HelloweenTrick
「Trick or treat?」
「なんだテメエ。わざわざ空港まで出迎えに来といて久しぶりに会った第一声がそれか。相変わらず食い意地はってやがんな。菓子なんざ持ってる訳ねえだろ」
「あら?そうなの?わざわざこんな日に帰って来るんだから何か有るのかと期待したのに残念」
「無駄な期待はするだけ損だ」
「そうね。立ち話もなんだから喫茶店でも入りましょう」
「あん?なんで喫茶店でテメエと茶しなきゃなんねんだ?」
「空港ってなかなか来る機会がないから見てみたいの!コーヒー奢るから、ね?」
「ケッ」
「美味しい~」
「帰国早々なんでテメエが糞甘えモン むさぼるのを見せられなきゃなんないんデスカネ?」
「高校卒業して何年になるっけ?」
「自分の歳も忘れる程 もうろくしたか」
「高校からだから…知り合って10年以上になるのね」
「とんだ腐れ縁だな」
「泥門の悪魔が今じゃNFLの悪魔ですものね。ちゃんと夢叶えて凄いよね」
「ケッ、テメエだって保育士になるって糞甘臭え夢叶えただろうが」
「私ね、子供は最低二人は欲しいの 」
「あん?今度は何の夢だ?それとも寝言か?ま、どっちにしても少子化の時代だ。二人なんてケチ臭え事言わずアメフトチーム作るくらい産みゃ良いだろうが」
「アメフトチーム作るくらいはさすがに無理だけど、沢山居るのも良いわよね。子供って可愛いものね」
「……いつまでこんな会話続ける気だ?久しぶりに日本に帰って来たってのに これは何の嫌がらせデスかネ?」
「私ね、結婚するの」
「…ほぉ。そりゃあ奇特な野郎がいたもんだ。てめえみてえな奴を貰ってくれるなんて物好きは世界中にその野郎だけだろうからせいぜい捨てられねえようにな」
「そうよね。私を貰ってくれる奇特な人なんて世界中に1人だけよね」
「おう。絶対離さねえようにしがみついとけよ」
「うん。絶対離さない。で、ね。NFLの悪魔様にお願いが有るの。ここにサインしてくれる?ついでにここも書いてね」
「………なんだこりゃ」
「気にしないでサインしてくれたら良いから」
「普通、気にするだろうが」
「普通じゃない蛭魔君なら気にしないかと思った」
「狙いはなんだ?」
「だって物好きは世界中でたった1人なのよ?」
「…で?」
「結婚することにしたの。奇特な人と」
「……相手の意志は無視デスカ?」
「大丈夫よ?なんたって奇特な物好きですもの」
「……サインすりゃ良いんだな?」
「有り難う。この後 はウチに来てね」
「用意周到って訳か」
「大丈夫!つまらない手土産は私がちゃんと用意しておいたから」
「そりゃ有り難いこって」
「じゃあ行きましょうか」
「おい。テメエの好きな菓子買ってやるからイタズラは止めねえか?」
「残念ながら今、持って無いのでイタズラは実行されます。御愁傷様」
「糞!」
END
え~っと 単に小話。
単に小話を思いついて書いてたら 途中で そう言えばハロウィンだな~って思って・・・
こんなになっちゃいました★
まもりの悪戯で結婚が決まっちゃった哀れな蛭魔さんのお話★
お菓子、お土産にでも買っとけばよかったのにね~v

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