Kids Day
5月5日
端午の節句として、男児の健やかな成長を願う日
それは我が家に新たなルールが加わった日でもあった
それはそれは幸せだった日…
ごく普通の一般家庭とは到底口が裂けても言えないような我が家でも子供の日はくるらしく、お袋が台所で粽やら笹餅やらを作っている
親父は大の甘いモノ嫌いで、今この家に充満している甘いにおいに悪態をついていた
一方俺は容姿や声が父親瓜二つなくせに、母親譲りの世話焼き。中身はお袋にかなり近い。もちろん甘いものも大好きだ
しかし、容姿が父親似の事もあり、思春期真っ盛りの俺は最近周りの目が気になって甘いものを口にできていない
そのため、ここ数日間、今日という日を待ち続けた
見かけを気にせずに甘いものが食べられる
なんと最高な日だろうか
「妖二、はい笹餅。あとで粽もあるからね」
「おう、サンキュー、お袋」
機嫌の悪い親父はストレスのはけ口を俺の方へ向けてきた
「妖二、てめぇ今いくつだ」
「んな?16…」
「16で子供の日をまだ喜ぶかww」
「うっせぇなぁ…イライラしてるからって俺に当たるなよ。だいたい、親父が甘ぇ匂い嫌いなのが悪ィんだろうが」
「言うようになったじゃねぇか」
「ケっ!」
大皿に山のごとく積み上がっていた笹餅をあと一つで突破できる
最後の一個はだれにも渡せない
「お袋の笹餅は世界で一番おいしいよなぁ…」
「あら、ありがとう妖二」
お世辞とかじゃなく、本気でそう思う
すると親父はテーブルの向こうからニヤリとお得意の悪魔のような笑顔を浮かべた
俺はとっさに最後の笹餅を手を伸ばした
しかし、笹餅は俺の手のひらに乗る事はなく、その代わりに親父の口の中へ入っていった
「…え?」
「ん……。やっぱ糞甘ぇ」
「お…おい」
「なんだ」
「俺の最後の笹餅返せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「妖一っ!なにしたのよ?!」
お袋はちょうど粽を作り終え、持ってこようと台所からでてきた
俺は俺の大事な最後の笹餅を食いやがった悪魔を指差した
「もう…妖一、子供じゃないんだから」
「ケケケ!取られる方が悪ィんだよ」
「大人気ねえと思わねえのかよ!?」
「あぁ、全然」
「もう……」
「最後の一個だったのに…」
「そんなに取られたくなかったんなら名前でも書いとけ、糞息子」
「畜生…」
半分いじけながらもお袋の粽を家族全員で食べた
やはり、最後の一個は親父に取られた
親父は学習能力がないとか悪魔のような高笑いをしながら言った
悔しくて泣きそうだったが、それよりもこんなに幸せを感じれる事に涙が出そうだった
「来年は絶対に名前書いといてやる」
「はっ!まあ、せいぜいガンバッテクダサイ」
来年こそは絶対に親父の鼻をあかしてやる!
******
「………じ」
「ん…?」
「親父!」
「―――っ?!」
「ったく寝てんじゃねえよ…」
「あぁ…」
夢…
そうだ
そんな日があった
あれから十数年
今俺には息子と娘がいる
誰に似たのか、人間離れした耳を持つ長男と、ハーフのような栗色の髪と蒼い瞳をもつ長女
今日は5月5日
笹餅に息子はせっせと名前を書いていた
END
どうですか?
訳分からなくなっちゃいましたね…;
すみません
一応…
父:蛭魔妖一
母:蛭魔まもり
長男:蛭魔妖二
↓十数年後
父:蛭魔妖二
母:?(きっとセナと鈴音の娘w)
長男:?
長女:?
…みたいな設定で書いてます…
分かります??;
わかりますとも!!
ほのぼの家庭良いですね~vv
ウチは子供の日はこれと云って何もありませんでした★
柏餅すらなかった・・・・。
そして子供の日と母の日が近すぎません!?
忙しくて母の日の準備ができず、何もやれませんでしたよ・・・。
お互い様?
相殺かな~・・・・。
蛭魔家
私もやっぱり蛭魔には息子って考えちゃいますね★
バッチリ蛭魔似の♪
まもり似の容姿なら中身どちらでも良いだろうけど
蛭魔似だとしたら 中身まもり似はキツイよね★
・・・・って云うか、蛭魔が父親な時点で きっと内面まもりな男の子なんて絶対できないと思っちゃう。
風龍凪さま
小説有難うございましたー!
私も早く小説UPできるよう頑張ります!!

PR