BE ME BABY 3
再び部室へと歩きだしたが、校舎の角を曲がった瞬間、反対から来た一団にぶつかってしまった。
「あん?なんだァこのオヤジ」
「痛てぇなぁ」
「気ィつけろ」
目の前に立ち塞がり凄む三人組。
見るからに悪そうな面構えに口の悪さ。
ふっ、不良だ!
偏差値の低さは伊達ではなかった!!
「おはよう。ごめんなさいね。父がぶつかっちゃって」
まもりは恐れることなく不良どもに声をかけた。
相手の不良どもも普通にまもりと会話を始めた。
「へー、マネージャーの両親なんだ」
「さすがマネージャーのママさん。美人だよなぁ」
タラコ唇な男と変な色眼鏡をかけた男はまもりと妻を相手に盛り上がって話しをしているが、一人、頬に十字の傷の男は少し間を置き、無関心を装ってはいるが、こちらを意識しているのがありありとわかる。
この感じ…。
まさか?!
こいつが蛭魔なのか?!
確かに落ち着いていて、この三人組の中では間違いなくリーダーだろう。
少々役不足な気がするが、昔から優等生が不良学生に惹かれると言うのは有るパターンだ。
私は意を決して十字の男に声をかけた。
「君が蛭魔君なのかい?」
「はあ?!」
「はあぁ?!」
「はあぁぁ?!」
一斉に三人が反応した。
「俺があんな悪魔な訳ねえだろ!」
「どこをどう間違えたらアノ悪魔と間違うんだ?!」
「有り得ねぇ」
本当に嫌そうな顔でかえってきた返事に、この不良学生がまもりの彼氏ではないとわかり、ほっとする反面、彼らの発した言葉が引っ掛かる。
悪魔?
部活をやっていると厳しい練習やしごきに先生や部長の事を鬼と表現することは有るが悪魔とは言わない。
鬼と悪魔を言い間違えているだけなのか?
それとも本当に鬼ではなく悪魔なのか?
……それだったら大問題じゃないか?!
いや、しかし、相手は仮にも娘が選んだ男。
悪魔はきっと言い間違いに違いない。
蛭魔と悪魔。
似ているからきっと引っ掛けたんだな。
「十文字君、黒木君、戸叶君よ。三人とも栗田君と同じラインなのよ」
まもりが紹介してくれたのでにこやかに挨拶を返した。
この不良達がアメフト部員とは驚いたが、不良どもをまとめる手腕に、蛭魔と言う男はなかなか頼もしい奴なのかもしれないと思ってしまう。まぁ、娘が選ぶ位の男なのだから少しは骨があって貰わないと困ると言うものだ。
だからと言って二人の仲を認めるわけでは断じて無い!!
私は決意も新たに蛭魔が居るであろう部室へと再び足を進めた。
続く
次はようやく部室に到着ですv
蛭魔さん登場なるか!?
次はもう少し早くUPするようにします。
そして もう少し長く!
できればラストまで・・・。
ガンバろー!

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