タイトルからもわかるとおりなお話です★
ご注意ください~~~。
misstep
「ねぇ、何かあったの?」
「あん?」
冷蔵庫の中を覗く蛭魔に尋ねてみる。
一人暮らし専用のワンルームマンションなのでベッドの中からでも部屋の隅々まで見渡せる。
女はベッドにうつ伏せたまま、視線だけ蛭魔に送った。
「今日はいつもより激しかったから……」
「……」
冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターをそのまま煽る蛭魔はこちらに背を向けたまま、返事もしなければチラリと視線を向けることもない。
そんな蛭魔の態度に女の中にささやかな嗜虐心が芽生える。
「ワールドユース観たよ」
やはり返事はない、が、蛭魔が女が何を言い出すつもりなのか考えあぐねているのを肌で感じて、女は心に余裕が少し生まれた。
「マネージャーの子ってハーフ?綺麗な子だね」
「別に…」
素っ気なく返事を返した蛭魔に心の奥がチリチリとした痛みを感じる。
「あれだけ綺麗な子ならモテるでしょう?」
「…さあな」
何も知らないクセにズバリ核心を突く。
女って奴は油断ならねえ。
焦りにも似た微かな苛立ちを感じて蛭魔はやや乱暴に冷蔵庫を閉めた。
そんな蛭魔の態度はますます女の心に火を着ける。
「ふふ、今日、激しかったのは部活引退したせいで体力が有り余ってるから?それとも…綺麗なマネージャーさんが関係してる?」
ベッドから起き上がると、女は手を伸ばしミネラルウォーターを要求した。
「あんな女、関係ねえよ」
そう言って女にミネラルウォーターのペットボトルを放った蛭魔の脳裏には、ウッカリ出くわしてしまった面白くもないシーンが鮮明にリプレイされる。
部活を引退してからと言うもの、まもりと蛭魔は接点がほぼ無くなった。
一緒に帰ることは勿論、話すこともなければ顔すら合わせない日が増えた。
元々、両極端な場所にいたのだから今の状態こそが自然なのだと思う。
以前に戻っただけだ。
クリスマスボウル優勝と言う目標を叶えた今、元マネージャーなんぞ何をしようと、どうなろうと、自分には全く関係無く、どうでも良い事のはずだった。
それなのに久しぶりに立ち寄ろうと向かった部室に行く途中の校舎の陰で見てしまった。
野郎に告白される元糞マネの姿。
そんなモン、今まで散々見慣れていたハズなのに、何故か今日は苛立った。
一瞥しただけでさっさとその場から立ち去ったが、立ち去ろうとしたその時、元糞マネと目があった。
一瞬、嬉しそうな顔をした元糞マネに更に苛立って、結局、部室による事なく学校を後にした。
苛立ちの原因が解らない事に更に苛立って、馴染みの女のマンションに転がりこんで、その苛立ちを女にぶつけた。
身体がさっぱりしたせいか、脳が動き始め、苛立ちの原因を究明した。
が、その結果は更に蛭魔を苛立たせるモノだった。
糞!
心の中を見透かすような視線を送ってくる女にも居心地の悪さを感じて苛立つく。
「あの子の事、好き?」
ミネラルウォーターで喉を潤した女がさらりと聞いて来た。
そんなモン、認める訳には行かねえ。
「別に。あんな女好きじゃねえ」
「じゃあ私の事は?」
「てめえの事は嫌いじゃねえ」
そう言うと蛭魔は軽く女の唇に軽いキスを落として、バスルームへと消えて行った。
シャワーの音が聞こえて来ると女は飲み干したペットボトルを放り出して、重力のまま再びベッドに沈んだ。
「『嫌いじゃない』より『好きじゃない』の方が好きの度合いが強いなんて…悪魔はホントひねくれ過ぎだよ…」
そう言うと髪の毛をひとふさ自分の目の前にかざした。
そこに有るのは偽物の茶色。
「……黒に戻そうかな……」
ぽつりと呟き瞳を閉じた。
END
スミマセンスミマセンスミマセン!
何じゃこりゃあ!?と怒られそうぅぅぅぅ・・・・。
ええ~~っと 蛭魔さん、まもりと付き合ってないから浮気じゃないですよ?
きっと、その後、蛭魔とまもりは両想いですv
だから こんな話でも 私的には蛭×姉ど真ん中★

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