勉強なんざしてるわけねえだろう」
そう言って蛭魔はルーズリーフを荷物が山となっているベッドに放った。
「…学校どうする気?登校拒否になった訳じゃないのよね?」
「はぁ?俺がんなモンなるわけねぇだろう」
少しまさかと思っていたので馬鹿にしたような蛭魔の態度に安心した。
「じゃあ明日からちゃんと」
「出ねぇよ」
「えっ どうして?学校休んで何するって言うの!」
「俺にとって学校はアメフトする所でそれ以外は興味ねんだよ。 ま、せっかくのロングバケーションですから有意義に過ごさせて頂いてマスヨ」
「有意義…」
意地悪い笑顔にろくなことしていないんじゃあ…と、嫌な予感がよぎった。
続く
蛭魔の部屋のシーン 終わりませんでした・・・。
たったこれだけ。
もう飽きられて読んでる人いないんじゃないかと思うゾ★
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