良い悪趣味
「……糞ジジィ」
「姉崎と何かあったのか?」
「あぁ!?何で糞マネが出てきやがるんだ!」
「それ以外にないだろ、お前は」
「チッ!」
この状況を楽しんでるといったらお前はさらに怒鳴るだろうな
しかし本当に面白い
あの受験日から飽きが来ない
帰りに一人の女を写真に納めていたお前はごく普通の男子高校生に見えた
そのときの女を我がものにした辺りが可愛くないような安心したような…
俺はお前が幸せならいい
素直にそう思えるほどの親友だ
「……俺を完全になめてやがる」
「今に始まったことじゃないしなめているわけじゃ…」
「俺があいつに何にも感じてねぇわけがねぇだろぉが!!」
なるほど
そうきたか!
腹を抱えて笑ったら睨まれたが、それを気にする俺ではない
「まぁ姉崎だから仕方がないんじゃないか?」
「…一度押し倒しかけた」
「で?」
「『蛭魔君どうしたの?』だとよ!」
だめだ
腹が痛い
そのようすがありありと浮かぶ
しかも、色々察した上での"どうしたの?"じゃない辺りがまた…
「正攻法がいいんじゃないか、やっぱり」
「…」
「ここは色々お前がリードしてやれ。後からのことはどうにかなるだろ」
「……チッ…」
この舌打ちは了解の意味だな
しかし部室の扉の前にとある気配が
こいつは気づいているのか?
まぁどっちでも構わないか
いたずら…いや、親切心からくる行動を実行してやろう
「渋るようなら俺が明け透けに言っても構わないぞ?"蛭魔はただ姉崎と寝たかっただけだ"ってな」
「なっ!?」
「自分で言うか?」
「てめぇに説明されるよりはましだ!!」
「そうか…」
せいぜい蛭魔らしくニヤリと口角をあげる
「だとよ、姉崎?」
「………………は?!」
扉からおずおずと入る姉崎
それをみて口をただパクパクする蛭魔にまた笑いが込み上げてくる
きっと頭のなかでは俺に銃を連射していることだろう
現実になる前に邪魔者は退散するに限る
この俺の親切心を有効活用するのかドブに捨てるのかはわからない
明日が楽しみだ
「じゃぁな蛭魔。うまくヤレヨ」
二重の意味を込めてそれだけ言って、部室を出る
後ろでわめく声にまた笑う
お前もやはり人の子で男だ
「…幸せにな」
子供を抱きあやす蛭魔を想像し笑って…同時に幸せに浸る
俺の最近の悪趣味な趣味だが…
それなりに悪くないだろ?
END
やるね!
ムサシャン!!
風龍凪さまのところの蛭×姉は 蛭→→→←←←姉って感じにお互いがラブラブですよね~~v
ウチのなんて蛭→←姉くらいの糖度しかないものな・・・・。
恋愛にベタベタにはなれない私の性格が反映されてるんでしょうね・・・。
風龍凪さま
毎回素敵小説を有難うございますvv
色々なジャンルをいっぺんにお書きになられてて それだけでも凄いのに!
私なんて蛭×姉だけでグルグル~~~@@
しっかり頑張らねばと思ってはいるのですがね★
有難うございました~~vv

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