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Scherzo and Field

好きな小説、漫画について徒然なるままに書くお気楽ブログサイトです♪  *現在、「アイシールド21」にハマっているので蛭×姉を中心に同人的要素を含んだものがあります。ご注意ください.*

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  posted by at 03:09:25 │EDIT
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作戦は先読み

  posted by 春海 さな at 23:46:19 │EDIT
とろとろショボイ更新しかできてないヘタレな私に風龍凪さんが素敵なお年玉をくれました~~~!!!
わ~い!
素敵ですぅ~~vv

こいつは春から縁起が良い♪


わ、私も頑張りますっ!!

有難うございました!!

 
「ん?」
「どうしたの、十文字くん?」
「今、あんたのポケットん中から何か落ちたぜ」
「え、本当?どこ?」
「…これ……ヘアピン?」
「…あ…これって…」

『作戦は先読み』

ポケットから出てしまったヘアピンはとても小さくて、大学生が使うようなものではなく、小学生が着けるような玩具のヘアピン
私の大事な宝物
二つの宝物を鞄の取っ手に着ける
鮮やかに蘇る思い出

「貰い物ッスか?」
「うん…」
「へぇ…誰からッスか」
「…これは」

今から約9年前
まだセナに付きっきりだった頃
私は甲斐谷陸くんと一緒に走る練習をしているセナに家庭科の授業で作ったマドレーヌを届けにいくところだった
夕方で、すでに陽がかなり傾いていたので私は急いで届けようと、いつもは通らない裏道を走っていた
すると、橋の下で何やら中学生に絡まれている小学生がいた
黒いランドセルは砂にまみれており、中身のノートやら筆記用具やらも飛び出ている

「こら!イジメはいけません!!」
「あぁ?…なんだ、このガキ」
「中学生がなにしているんですか!?君、大丈夫?怪我とかしてない?」

中学生3人を掻き分け、膝をついてすわっていた小学生を見た
その容姿は異様だった
人並みならぬ大きな耳と細く切れ長の鋭い眼光、そしてツンツンとした黒髪
今でも鮮明に焼き付いているあの殺気
私はドキリとした

なに…この男の子…

その子は服についた砂を手で払いながら中学生に話し掛けた

「おい。俺はてめぇら雑魚にかまってる暇はねぇんだ。さっさと退けろ」
「あ゛ぁ゛!?」

物怖じしないその姿勢
とても小学生のそれとは思えない

「何いってんだ、このガキ」
「調子乗りやがって」
「殺っちまえ!!」
「あ!危な…」

バーンバーンバーン…!!

3発の銃声
煙を上げるコンクリート
発射位置は私の目の前

目の前の男の子が持つ拳銃から放たれた

不敵に笑う彼
恐怖に怯えたのは中学生達だけではなかった
私は足に力が入らなくて、ただただ成り行きを見守るしかなかった

「さぁ、一番最初に死にたい奴は誰だ?」
「「「ひぃぃぃっっ!!」」」

残されたのは二人の小学生
くるりとこちらを向いた彼はもう笑っていなかった
差し出された右手にはあの怖い拳銃はなくて、代わりに飴玉があった

「やる」
「あ…ありがとう…」

ロケットベアの包装のイチゴミルク飴
彼の外見からは想像できないチョイス

「…ったく。敵わねぇんだから、すっ込んでろよ」
「ごめんなさい。…でも、助けなきゃって…」
「はっ!!くだらねぇ」
「………」

私だって敵わないことぐらいわかっていた
でも、見逃すことも出来ない
体は勝手に飛び出していた
くだらないと言われたのがショックで、その場に座り込んでいると彼はさっさと帰っていた
スタスタと歩いていく彼はとても綺麗で、私の胸は跳ねっぱなしだった
急いで立ち上がり、全力で走り、彼の腕をつかむ
彼はビックリしたような顔で私を見た
私はそんな彼に質問した

「名前は?」
「………知ってどうする」
「別に?どうもしないけど…」
「なら教える義務はねぇな」
「良いじゃない、教えてくれても」
「イ・ヤ・ダ」
「ケチ!!」

そこまで言って、私はさすがに諦めてさよならを言おうと顔をあげた
すると、思いの外彼の顔が近くて…また私の胸は跳ねる

「あ…あの。じゃぁ、また会ったら声かけてね」
「………おう」
「えっと…さよなら」

立ち去りたかった
なんだろうこのソワソワして落ち着かない気持ちは
くるっと体の向きを変えてセナ達のところへ急ごうとしたら、今度は私の腕を捕まれた
勢いがあり過ぎたのか、気が付いたときにはそのまま私は彼の腕の中に収まっていた
今まで嗅いだことのない男の子のにおい

「あの…ちょっと」

彼は二つの可愛らしいヘアピンを私の髪に差し、くくっと喉をならして笑った
訳がわからず彼の顔を見ると、彼はあの狡猾な笑みを浮かべていた

「まぁ、女にしちゃぁ中々のガッツだったぜ」
「はぁ…」
「一応助けようとした礼だ。受け取りやがれ」
「え!?別にいいよ!!」
「返品不可だ」
「でも…」
「じゃぁな」

今度こそ別れだ
二度と会えない

私はさっさと帰る彼の背中に精一杯叫んだ

「私は姉崎まもり!!またね!!」

彼はこちらを見ずにヒラヒラと右手を振った
でも、それでも私は飛び上がりたくなるほど嬉しくて、走り出した
行き先はセナたちのいる河原
夜は近い
しかしあの夕日はまだ沈まない

今日の夕日は彼によく似ているな

そう思いながら私は走った
まだまだ早く走りたい
もっと…もっと早く!!

「またね…」

***********


「へぇ…そんなことが」
「そうなの。今の今まで忘れてたんだけどね」
「で?会えたんスか、そのガキに」
「ん~……」

「会ってるだろぉが、糞マネ」

振り返ればそこには悪魔が一人立っていた

「会ってるって…どうして蛭魔君がわかるのよ!?」
「どうしてって…そのガキがこの俺だからだよ!!気付かなかったのか、今まで!?」
「え…」

そのガキがこの俺だから

と言うことは…

「じゃぁ、あの男の子って蛭魔君!?」
「そう言ってんだろぉが!!」

なんと言うことだ
言われてみればたしかにそうだ
あの特徴的な耳と瞳、さらに髪型
なぜ今まで気がつかなかったんだろうか

「おい、糞長男」
「長男じゃねぇって」
「作戦は先読みした方が勝つ」
「!!!」
「てめぇの敗けだ」
「……わかってるよ」
「ねぇ、なんの話してるの?」
「邪魔者は退散退散っと」
「ケケケ…」
「ねぇってば!」

私は最後までわからなかったこの会話の意味を、数ヵ月後にようやく理解した
そして、十文字くんに私の初恋エピソードは他のみんなには黙っててくれと頼み込む羽目になったのだが…
それはまた、別のお話
 





             END

 
 
* * * * * * * * 
 
どうでしょうかね~
小学生ヒルマモ
128thのまもりちゃんがつけていたヘアピンで妄想したものです
いらなければポイしちゃってください☆




・・・との、風龍凪さまのコメント。
こんな素敵な作品ポイするわけないじゃないですか~~!!
も~ ありがたくUPするに決まっておりまする!!

私も精進して素敵な作品を贈れるように頑張りますっ!!!
 

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COMMENT[2]
風龍凪 : 2011-01-08(Sat) 14:17:38 │EDIT
無題 
気に入っていただけて一安心ですわ^^
春海さな : 2011-01-11(Tue) 08:39:00 │EDIT
素敵ですvv 
初恋エピソードv
胸キュンキュンですわ~~vvv

素敵小説有難うございました~!!!
今年もよろしくお願いしますね♪
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