赤い糸
「で? どう言うつもり?」
「言ったままだが?」
「その意味がわかりません」
「しばらく会わねえうちに日本語が理解できなくなったか?」
「日本語が理解できなくなったのは何年もアメリカに行ったきり音信不通だった蛭魔君の方でしょう!」
「あー うぜえ。 ワタシハ 糞女ヲ迎エニ来マシタ。ワタシノ言葉ワカリマスカ?」
「何 その変な発音。ふざけないで」
「てめえのレベルに合わせただけだろうが」
「相変わらずムカつくわね」
「お互い様だ」
「ライスボウル4連覇でMVP獲ったとたんイキナリ留学して居なくなったのは蛭魔君よね?」
「おう」
「私たち あの頃確か付き合ってたわよね?」
「おう」
「留学するなんて一言の相談もなかったわよね」
「なんで相談なんかしなきゃなんねんだ?」
「・・・私たち付き合ってたわよね?」
「おう」
「それでなんで相談が無いの!?」
「相談するまでもねえだろ。 NFLに進める可能性があるなら迷わずいくに決まってんだろうが」
「それはそうだけど、一言相談してくれても良いじゃない」
「誰がなんと言おうと俺は行くし、てめえにはてめえで夢があっただろうが」
「そうだけど、そうだけど 行く前に私は蛭魔君から聞きたかったの!」
「言ってどうなる? 自分の夢諦めて俺についてきたとでも言うのか?俺は自分の夢をかなえるために渡米した。それは俺の勝手だ。その勝手でてめえに夢を諦めろってのは勝手過ぎんだろうが」
「・・・蛭魔君の優しさはわかりにくいんだよ」
「別にそんなのは優しさでもなんでもねえよ。エゴなだけだろ」
「・・・・もう遅いよ。私ね、結婚するの」
「おう」
「彼ね、とっても優しいの。いつも一緒にいてくれるの。隣で笑ってくれるの。背も高くて、顔も性格も良くて、頭も良いの。彼みたいな人は他にいないの」
「ほう。じゃあ、てめえじゃなくても良いじゃねえか」
「は?」
「そんな完璧ヤローなら相手はてめえじゃなくても良いだろうが」
「はい?」
「てめえみてえなのは俺くらいがちょうど良いだろうが」
「はあ?私、結婚するって言ってるわよね?」
「ああ、言ってるな」
「蛭魔君は負ける勝負はしないんでしょ?」
「負ける勝負をしないんじゃねえ。勝率のねえ勝負はしないだけだ」
「私は彼と結婚するって言ってるんだから勝率はないでしょう?」
「0じゃねえだろ?0.1%でも勝率があるうちは諦めねえのが俺だ」
「・・・なんで今頃なのよ・・・」
「NFLで優勝したからな」
「何ソレ」
「NFLで優勝したら日本に帰っててめえをさらうってのが俺の予定だったんだよ」
「何その予定。優勝しなかったらどうするのよ」
「俺の予定は狂った事がねえ」
「どこから来るのよ その自信・・・。ねえ、その予定はいつから決まってたの?」
「生まれた時から」
「・・・・・蛭魔君って・・・・意外とロマンチストよね」
「ケッ。 で、どうすんデスかねぇ?」
「予定は狂わないんでしょ?」
「たりめーだ」
「じゃあ、決まってるのね」
「おう、観念しやがれ」
「蛭魔君こそ覚悟してよね!もう離れないんだから!なんたって決まった事なんだから」
「ケケケケケケッ 行くゾ」
「試合再開ね」
「負けねえゾ」
「当然!」
二人は新たな一歩を踏み出した__________。
END
こりずに小話★
眠くて頭グラグラなので もう寝ます。
お休みなさい。
朝、起きれるかしら~~~~。

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