向かうのは・・・ 3
大晦日、7時。
姉崎家のインターホンが鳴り響くと、家の中を玄関に向けて走って来る音がした。
蛭魔が怪訝な顔をすると同時に勢い良く玄関のドアが開く。
「いらっしゃい!」
「おい…この手はなんだ?」
ドアから顔を覗かせたとたん、まもりは蛭魔の腕を両手で掴んでいた。
「だって、帰っちゃうかもしれないから…」
「帰らねぇから手ぇ放しやがれ」
「本当に帰らない?」
「帰らねえよ」
「アラアラアラアラ~!」
突然の声にまもりと蛭魔は腕を絡めた姿のまま固まった。
「初めまして。まもりの母です。いつもまもりがお世話になっております。」
「あ、初めまして。こちらお世話になっております。…おい、いい加減放しやがれ」
「蛭魔君ってちゃんと挨拶できるのね」
「…放せ。帰る」
「いや!嘘!ごめんなさい!」
「まあまあまあまあ、二人とも。蛭魔君、せっかくだから上がってって下さいな」
「「えっ」」
にこやかな母の提案に二人が固まる。
「あ、母さん。私たち初詣に出かけるから…」
「えー!?嫌~!お父さんは急なフライトで帰って来ないし、まもりまで出かけちゃったら母さん、独りぼっちで新年迎えなきゃいけないじゃない~!誰にHappy new year言えば良いの?!」
「でもね…」
「年越し蕎麦だって三人前買ってるのよ?今年もちゃんとみず谷のよ?まもり、みず谷のお蕎麦好きでしょ?蛭魔君も是非食べてみて。本当に美味しいから!ね?ね?」
二人を逃がすまいと必死な母にそれ以上「出かける」と言う事も出来ず二人は観念し、蛭魔は靴を脱いだ。
続く
短くて申し訳ない。
しかも、オリキャラではないものの オリキャラちっくなまもり母登場!
父を出したらややこしくなりそうなので 父にはお空の上に行って頂きました★
やたら明るくて押しの強いまもり母。
・・・・収集つけれるのかしら・・・・?

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